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注文金額が伸びない悩みを解決!楽天顧客単価を上げる施策と低コストで試せるアイデア

楽天で「売上はあるのに、1回あたりの注文金額が伸びない」と感じていませんか?AOV(平均注文額)は、大掛かりな投資をしなくても、ちょっとした見せ方や文言の工夫でぐっと改善できます。

この記事では、低工数・低コストですぐ試せるアイデアを、初心者の方にもわかりやすく紹介します。ページの見せ方やセット提案、訴求のちょっとした変化など、今日から試せる具体策を順にお伝えしますので、一緒にAOVを上げて次のセールに備えましょう。

準備 現状把握と実装前チェック

まずは現在地を押さえます。AOV(売上÷注文数)、1注文あたり購入点数(販売個数÷注文数)、転換率(注文数÷訪問数)、クーポン利用率(クーポン適用注文÷全注文)、そして「よく一緒に買われる組み合わせ」を記録しましょう。RMSデータ分析(旧:ショップ分析)や注文・商品別レポートで取得し、通常期の数値を「基準値」として残しておくと、効果の判定がぶれません。反映のタイムラグや集計期間は画面で再確認し、更新頻度も控えておくと運用が安定します。

次に目標と粗利の範囲を決めます。例としてAOVを8,000円→8,800円へ1割上げる場合、粗利率30%なら1件あたり粗利は2,400円です。ここから「まとめ買いで300円引き」を付けても、点数が増えれば粗利総額は回収できます。原価、出店手数料、決済手数料、送料・梱包費、ポイント付与、広告費、クーポン原資までを入れて、許容できる割引上限を先に定義しましょう。割引は粗利の範囲で設計するが鉄則です。

実装前の確認も重要です。RMSの操作権限(クーポン作成、商品編集、ページ更新)が担当者にあるか、最低限の素材(バナーや一言テキスト)が用意できるか、複数買いで欠品しない在庫と出荷体制かをチェック。在庫引当やSKU操作は誤ると返品やキャンセルの増加につながるため、テストユーザーで必ず通し確認を行いましょう。

実行 優先度AからCまでの実施手順

複数買いクーポンの設計とRMSでの設定手順

最短でAOVを押し上げるのは複数買いクーポンです。タイプは「◯円以上で◯円OFF(金額条件型)」と「2点以上で◯%/◯円OFF(個数条件型)」の2本柱。送料無料ラインや人気セットの価格帯に合わせると伸びやすく、消耗品や相性商品では個数条件が効きます。閾値は平均注文額の1.1〜1.3倍が目安。「あと少しで届く」見せ方にして無駄引きを避けます。対象商品は一緒買いされやすいグループに絞り、利用上限・併用可否・予算上限を明確化。文言は短く、誤認のない表現に整えましょう。RMSのRaCoupon(ラ・クーポン)機能で条件や期間、対象商品、併用可否を設定します。公開前にカートで金額が合うか必ず実機確認し、規約と景表法に抵触しない表記かをチェックしてください。「閾値」「対象」「併用」の3点を先に固めると運用がぶれません。

商品ページとカート周りでのクロスセル導線の作り方

購入点数の伸びしろは導線にあります。PC商品ページの上部や、スマホの「商品説明文」内の目立つ位置に、相性のよい3〜5商品を画像+短い一言で配置し、「買い忘れ防止」「一緒買いで◯円OFF」などの用途訴求を添えましょう。価格だけでなく「これで充電も安心」「替え芯付きで長く使える」のように場面で紐解くと効果的です。カート画面には「あと◯円でクーポン適用」の案内を追記し、背中を押します。外部レコメンドやスクリプト導入は、楽天のポリシーと出店者規約に沿って運用してください。違反はペナルティのリスクがあるため、事前の規約確認を徹底しましょう。

セット販売とまとめ買い機能の作り方

セット販売は「最初から組み合わせた提案」で迷いを減らし、単価を自然に上げます。本体+予備、色違い2枚組、家族用などの使用シーンから組み合わせを決め、単品合計より少しお得なセット商品ページを作成します。RMSの組み合わせ販売設定(まとめ買い機能)を使えば、指定商品の同時購入で割引を自動適用することも可能です。※現在の楽天ペイ仕様では注文確定後の同梱処理(注文結合)は原則できないため、必ず「注文前」にセット化または割引が適用される仕組みを使いましょう。在庫連携の挙動(セット購入で個別SKUが自動減るか)を実地で確認し、現場の負担を把握してから拡大するのが安全です。

効果確認 短期チェックと簡易A Bテスト

すぐ見るべき主要指標と簡易計算方法

公開直後は、平均注文額(売上÷注文数)、1注文あたり購入点数(販売個数÷注文数)、クーポン利用率(適用注文÷全注文)、クーポン起因の粗利(割引後売上−原価−手数料)、関連枠のクリック→購入割合を確認します。レポート反映にはラグがあるため、焦らず最低30件以上の注文を待ってから判断しましょう。「上がったか」「守れたか」を短期で判定する癖をつけると、次の一手が速くなります。

A Bテストの設計方法と比較上の注意点

RMSで正式なA/B機能が乏しい場合は、似た商品群で運用的に比較します。比較軸は1点(割引額か文言のどちらか)に絞り、外部要因が強い時期は避けます。通常CVRが約2%なら各パターン500PV以上を目安にし、極端な少数で結論を出さないこと。同条件での比較を徹底し、成果が出たら小さく拡大して検証を重ねます。

判定基準と改善または拡大の判断フロー

判定はシンプルに。「平均注文額が上がり、1件あたりの粗利が許容内で、返品・キャンセルが増えていない」なら合格。AOVは伸びたが粗利が薄い場合は、閾値を上げる、割引を弱める、対象を見直す。AOVが伸びず粗利も悪化なら停止し、導線・対象・表記のどこに壁があるかを洗い直します。勝ち筋は段階的に対象拡大、負け筋は早めに撤退が失敗を最小化します。

PDCA 小さく回して拡大する運用手順

Plan 実施対象と割引率 表示場所の最小単位設計

はじめは小さく。売れ筋数商品や1カテゴリーから着手し、閾値は平均注文額の少し上、割引は粗利の範囲に。表示は商品ページ上部、カート近く、ショップトップに絞り、スマホ最優先でレイアウトします。週次・月次のチェック指標(AOV、クーポン利用率、粗利変化率)と停止・継続の線引きを事前に決め、判断を標準化しましょう。

Do 実装時の運用チェックリスト

実装時は、クーポンが条件どおり適用されるか、併用不可の整合性、導線の視認性、誤解を招かない表記、セット内容と根拠の明確さ、在庫引当の正確さ、送料・同梱ルールの反映、問い合わせ対応準備、そしてカート〜購入完了までの金額一致を確認します。金額ズレ在庫ズレは顧客体験の大きな落とし穴。小ロットでの本番テストを必ず挟みましょう。

Check Act レポート確認と次の対応方針

結果が良ければ対象商品を段階的に拡大し、文言や並び順を微調整して上振れを探ります。伸びない場合は、閾値と割引の再調整、対象商品の入れ替え、導線位置の変更を順に試します。値引きが効きにくいカテゴリーでは、セット販売用途訴求型クロスセルへ切り替えるなど、別アプローチを検討してください。運用で負担が増えたら、一度シンプルに戻し、現場の体制を整えてから再開するのが安全です。推奨フローは「設計→RMSヘルプ確認→ステージングで表示確認→少数本番テスト→指標で判定→段階展開」。小さく回して早く学ぶことが、最短ルートです。

まとめ

基準値を押さえ、目標と粗利の許容を決め、RMS権限と素材・在庫を整える。実行は複数買いクーポンクロスセル導線、そしてセット販売(まとめ買い)から。効果は主要指標で短期に確認し、簡易A/Bで比較。PDCAは小さく回し、勝ち筋だけを広げる。表示はお客様視点でシンプルに、割引やセット訴求は控えめに始めて反応を見てから強めましょう。

小さな改善の積み上げでAOVは着実に上がります。週次で振り返り、次のセールに向けて準備を前倒ししましょう。

<ご注意>本記事の内容は執筆時点の情報に基づいています。楽天の仕様・ガイドライン・ルールは変更される場合があります。最新情報は必ず公式サイトおよびRMSのヘルプ・各種レポートでご確認ください。

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