楽天SPUや買い回りをうまく使ってCVR(購入率)と客単価を上げたいと考えている店舗担当者さんへ。ポイント倍率や買い回り施策は強力な追い風になりますが、設定や商品ページの見せ方が整っていないと効果が薄れてしまいます。
この記事では、初心者でも取り組みやすいSPU・買い回りの基本ルールから、買い回りで客単価を伸ばす商品構成やCVRを改善する訴求のコツまで、やさしく具体的にお伝えします。次のキャンペーンで成果を出せるヒントを一緒に見つけていきましょう。
SPUと買い回りの基本

施策を打つ前に、まずは「何が違うのか」を整理しておきましょう。ここを理解していると、対策の優先順位がつけやすくなります。
| 項目 | SPU(スーパーポイントアップ) | 買い回り(マラソン・SALE) |
|---|---|---|
| 仕組み | 楽天サービス(カード・モバイル等)の利用状況で倍率UP | 期間中に購入したショップ数に応じて倍率UP |
| 期間 | 常時開催(月末時点の倍率適用) | イベント期間中のみ |
| 店舗の役割 | 便乗する (原資は基本的に楽天負担) | カウントさせる (1,000円の壁を越えさせる) |
SPUは店舗がコストを負担せずにお客様の購買意欲を高めてくれる強力なシステムです。店舗側の役割は、この追い風を邪魔しないよう「誤解のない表記」と「買い回り条件(1,000円)」を整えることに尽きます。
準備と現状把握
まずは現状の数字を整理してムダをなくすことが成果への近道です。最初にRMSで触る場所を決め、前後比較の材料をそろえましょう。
着手前に、以下の5点を一本化して見ると判断のブレを防げます。
- CVR:直近7〜14日でトレンドを確認
- 客単価:買い回り要件(税込1,000円)を満たすか確認
- 獲得単価:広告費+ポイント・クーポン原資で計算
- 粗利率:施策による下限値を決めておく
- 在庫:看板商品の欠品防止
RMSで確認すべき初期セット
ページ公開前に、表示・申請・商品表記の三つをそろえておくと混乱が減ります。商品名・1枚目画像・冒頭説明に「最大◯倍(条件あり)」や「クーポン配布中」を簡潔に入れ、本文で上限と注意点を明記しましょう。
特に重要なのはクーポンの設定です。対象商品・最低金額・併用可否を統一し、値引き後に1,000円を割らない設計にすることが鉄則です。店舗ポイントは過度な上乗せで粗利を削らないようバランスを取り、申請から反映までのタイムラグを考慮して告知を行いましょう。
買い回りの「1,000円の壁」と併用ルール

お買い物マラソンなどの「買い回り」は、複数ショップでの購入件数に比例して倍率が加算されますが、判定には厳格なルールがあります。ここを知らないと、せっかくの注文がカウントされず、お客様をがっかりさせてしまいます。
| 項目 | 買い回りカウント判定 |
|---|---|
| 基本ルール | 1ショップあたり税込1,000円以上の購入 |
| クーポン利用 | 値引き後の金額が1,000円以上で対象 |
| ポイント利用 | ポイント利用前の金額が1,000円以上で対象 |
| 送料・手数料 | 基本的に含まない(商品代金のみで判定) |
特に注意が必要なのがクーポンです。クーポン適用後に1,000円未満になると買い回りカウント外になってしまいます。これを防ぐため、クーポンの利用条件(最低購入金額)を調整するか、あと少しで届くセット商品を提案しましょう。
優先順位の決め方
限られたリソースでは優先度を絞るのが現実的です。まずは「1枚目画像」と「商品名先頭」に、買い回り対象であることや特典を簡潔に追加します。
次に、スマホ上部3スクロール以内に「価格・在庫・配送目安・ポイント/クーポン条件」を配置し、レビューやQ&Aで不安を解消してCVRを底上げしましょう。関連商品やセットへの導線を整え、自然なまとめ買いを後押しすることも有効です。
人員が少ない時の施策選定
判断軸は、即効性・再現性・リスク低の3点です。
- クーポンは1種類、店舗ポイントも1設定に絞る
- 告知は既存画像にテキストを重ねるだけで済ませる
- 毎回同じ型(価格帯・最低金額)で運用し、割引率のみ微調整する
上限ポイントと配布数は必ず設定し、表記は「最大・条件あり・上限あり」に統一して問い合わせを抑制しましょう。
実行の手順と設定

RMSでの申請と商品ページの見せ方は並行で進めると、公開タイミングを揃えやすくなります。SPUは購入者依存である点を前提に、店舗は誤解のない表記と対象外条件に触れない販売条件の整備に集中します。クーポン/店舗ポイントは設定→申請→反映の順で進みますが、反映確認後の告知が安全です。
商品ページの最適化ポイント
1枚目画像では、価格近くに「クーポン利用でお得」「最大ポイント(条件あり・上限あり)」を入れて第一印象を作ります。
冒頭テキストや説明文には、以下の要素を端的に盛り込みます。
- 買い回り条件:クーポン適用後1,000円以上なら対象など
- 特典の使い方:クーポンの取得方法や店舗ポイントの有無
- 不安の解消:配送目安・保証・サイズや適合情報
- 注意書き:SPU倍率は人により異なる点、ポイント上限がある点
スマホでは上部に重要情報を寄せ、過度なバナーを控えることで離脱を減らせます。
確認と検証、トラブル対応

公開直後は、CVRと客単価の初動を最優先で確認します。施策前後の購入率は改善しているか、1,000円以上の達成率は上がったか、クーポン/ポイントの利用率は想定通りかをチェックします。
SPUが付かない等の問い合わせには、購入者の利用状況によること、上限があること、店舗側では操作できないことを丁寧に伝え、公式案内へ誘導します。表記に関する指摘には、断定表現を避け「最大・条件あり」へ即時修正対応しましょう。
まとめ
SPUと買い回りは、以下の4点をそろえるだけで、着実に伸びしろが生まれます。
- 1,000円以上の設計(クーポン値引き後も割らない)
- 誤解のない表記(最大・条件あり・上限あり)
- スマホで伝わる配置(重要情報は上部へ)
- 在庫と原資の見張り(欠品防止と粗利管理)
まずは低コストで効く基本を固め、数字で前後比較を重ねながら磨いてください。条件や倍率は変わることがあるため、公式の最新案内を都度確認し、自店の型を更新していけば、次のキャンペーンでも安定して成果を重ねられます。今日整えた基盤が、明日のCVRと客単価を押し上げます。
<注意>本記事の内容は、執筆時点の情報に基づいています。楽天市場のSPU・買い回り条件・キャンペーン内容等は予告なく変更される場合があります。最新の情報は、必ず楽天市場の公式サイトやRMSの告知等をご確認ください。
