スマホからのアクセスはあるのに、途中で離脱されてしまって困っていませんか?この記事では、楽天市場のスマホ流入に特化して、短期で効果が出やすい改善施策と、その効果を正しく測るための計測ポイントをまとめました。
専門用語はできるだけかみ砕き、すぐに試せる具体的な改善アイデアと、どこをどう計測すれば変化が分かるかを分かりやすくご紹介します。少しの手直しで購入につながるページ作りを一緒に目指していきましょう。
「どこで離脱されているか」を知る

闇雲にページを修正するのではなく、まずはRMSのデータ分析(アクセス分析)を見て、現状を把握することから始めます。数字の確認と実機チェックをセットで行うと、状況の見通しが一気に開けます。
見るべき数字は「転換率」と「離脱率」
最初に確認するのは「スマホ経由の転換率(CVR)」です。ジャンルにもよりますが、一般的には1〜3%程度が目安と言われています。ここが著しく低い場合、お客様は「商品は気になったけれど、買う決め手に欠けた」状態です。
あわせて「直帰率」と「ページ別離脱率」もチェックしましょう。商品ページに来てすぐに帰ってしまっている(直帰率が高い)なら第一印象に問題があり、スクロールはされたけれど最後で購入されていないなら、送料や納期などの条件面でお客様が迷ってしまった可能性があります。
自分のスマホで「お客様の体験」をなぞる
数字を見たら、必ずご自身のスマートフォン(楽天アプリとブラウザの両方)で自社ページを見てください。「画像がなかなか表示されない」「文字が小さくて読みづらい」「在庫があるのかパッと分からない」といったストレスを感じたら、そこがまさに改善すべきポイントです。特に低速モードや電波の悪い環境で試してみると、ページの「重さ」による離脱リスクを実感できます。
離脱原因の2大要素:「遅い」と「分かりにくい」

スマホでの離脱原因は、大きく分けて「表示が遅い」ことと「情報が分かりにくい」ことの2つに集約されます。
画像や構成による「表示速度」の問題
高画質な一眼レフで撮った写真を、リサイズせずにそのままアップロードしていませんか? PCでは綺麗に見えても、スマホでは表示に時間がかかり、お客様を待たせてしまいます。縦に長すぎるランディングページ(LP)を1枚の巨大な画像として貼り付けている場合も、読み込み完了まで何も表示されない時間が長くなり、離脱の大きな原因となります。
情報の配置による「分かりにくさ」の問題
お客様が知りたいのは「自分に合う商品か」「いつ届くか」「送料はいくらか」という結論です。しかし、スペック情報や開発秘話が延々と続き、肝心の納期や送料がどこに書いてあるか分からないページがよく見受けられます。スクロールの手間をかけさせず、ファーストビュー(最初の画面)で要点が伝わっているかが重要な判断軸です。
「手間が少なく効果が大きい」ところから

すべてのページを完璧に直そうとすると膨大な時間がかかります。まずは「高インパクト×低工数」な施策から優先的に手をつけましょう。
具体的には、最も多くのお客様が見る「商品詳細の冒頭(スマホ用商品説明文の上部)」の整理が最優先です。次に、表示速度に直結する「画像の軽量化」、そして購入直前の迷いを減らす「選択肢の整理」という順番で進めるのが、最も効率よく成果を出せるルートです。
具体的な改善アクション
ここでは、楽天のシステム仕様(テンプレート)に合わせて、今日からできる具体的な修正方法をご紹介します。
1. スマホ用商品説明文の「冒頭」を整える
スマホの商品ページで一番重要なのは、画面を開いて最初に目に入るエリアです。ここに、お客様が安心できる情報を集約させましょう。
具体的には、「14時までの注文で即日発送」「送料無料」「クーポン配布中」といった、購入の後押しになる強い情報を、テキストや軽量なバナーで冒頭に配置します。長い画像LPが始まる前に、これらが見えているだけで安心感が違います。「この商品は自分にメリットがある」と最初の数秒で確信してもらうことが狙いです。
2. 画像を「スマホ最適サイズ」にする
画像の容量を減らすことは、表示速度改善の特効薬です。スマホの画面幅を考慮すると、画像の横幅は600px〜800px程度で十分きれいに表示されます。1200px以上の大きな画像をそのまま使っている場合は、リサイズして登録し直しましょう。
また、保存形式はJPEG形式を選び、画質を少し落として圧縮することで容量を劇的に軽くできます。1枚あたりの容量を200KB〜300KB以下に抑えるのが理想です。
3. 項目選択肢(SKU)をシンプルにする
サイズや色を選ぶ「項目選択肢」が多すぎたり複雑だったりすると、せっかく購入を決意したお客様が最後の最後で面倒になり、離脱してしまいます。「ラッピングの有無」や「メルマガの購読」など、購入に必須ではない選択肢は思い切って減らしましょう。
現在の楽天スマホページでは、「購入手続きへ」ボタンは画面下部に固定表示されています。このボタンを押すまでのハードル(=選択肢を選ぶ手間)を極限まで減らすことが、カゴ落ちを防ぐカギとなります。
効果の測り方と運用のコツ

改善施策を行ったら、必ず結果を検証します。売上の金額だけを見るのではなく、「スマホCVR(転換率)」と「直帰率」の変化を追ってください。
ポイントは、スーパーSALEなどの大型イベント期間を除外した「平時」のデータで、改善前後の2週間〜1ヶ月を比較することです。もしCVRが0.1%でも上がっていれば、それは確実な成果です。逆に数字が悪化したり、表示崩れが見つかったりした場合は、すぐに元の状態に戻せるよう、変更前のデータはバックアップをとっておきましょう。
まとめ
スマホページ改善の近道は、お客様のストレスを取り除くことです。「表示を速くする(画像の軽量化)」「結論を最初に見せる(冒頭の整理)」「迷わせない(選択肢の削減)」。この3つを意識するだけで、ページは見違えるほど買いやすくなります。
まずは主力商品の1ページからで構いません。今日できる小さな改善を積み重ねて、売れるページへと育てていきましょう。
<ご注意>本記事の内容は執筆時点の情報に基づいています。楽天市場の仕様・ガイドライン・ルールは変更される場合があります。最新情報は必ず公式サイトやRMS、RMSサポートの案内をご確認ください。
