ECサイトの売上は順調に伸びているのに、なぜか手元に利益が残らない…そんなお悩みはありませんか?
もしかすると、その原因は「在庫パフォーマンス」が下がっているからかもしれません。
在庫パフォーマンスとは、「手元の在庫がどれくらい効率よく利益を稼ぎ出しているか」を示す指標のことです。
在庫は多すぎれば資金繰りを圧迫し、少なすぎれば売るチャンスを逃してしまうため、需要と供給のバランスを見極め、在庫を「稼げる状態」に最適化していくことがとっても大切なんです。
この記事では、在庫パフォーマンスが落ちてしまうよくある原因を振り返りながら、ECショップの利益をグッと引き上げるための具体的な「改善ステップ」を紹介していきます。
在庫パフォーマンスを下げる2つの落とし穴

パフォーマンスを改善するには、まず「なぜ在庫がうまく利益に繋がっていないのか」という現状のつまずきポイントを知ることが大切です。
多くのECショップが陥りがちな、2つの代表的な原因を見てみましょう。
1. 担当者の「勘」や「経験」に頼った発注をしている
在庫が余ったり足りなくなったりする原因の多くは、「人」に依存した発注業務に隠れています。
「毎年この時期は売れるはず」「キャンペーンだから多めに仕入れておこう」といった、担当者の感覚や過去の成功体験だけを頼りにした予測は、実はブレが生じやすいです。
トレンドや季節の影響は毎年変わるため、過去のデータがそのまま通用するとは限りません。
客観的な発注ルールがないまま進めてしまうと、過剰在庫で資金を寝かせてしまったり、欠品で売上チャンスを逃したりして、結果的に在庫パフォーマンスを大きく落としてしまうことになります。
2. 店舗と倉庫の「在庫データ」がズレている
複数のECモールや自社サイトを運営している場合、在庫データのタイムラグは大きなトラブルの原因になります。
各店舗の在庫を手作業で更新していると、「画面上は在庫ありになっているのに、倉庫にはモノがない」というヒヤッとする事態が起こりがちです。
売り越しによるお客様対応や店舗評価の下落を恐れるあまり、「念のため多めに在庫を持っておこう」と余分な在庫を抱え込んでいませんか?
正確な在庫数が把握できていない状態では、安全をとりすぎて無駄な在庫が増え、結果として在庫のパフォーマンスが悪化してしまうのです。
改善の第一歩!自社の「在庫回転率」を計算
原因がわかったところで、具体的なアクションを起こす前に、まずはご自身のショップの在庫が「しっかり稼いでくれているか」を数字でチェックしてみましょう。
そこで重要な指標となるのが「在庫回転率」です。
これは、一定期間内に手元の在庫が何回入れ替わったか(売れて現金化したか)を示す指標です。
基本的には「期間中の売上原価 ÷ 期間中の平均在庫金額」で計算でき、この数字が大きいほど、在庫がスピーディーに利益に変わっている証拠になります。
逆に回転率が低い商品は、「仕入れたのに長期間売れず、資金がストップしている状態」だとひと目でわかります。
「なんだか在庫が余っている気がする…」と感覚で悩むのではなく、まずはこの在庫回転率を定期的に計算して、ショップの現状を客観的に把握することが大切です。
数字が見えれば、「いつまでに、どの商品を減らすべきか」という目標がはっきりし、この後の改善ステップもグッと進めやすくなるでしょう。
在庫パフォーマンスを改善する3つのステップ

ステップ1:ABC分析を取り入れて「メリハリ」をつける
在庫パフォーマンスを上げるための第一歩は、商品ごとに重要度をランク付けする「ABC分析」です。
売上や利益への貢献度が高い順に、商品をA・B・Cの3グループに分けてみてください。
お店の稼ぎ頭である「Aランク商品」は、絶対に品切れを起こさないよう優先的に資金を回し、在庫を手厚く持ちます。
反対に、あまり動かない「Cランク商品」は在庫を最小限に抑えたり、思い切って終売を検討することも必要です。
すべての商品を平等に扱うのではなく、稼いでくれる商品に絞って投資することで、在庫全体のパフォーマンスは大きく向上します。
ステップ2:働かない在庫の「見切りルール」を決める
倉庫の奥で眠っている滞留在庫は、利益を圧迫する大きな悩みの種です。
これらをすっきりさせるためには、「仕入れてから〇ヶ月売れなかったらセールにする」「〇ヶ月経ったら廃棄・寄付する」といった、社内での明確なルールを決め、感情を挟まずに実行することがポイントです。
「いつか売れるかも…」とズルズル残していても、保管料がかさむだけで良いことはありません。
働かない在庫は早めに現金に換えて、そのお金でAランクの売れ筋商品を仕入れるというサイクルを作ることが、利益アップへの一番の近道です。
ステップ3:システムを活用した在庫管理を行う
より本格的にパフォーマンスを高めるなら、ITシステムの力も上手に借りてみましょう。
受注管理システム(OMS)や倉庫管理システム(WMS)を導入して店舗と倉庫のデータを連携させれば、在庫の動きを24時間いつでも正確にチェックできるようになります。
システムがあれば「売り越し」の心配がなくなるため、余分な在庫を持たずギリギリまで絞り込むといった、無駄のない運用が可能になります。
蓄積された正確なデータを活用すれば、人の勘に頼らない精度の高い需要予測や、自動発注の仕組み化も夢ではありません。
まとめ
ECサイトの運営では、つい売上アップの施策にばかり目が行きがちですが、裏側にある「在庫パフォーマンス」を改善しなければ、手元にしっかりと利益を残すことはできません。
過剰在庫によるコストの増加や、欠品によるチャンスロスは、早めに解決しておきたい大切な課題です。
まずは勘に頼った発注を見直し、ABC分析でメリハリをつけながら、滞留在庫の手放し方を決めることから始めてみましょう。
システムも活用しつつ、常に資金繰りを意識した在庫管理を行って、変化の激しいEC市場を長く勝ち抜ける強いショップを作っていきましょう!
<ご注意>本記事の内容は、執筆時点の情報に基づいています。仕様・ガイドライン・ルール等は予告なく変更される場合があります。最新の情報は、必ず公式サイト等をご確認ください。
