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楽天広告の効果測定のやり方!RMSのレポートで成果を「見える化」する手順

楽天RPP広告を運用している中で、「広告費を使っているのに売上が伸び悩んでいる」「管理画面の数字が多すぎて、どこを見て判断すればいいのか分からない」という不安を感じていませんか。

多くの店舗様が、管理画面の「サマリー(概要)」だけを見て、「なんとなく売れているからOK」「今日は調子が悪いから停止」といった感覚的な運用に陥りがちです。しかし、それでは利益を最大化することはできません。

RMSから誰でもダウンロードできる「パフォーマンスレポート」を正しく読み解くことで、「どの商品が利益を生んでいるか」「どのキーワードが無駄金を使っているか」が手に取るように分かるようになります。
広告運用の解像度を高め、「投資した分だけ確実に利益が返ってくる」筋肉質な運用体制を一緒に構築していきましょう。

準備:測定の前に「成功の基準」を決める

効果測定を始める前に最も重要なのは、「何をもって成功とするか」というゴール設定です。ここが曖昧なままデータを見始めると、数字の波に溺れてしまいます。楽天広告において、その羅針盤となるのが「ROAS(ロアス)」です。

最重要指標「ROAS」と損益分岐点の計算

ROAS(Return On Advertising Spend)とは、「広告費に対してどれだけの売上が上がったか」を表す指標です。「売上金額 ÷ 広告費 × 100(%)」で算出されます。

例えば、広告費1万円を使って5万円の売上があれば、ROASは500%です。しかし、ROAS 500%が良い数字かどうかは、扱う商品の「利益率」によって異なります。利益率が高い商品ならROAS 300%でも黒字ですが、利益率が低い型番商品などではROAS 1000%でも赤字になることがあります。

必ず事前に以下の計算を行い、自社の「損益分岐点ROAS」を把握してください。

計算式: 1 ÷ 粗利率 × 100 = 損益分岐点ROAS
(例:粗利率が20%の商品の場合、1 ÷ 0.2 × 100 = 500%)

この場合、ROASが500%を下回ると「広告を出せば出すほど赤字」という状態になります。まずはこのラインを明確にし、「ROAS 500%以上を維持しながら、売上最大化を目指す」といった具体的な目標を立てましょう。

実践:パフォーマンスレポートの完全活用ガイド

目標が決まったら、実際のデータを見ていきます。RMSの管理画面上で見える数字は簡易的なものですので、必ず詳細なデータが載っているCSV形式の「パフォーマンスレポート」を活用します。

1. レポートのダウンロードと設定期間

RMSの「プロモーション」メニューから「RPP」へ進み、「レポート」タブをクリックします。ここで「期間」と「レポートの種類」を選択します。

期間設定のコツは、「直近30日間」で見ることです。1日や1週間のデータでは、たまたま高額商品が売れただけなのか、実力なのかの判断がつきにくいからです。また、曜日による売上の偏り(週末に売れる、5のつく日に売れる等)をならして評価するためにも、月単位での分析を推奨します。

ダウンロードすべきレポートは、主に以下の2種類です。

  • 商品別レポート:どの商品が稼ぎ頭で、どの商品がお荷物かが分かります。
  • キーワード別レポート:ユーザーが実際に検索した言葉と、その成果が分かります。

2. 「商品別レポート」で在庫と予算の最適化

まず「商品別レポート」を開き、商品ごとのROASを確認します。ここで商品を3つのグループに分類して対策を打ちます。

一つ目は「ROASが高く、売上も多いエース商品」です。これらは広告との相性が抜群です。さらに売上を伸ばす余地があるため、入札単価(CPC)を少し上げて露出を増やしたり、予算切れで配信が止まっていないかを確認しましょう。

二つ目は「クリックは多いが、売上が伴わない(ROASが低い)商品」です。これが広告費を圧迫する最大の原因です。対策としては、入札単価を下げるか、キャンペーン設定の「除外商品」に登録して配信を停止します。また、ページ自体に問題がある(価格が高い、レビューが悪い)場合も多いため、ページ改善の優先度を上げる合図とも言えます。

三つ目は「表示回数(インプレッション)が極端に少ない商品」です。これは入札単価が低すぎて競合に負けているか、そもそも検索需要がない商品です。主力商品であれば単価を上げて様子を見ますが、ニッチな商品の場合は無理に広告を出さず、自然検索に任せるという判断も必要です。

3. 「キーワード別レポート」で需要の深掘り

次に「キーワード別レポート」を見ます。RPP広告は自動運用ですが、このレポートを見ることでブラックボックスの中身を覗くことができます。

ここでは「意図しないキーワードでの無駄クリック」を探すことが主目的です。例えば、「高級 本革財布」という商品を扱っているのに、「安い 財布」「ナイロン 財布」といったキーワードでクリックが発生していないでしょうか。これらは購入につながる可能性が極めて低いため、見つけ次第「除外キーワード」に登録します。これを繰り返すだけで、CPA(獲得単価)は劇的に改善します。

逆に、「父の日 60代 ギフト」のような具体的でROASが高いキーワードが見つかることもあります。これは「お宝キーワード」ですので、キャンペーンの「キーワード設定(手動入札)」に追加し、目安CPCよりも少し高めの単価を設定して、検索順位の上位を確実に獲りにいきましょう。

分析の精度を高めるための重要知識

データを見る際に、知っておかないと判断を誤る「楽天特有の仕様」があります。

「720時間ルール」とデータのタイムラグ

RPP広告の成果計測には「720時間(30日間)のアトリビューション期間」があります。これは、ユーザーが広告をクリックしてから30日以内に購入すれば、その広告の成果としてカウントされるという仕組みです。

つまり、「昨日広告をクリックした人が、来週のスーパーSALEで購入する」というケースが頻繁に起こります。そのため、昨日のレポートだけを見て「売れていないから停止しよう」と即断するのは危険です。特に高額商品や家具などは検討期間が長いため、最低でも1週間、できれば1ヶ月単位でデータを見て判断する必要があります。また、過去のレポート数値が後から増える(購入確定に伴い更新される)ことも覚えておきましょう。

SEO(自然検索)との相関関係を見る

広告の効果は、広告経由の売上だけではありません。楽天の検索アルゴリズムは「販売実績」を重視するため、広告で売上件数を稼ぐことで、結果として自然検索(SEO)の表示順位も上がるという好循環が生まれます。

RMSの「R-Karte」→「アクセス分析」→「参照元計測」を確認し、広告経由のアクセスだけでなく、「楽天サーチ」全体からのアクセス数が増えているかを確認してください。もし広告ROASがトントンでも、自然検索からの流入が大幅に増えているなら、その広告運用は大成功と言えます。全体最適の視点を持つことが、店舗運営のレベルを引き上げます。

週次ルーティン:3つのアクションプラン

分析の方法が分かったら、それを日常業務に落とし込みます。毎日データを見る必要はありませんが、少なくとも週に1回(例えば毎週火曜日など)は以下の3ステップを実行する習慣をつけましょう。

ステップ1:除外登録

レポートで「コスト消化額」が多い順に並べ替え、ROASが極端に低い(または売上ゼロの)商品とキーワードを特定します。これらを迷わず「除外」設定します。これを毎週行うだけで、無駄な広告費が削ぎ落とされ、筋肉質なアカウントに育っていきます。

ステップ2:単価アップ

次に「売上金額」が多い順に並べ替え、ROASが目標値をクリアしている絶好調な商品やキーワードを探します。これらの入札単価を10円〜20円ほど上げてみましょう。露出が増え、さらなる売上アップが見込めます。「売れるものに予算を寄せる」のが鉄則です。

ステップ3:転換率対策

「クリックはされるのに買われない商品」が見つかったら、広告の設定を変える前に商品ページを見直します。商品画像は魅力的か、価格は競合より高くないか、レビューに悪い評価が入っていないか。広告はあくまで「連れてくる」までが仕事です。買うかどうかを決めるのは商品ページの力ですので、ここを改善しない限り広告効率は上がりません。

まとめ

楽天広告の効果測定は、難しいことではありません。やるべきことはシンプルです。

まず「損益分岐点ROAS」を把握し、RMSから「パフォーマンスレポート」を週1回ダウンロードする。そして、数字に基づいて「悪いものは除外(守り)」「良いものは強化(攻め)」というメンテナンスを繰り返す。

最初は面倒に感じるかもしれませんが、1ヶ月も続ければ「無駄な出費」が減り、手元に残る利益が増えていることを実感できるはずです。今日から早速、レポートをダウンロードして現状を確認してみましょう。

<ご注意>本記事の内容は執筆時点の情報に基づいています。楽天市場の仕様・ガイドライン・ルールは予告なく変更される場合があります。最新情報は必ず公式サイトやRMSをご確認ください。

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