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ECサイトの運営とは?業務内容や担当者に向いてる人・必要なスキル

ECサイトを開設したものの、注文処理・商品登録・広告運用など複数の業務を同時進行でこなせず「売上が伸びない」「何から改善すべきか分からない」と悩んでいませんか。
担当者に任命されたものの必要なスキルや適性が曖昧で、試行錯誤ばかりが続くケースも多いです。

この記事では、EC運営の全体像を整理し、具体的な業務内容担当者に求められるスキル適性を分かりやすく紹介します。

さらに楽天・Amazonなどモール型と自社ECの違い、外部委託を検討する際の判断基準まで解説するため、限られたリソースで成果を出したい担当者の指針になります。
ECチームづくりやキャリア設計のヒントとして活用してください。

目次

ECサイト運営の基本

ECサイトの運営は「商品を売る場をつくる」だけで完結しません。

集客から受注処理、配送、カスタマーサポートまで購入体験を一気通貫で設計し、日々チューニングする仕事です。
複数部門の連携が前提となるため、全体像を把握したうえで優先順位を付けて進める視点が欠かせません。

運営業務の全体フロー

EC運営は「集客→接客→決済→配送→フォロー」の流れで循環します。

集客では広告やSEOで流入を増やし、接客では商品ページやチャットで購買率を高めます。
決済後は在庫引当と出荷手配を行い、配送状況を可視化して顧客に安心感を提供します。

最後にレビュー依頼やメルマガで再購入を促し、顧客の声を分析して次の集客〜接客改善へつなげます。

フェーズ別の重点タスク

立ち上げ期は商品情報の整備と初期集客が肝心です。

運用期に入ると広告費対効果やページ改善による転換率向上が主戦場となります。
成長期には会員ロイヤルティ施策や在庫回転率の最適化が売上を押し上げ、成熟期には物流コスト圧縮と新規チャネル開拓が利益を守ります。

各フェーズで役割が変わるため、運営チームは常に現状を評価し打ち手を更新し続ける必要があります。

EC運営担当者の役割

担当者は販促、在庫、顧客対応など広範な業務のハブとして機能します。

自社内外の情報をつなぎ、数字と現場感覚を往復させながらサービス品質を高める姿勢が求められます。
特定タスクに偏らず、全体のボトルネックを見極める観察力が成果を左右します。

日次オペレーションの管理

日次では受注データのインポート、決済ステータスの照合、在庫引当、出荷指示を30分以内に終える体制を組みます

返品・交換要求はチケット化し、優先度とSLAを設定すると対応漏れを防げます。
倉庫システムとAPI連携した自動トラッキング通知を顧客へ配信し、配送遅延が発生した場合は事前連絡できるようアラートを組み込みます。

担当者は午前と午後の2回、在庫異常や受注急増のダッシュボードを確認し、部門横断で是正アクションを即時共有します。
社内チャットに定型レポートを自動投稿し、全員が状況を同期できる環境を整えると齟齬がなくなります。

運用指標は処理完了率95%問い合わせ初回応答2時間以内を目安にし、定期的に見直すことでリードタイム短縮と顧客満足度向上を同時に実現できます。

売上と利益のモニタリング

売上を構成する広告流入数、転換率、客単価、リピート率を日次でダッシュボード化し、前週比5%以上の乖離があれば原因を即時追跡します。
粗利益は広告費と物流手数料を含めて算出し、不採算SKUは自動アラートで停止、マージン改善策の検討に進みます。

週次レビューではチャネル別・商品カテゴリ別にABテスト結果を比較し、CPCやROAS、在庫回転率の高低を基準に投資配分を最適化します。
月次では季節変動とキャンペーン効果を重回帰で検証し、成長商品の追加発注と価格改定を提案します。

予算実績差異分析はGoogleスプレッドシートで可視化し、経営陣へのレポートは指標をKGI→KPI→KDIにブレークダウンしてプレゼンフォームで共有すると意思決定が迅速化します。

EC運営に必要なスキル

EC運営は「売れる仕組み」を設計し続ける仕事です。
マーケティングだけでなく、システム理解や在庫管理など幅広いスキルがかみ合って初めて成果が生まれます。

EC運営に必要な主なスキルとして以下があげられます。

  • データ分析と数値感覚
  • マーケティングと販促設計
  • 顧客対応とCSマインド
  • サイト構築とUI/UX設計
  • ロジスティクスと在庫管理
  • ITツールと自動化知識

上記のスキルを優先度と習得難易度で整理すると、早期に体制を強化すべき領域が見えてきます。
それぞれの内容と伸ばし方を具体的に解説していきます。

データ分析と数値感覚

顧客流入数・転換率・客単価・リピート率を日次で把握し、異常変動を即座に検知できる力が求められます。

GA4やLooker Studioでダッシュボードを構築し、BigQueryに連携してSKU別粗利を自動計算すると分析効率が向上します。
RFM分析やコホート比較で優先施策を定量的に特定し、改善インパクトが大きい指標から優先的にテストを回す習慣が利益最大化の近道です。

マーケティングと販促設計

検索広告・SNS広告・アフィリエイト・メール施策を組み合わせ、流入量と購入確率を最適化する設計力が不可欠です。
SEOで指名検索を増やしつつ、リターゲティング広告で取りこぼしを減らすなどチャネルごとの役割を明確化しましょう。

年間プロモーションカレンダーを作成し、セールや新商品投入のタイミングで価格訴求とブランド訴求を使い分けるとLTV向上につながります。

顧客対応とCSマインド

問い合わせ初回応答時間や解決率はレビュー評価に直結します。
チャットボットとFAQで一次解決率を高め、感情面のケアが必要な案件のみ有人対応に振り分ける運用が理想です。

KPIはFCR(First Contact Resolution)80%以上、CSAT(顧客満足度)4.5以上を目安にし、VOCレポートを月次で商品企画や物流チームと共有すると組織的な改善サイクルが回ります。

サイト構築とUI/UX設計

モバイルファーストでCore Web Vitalsを意識した高速表示、視覚的ヒエラルキーを踏まえた商品ページ設計が転換率に直結します。
検索性を高める絞り込みフィルター、決済フォームのステップ削減、アクセシビリティ対応など細部の最適化が離脱防止に効果的です。

ノーコードCMSとカスタム開発を併用し、マーケターとエンジニアの連携工数を減らすことも重要です。

ロジスティクスと在庫管理

需要予測と仕入計画を連動させ、適正在庫を維持することで欠品と過剰在庫を同時に防げます。
WMSとの連携で安全在庫を自動計算し、ABC分析で回転率が低いSKUを可視化するとキャッシュフローが改善します。

発送遅延を減らすためにはピッキング動線の最適化やクロスドッキング導入が有効で、リードタイム短縮がレビュー評価とSEOの双方に好影響を与えます。

ITツールと自動化知識

受注処理、在庫同期、レポート配信をAPIやiPaaSで自動化するとヒューマンエラーを削減し、クリエイティブ業務へ時間を投資できます。

RPAで単純作業を代替し、Webhookでツール間連携をリアルタイム化すると組織全体の反応速度が上がります。
導入時はセキュリティパッチ適用や権限管理を徹底し、ダウンタイムを最小限に抑える運用体制を整えましょう。

EC運営に向いている人

EC運営は「変化への対応」「論理と感情のバランス」「細部へのこだわり」が同時に求められます。
自分の得意分野がどこにあるかを把握し、足りない領域をチームで補うことで組織の生産性が高まります。

  • 課題発見が得意なタイプ
  • 変化への柔軟な対応力
  • 細部を詰める継続力
  • 数字で語れる論理性
  • 顧客視点で考える姿勢

上記の特性は採用や人員配置の参考指標になります。
それぞれの特徴を順番に解説していきます。

課題発見が得意なタイプ

受注データやレビューコメントを眺めるだけで違和感を察知し、仮説を素早く立てられる人は改善サイクルを加速させます。
週次レポートの散布図で外れ値を見つけ、現場ヒアリングで原因を絞り込み、その日のうちにテスト設定まで進められる行動力が強みです。

面接では過去に気付いた課題と解決プロセスを語ってもらうと適性を判断しやすく、観察力と仮説思考を兼ね備えた人材はデータドリブンな文化構築の核になります。

変化への柔軟な対応力

アルゴリズム更新、物流遅延、トレンド変化など突発的な出来事が日常的に起こるのがEC運営です。

優先順位を即時で組み替え関係部署と合意形成しながら打ち手を実行できる人は危機をチャンスに変えられます。
具体的には「影響度×発生確率」でリスクマップを作成し、シナリオごとに暫定KPIと対応手順を用意しておくと迅速な判断が可能です。

柔軟性は情報収集と想定問答の訓練で高められるため、日頃から業界ニュースと競合動向をチェックする習慣が効果を発揮します。

細部を詰める継続力

商品ページの表記統一やSKUごとの重量入力など、一見地味な作業を妥協なく積み上げる人はサイト全体の信頼性を底上げします。
タスクを手順書に落とし込み、定期リマインダーで進捗を可視化することで、抜け漏れや品質ばらつきを防げます。

継続力の高い担当者は改善活動をルーチン化しやすく、作業時間とエラー率をデータで追いながら標準化を進めるため、チーム全員の生産性向上に寄与します。

数字で語れる論理性

施策提案時に「広告投資を10%増やしてもROASが1.4倍向上する見込み」など具体的な根拠を示せる意思決定が迅速になります。

ピボットテーブルや回帰分析を用いて原因と結果を切り分け、シナリオ別に利益インパクトを試算できる人は経営層とのコミュニケーションで信頼を得やすいです。
論理性が高い人材は知見の再現性を担保し、属人化を防ぐドキュメント整備も得意とします。

顧客視点で考える姿勢

数値だけでなく購入者の心理を読み解き、期待値を上回る体験へ落とし込める人がリピート率向上を実現します。
具体的には自ら購買フローを体験し、離脱ポイントや感情的ストレスを記録したうえで改善案を提示します。

レビュー分析で頻出ワードを抽出し、商品開発や物流パッケージ変更に反映できる行動力も重要です。
顧客視点を持つ担当者がチームに加わると、ブランド価値が長期的に積み上がります。

EC運営を成功させる秘訣

日常業務を回しながら売上を伸ばすには、属人的な作業を減らし、改善サイクルを短縮する仕組みづくりが不可欠です。
担当者の経験値に頼らず、誰でも同じ品質を再現できる環境を整えることで、急な人員変動や市場変化にも強い運営体制になります。

下記の3つが組み合わさると、ミスやムダが減り、高速でテストを回せる組織文化が定着しやすいです。

  • 標準化と業務フロー改善
  • PDCAサイクルの徹底
  • 外部ツールと自動化活用

それぞれの実践ポイントを順番に解説していきます。

標準化と業務フロー改善

受注処理や問い合わせ対応など頻度の高いタスクを業務フロー図に落とし込み、SOP(標準作業手順書)とチェックリストを作成して担当者間で共有します。
処理時間とエラー率をKPI化し週次レビューを行い、基準を外れた工程を定量的に特定したうえでGEMBA Walkで現場を観察し改善策を洗い出します。

改善案は「ツール導入」「オペレーション変更」「教育」の3カテゴリに分類し、効果とコストをマトリクスで比較して優先順位を設定すると投資対効果を最大化できます。
改善後は再度KPIを測定し結果をドキュメント化して横展開し、タイムスタディで待機時間や移動距離を削減することで処理能力と人件費の両方を改善できます。

PDCAサイクルの徹底

PDCAを組織文化として根付かせるため、日次レベルの小さな実験を同時に走らせ、15分のスタンドアップで結果を共有する仕組みを導入します。

Planでは目標KPIと仮説、リソースをテンプレートに記入し、Doでは担当者と期限をプロジェクト管理ツールに登録して可視化します。
Checkでは自動取得したダッシュボードで実績を確認し、差分要因を深掘りしてActで学びをSOPに統合し再発防止策を設定します。

サイクルごとに所要日数と改善幅を記録し、回転速度と打率を定量評価すると組織全体で高速学習が進み、競合に対する応答力が飛躍的に高まります。

外部ツールと自動化活用

ツール導入前に現行フローのムダを洗い出し「削減できる工数×人件費」と「導入費用+ランニングコスト」を比較してROIを算出します。

受注同期や在庫連携にはiPaaSやOMSを導入しAPIでリアルタイム更新を実現するとヒューマンエラーとタイムラグを大幅に削減できます。
マーケティングではMAツールでセグメント配信を自動化し、シナリオ別CVRを比較して広告投資を最適化します。
さらにRPAで経理仕訳や返品伝票入力を自動化し、月800分の作業削減に成功した事例もあります。

導入後はSLAと改善KPIを設定し、効果を定期レポートで共有することでDX推進が加速し、権限管理と監査ログを整備すればセキュリティリスクも抑えられます。

自社ECとモール運営の違い

販売チャネルを選ぶ際は、集客手段、顧客データの取得範囲、ブランディング自由度など複数の視点で比較する必要があります。

メリットが重なる部分もありますが、チャネルごとに費用構造や最適なマーケティング戦略は大きく変わります。

楽天・Amazonの強み比較

楽天はメルマガやポイント施策による回遊導線が豊富で、ブランド認知の低い商品の初速を高めやすい特徴があります。

一方Amazonは検索アルゴリズムの購買意図が強く、物流サービスFulfillmentbyAmazonにより配送品質が担保されます。
モール手数料と広告費を加味し、粗利益率が確保できる商品ラインで展開すると効果が最大化します。

自社サイトのブランディング

自社ECは顧客データをフルで取得でき、世界観を自由に表現できるためLTV向上につながります。
SEOやSNSと組み合わせて中長期で指名検索を伸ばせる点が優位性です。

ただし初期集客には広告投資が必要で、決済・物流システムの構築コストも発生します。
モールとのハイブリッド運用で役割分担を明確にするとリスク分散が可能です。

EC運営を外部委託するときのポイント

自社のリソース不足や専門スキルの穴を補う手段として、運営代行や広告運用を外部パートナーに委託する方法があります。

ただし委託範囲や費用対効果を見誤るとコストが増大する恐れがあるため、目標とKPIを明確にしたうえで契約条件を精査することが重要です。

委託範囲と費用イメージ

フルフィルメント代行は出荷1件につき数百円〜、カスタマーサポートは月間件数で従量課金が一般的です。

運営全般を丸ごと依頼する場合、売上の5〜15%が相場となり、広告運用は媒体費の20%前後が手数料目安です。
自社工数と比較し、投資回収期間を試算してから契約すると損失リスクを抑えられます。

パートナー選定チェック

候補企業の実績、担当メンバーの専門性、レポーティング頻度を比較し、自社課題と一致するかを確認します。

SLAで対応速度と品質基準を明文化し、成果指標を共有ダッシュボードで可視化すると運用後の認識差を防げます。
短期トライアルを挟み、改善提案の質とコミュニケーション速度を評価することも有効です。

まとめ

EC運営は「集客・接客・決済・配送・フォロー」を循環させる総合格闘技です。
担当者はデータ分析、マーケティング、CS、物流、ITツールの6領域を俯瞰し、ボトルネックを特定して改善サイクルを高速で回す必要があります。

楽天やAmazonなどモール型は集客即効性に優れ、自社ECは顧客データとブランド構築に強みがあります。
運営規模や商品特性に合わせてチャネルと体制を選び、標準化・自動化を進めることで人的リソースを戦略領域へ集中できます。

外部パートナーの活用時は委託範囲と費用対効果を見極め、共通KPIで進捗を管理すると中長期で持続的な成長が期待できます。

ECサイトで売上をアップを成功させるためには、商品ターゲットや各ECモールのイベントキャンペーンに合わせた戦略や商品ページの作成が有効です。

サイバーレコードでは、商品ターゲットに合わせた戦略をたて、効果的な広告運用を行い、売上アップをサポートします。

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