プライムデーで「見込み客は来るのに売上が伸びない」「割引しすぎて赤字になってしまった」「一番売りたい時に在庫切れでチャンスを逃した」…そんな経験はありませんか? プライムデーは短期間で大量の注文が入るビッグイベントですが、割引のさじ加減や在庫の配分を間違えると、利益が一瞬で吹き飛んでしまう怖さもあります。
この記事では、初心者でも取り組みやすい「損しない割引の決め方」や「チャンスを逃さない在庫調整」、そして販売ページや出荷の工夫で利益をしっかり守るコツまで、やさしく段階を追って解説します。準備を整えて、今年のプライムデーは「売上も利益も」しっかり確保しましょう。
ショップの「弱点」はどこ?

対策を打つ前に、まずは今どんな課題があるかを整理しましょう。冷静に判断するための第一歩です。
開始直後に「売り切れ」てしまう
人気商品が一気に無くなるのは嬉しい悲鳴ですが、「早すぎる売り切れ」は機会損失です。「在庫の減るスピード」と「商品ページの表示」を同時にチェックしましょう。
- 在庫スピード:1時間ごとの出荷数を確認し、「このままだと何時に売り切れるか」を予測します。残りが1日分を切ったら要注意アラートです。
- ページ表示:注文が殺到すると、Amazon側の処理で「在庫あり」なのに「お届け予定日」が遅く表示されることがあります。これが購入意欲を下げていないか確認しましょう。
対処のヒント:FBA在庫が切れそうなら、すぐに「自社発送」に切り替えて販売を継続できるように準備しておきましょう。開始直後の爆発的な注文は一時的なことが多いので、慌てて価格を上げたりせず、最初の数時間は様子を見るのが安全です。
売上はあるが「利益」が残らない
「たくさん売れたけど、手元にお金が残らなかった」では意味がありません。まずは商品ごとに「1個売れたらいくら儲かるか」を再計算してください。仕入れ値だけでなく、手数料、配送費、広告費、返品リスクまで引いた「真の利益」です。
対処のヒント:いきなり大幅値下げをするのではなく、段階的な割引を試しましょう。また、割引で集客しても購入率が悪いなら、価格ではなく商品ページ(写真や説明)に問題があるかもしれません。
広告費が高騰して赤字になる
プライムデー期間中は広告の競争が激しくなり、クリック単価(CPC)が跳ね上がります。また、在庫切れや配送遅延でカートボックス(Buy Box)を他店に奪われると、売上は激減します。
対処のヒント:広告のターゲットを広げすぎず、「確実に買ってくれる層」に絞り込みます。広告費がかさむ商品は一時停止し、売れ筋商品に予算を集中させる判断も必要です。
なぜ失敗するのか? 原因を深掘り
うまくいかない原因の多くは、「予測の甘さ」と「準備不足」にあります。
原因1:予測が甘い
「普段の2倍くらいかな?」となんとなく予測していませんか? プライムデーでは普段の数倍〜数十倍の注文が入ることもあります。過去のセール実績や、類似商品の動向を見て、「最大これくらい売れるかも」という幅を持たせて予測しましょう。
原因2:利益の「底ライン」を決めていない
「どこまで安くしていいか」を決めていないと、周りの値下げ競争に巻き込まれて赤字になります。商品ごとに「これ以上下げたら赤字」というラインを明確にしておきましょう。
原因3:FBA納品の遅れを計算していない
セール直前はFBA倉庫がパンク状態になり、受領までに時間がかかります。「送ったのに販売開始できない」という事態を防ぐため、早めの納品と自社発送の準備が必須です。
セール2週間前までにやるべきこと

勝負は当日の前に決まっています。「予測→優先順位→代替案」の3点セットを準備しましょう。
最大需要を予測し、在庫を積む
過去のデータがない場合は、業界平均(普段の1.5〜3倍)を参考にします。「最低でもこれくらい、最大でこれくらい」という幅で見積もり、さらに「安全在庫」として少し多めに用意します。
商品に「役割」を与える
全商品を同じように扱う必要はありません。以下のようにランク付けして、それぞれの戦略を決めましょう。
| ランク | 特徴 | 戦略 |
|---|---|---|
| A:主力商品 | 利益も出てよく売れる | 在庫切れ絶対NG。割引は最小限に抑える。 |
| B:集客商品 | 知名度が高い | 積極的に割引して、お客様を呼び込む。 |
| C:利益商品 | 高利益だが回転は遅い | ついで買いを狙う。割引は控えめに。 |
| D:調整役 | 利益率が低い | 無理に売らない。在庫処分なら割引もアリ。 |
「もしも」の時の備えをしておく
「FBA在庫が切れたら自社発送に切り替える」「広告費が予算オーバーしたらこの商品を止める」といったルールを事前に決めておくことで、当日のパニックを防げます。
セール当日の動き方

準備ができたら、当日は「監視」と「微調整」に集中します。価格・在庫・広告をリアルタイムで調整して、利益を最大化しましょう。
割引は「小出し」にする
いきなり最安値にする必要はありません。最初は控えめな割引でスタートし、売れ行きを見ながら少しずつ調整します。事前に決めた「利益の底ライン」は絶対に割らないように注意しましょう。
FBAと自社発送を使い分ける
FBA在庫が切れそうになったら、すぐに自社発送に切り替えて販売機会を逃さないようにします。カートボックス(Buy Box)を取り続けることが最優先です。
広告は「主力商品」に集中させる
数字を見ながら、効果の悪い広告はすぐに止め、売れている商品(ランクA)に予算を集中させます。ダラダラと広告を出し続けないことが、利益を守るコツです。
まとめ
プライムデー成功のカギは、以下の3つです。
- 予測する:過去データや業界平均から「最大どれくらい売れるか」を予測し、十分な在庫を用意する。
- 守る:商品ごとに「これ以上安くしないライン」を決め、利益を確保する。
- 備える:FBAと自社発送の併用や、広告のオン/オフ基準を決め、当日のトラブルに備える。
迷ったときは「手元にいくら残るか」を基準に判断してください。売上規模よりも、利益を残すことがビジネスの継続には重要です。
準備をしっかり行えば、過度な値引きをしなくても、プライムデーの波に乗って売上と利益の両方を伸ばすことができます。少しずつ、準備を始めていきましょう!
<ご注意>本記事の内容は、執筆時点の情報に基づいています。FBA手数料や広告の仕様などは随時変更されるため、必ずAmazonセラーセントラルの公式情報で最新のルールを確認してください。
