ユーザーの好みや買い物の仕方がどんどん多様化している今、「お客様が次にどんな行動をとるか」を見通すのは本当に難しくなっています。
そこで最近、多くの企業で取り入れられ始めているのが、AIを使ったユーザー行動の予測です。
これまで溜まってきたデータをAIに分析してもらうことで、「誰が・いつ・どんな商品を買ってくれそうか」を高い精度で見極められるようになります。
この記事では、AIを使ったユーザー行動分析の基本から、実際のマーケティング施策に活かすためのステップを解説します。
AI予測で解決できるマーケティングの悩み

AIの導入をスムーズに進めるコツは、「お客様のどんな行動を予測したいのか」をハッキリさせることです。
例えば、「最近サイトに来ていないお客様を予測して、お買い物クーポンを先回りして届ける」といったように、具体的なアクションを決めておくと、集めるべきデータも自然と決まってきます。
マーケティングにおいて、AI予測は主に以下の3つのシーンで大活躍してくれます。
買い物(コンバージョン)の予測
「今、もっとも買う確率が高いお客様」をAIが教えてくれる機能です。
購入の手前でお悩みのユーザーに絞って特別な広告やメルマガを届けることで、無駄のないコストで売上を最大化できます。
解約や離脱の予測
定期購入やサブスクなどで、サービスの利用をやめてしまいそうなお客様を早めに見つける予測です。
完全に離れてしまう前に、引き止めのキャンペーンやお得なご案内を送ってアプローチすることができます。
リピートの予測
初めて購入してくれたお客様のデータから、「将来ファンになってくれそうな人」を見きわめます。
特別なご案内でお気に入りのショップになってもらえるよう育てていくことができます。
予測の精度を上げるためのデータ準備

AIにお客様の行動パターンを正しく学んでもらうためには、あちこちに散らばっているデータを整理して、お客様の姿を分かりやすくする必要があります。
まずは基本となるデータが揃っているか確認してみましょう。
これだけは揃えたい!5つの基本データ
5つの基本データを表にまとめました。
まずはこれらのデータが社内で残っているかをチェックしてみてください。
| 必要なデータ項目 | 具体例とチェックのポイント |
|---|---|
| お客様を見分けるID | 会員IDなど。実店舗とECサイトで別々の人になっていないか確認。 |
| 行動があった日時 | お買い物をした日や、サイトを見に来た日。日付が抜けていないか。 |
| お買い物の履歴 | これまでの購入回数や使った金額。今後のファン度予測に欠かせません。 |
| 接点の履歴 | メルマガを開いたか、LINEのリンクを押したか、広告をクリックしたかなど。 |
| 状態の変化 | 新しく会員になった、しばらくお休みした、解約したなどの状況の切り替わり。 |
データを結びつけるコツ
使っているツールによってデータがバラバラになっている場合は、メールアドレスや電話番号をヒントにして結びつけていきます。
最初から完璧な仕組みを作ろうとすると大変なので、まずはできる範囲のデータを使って、小さくテストスタートしましょう。
自社に合う選び方と進め方

ユーザー行動を予測するAIを取り入れるには、「すでにある既製ツールを使う」「専門の会社にお任せする」「自分たちで作る」という3つの方法があります。
予算や社内の得意分野に合わせて、どこから始めるかを選んでみましょう。
手軽にスタートできる「既製ツール」
すでにAI予測の機能が備わっているマーケティング用のシステムを契約して使う方法です。
契約後すぐにメルマガ配信などの施策と連携できるのが最大のメリットですが、自社独自の少し変わった行動データを取り込むのは難しいという側面もあります。
理想の仕組みを実現する「専門会社への外注」
AI開発の専門会社に依頼して、自社専用の予測システムを作ってもらう方法です。
自社のビジネスにぴったり合わせた特別な予測モデルを作れるのが強みですが、開発コストが高めで、実際に使い始めるまでに時間がかかります。
ノウハウを資産にする「自社での作成」
社内のデータ担当者が、身近なツールを使っていく方法です。
分析のコツが社内に残り、自分たちで改善できるのが大きな魅力ですが、最初はデータを扱う専門知識を持った人が必要になります。
テスト運用と効果の実感

本格的にAIを導入する前に、まずは狭い範囲でテスト運用をして、AIの予測が本当に役立つかを試してみてください。
小さい範囲でのテスト運用
例えば、「AIが『お買い物してくれそう』と予測した上位のお客様だけに、新商品の案内メールを送ってみる」というような、手軽なテストから始めてみましょう。
一斉配信していたときと比べて、どれくらい効率よくお買い物に繋がったかを比較するのがポイントです。
成功したかを見極める目標設定
テストを振り返るときは、あれこれ数字を見すぎず、「メールの開封率や購入率がいつもより上がったか」といった分かりやすい目標を3つくらいに絞っておくのがおすすめです。
目標をシンプルにすることで、AIの効果があったかどうかが判断しやすくなります。
現場が動きやすいデータ形式
AIからの予測データを受け取るときは、「お客様のID・予測点数・おすすめの案内」といった、現場の担当者がパッと見てすぐに動けるシンプルなリスト形式にしてもらいましょう。
データが分かりやすいと、その後のマーケティング施策への展開がとてもスムーズになります。
まとめ
マーケティングでAIの予測を活かすために一番大切なのは、「お客様のどんな行動を予測して、どう喜んでもらうか」という目的を忘れないことです。
まずは自社の直近のデータを見直して、お客様がどんな風にサイトを使ってくれているかをチェックすることから始めてみてください。
自社に合ったやり方を選び、「効果が出た!」という体験を積み重ねていけば、社内でもAI活用が広がっていきます。
まずはできるところから、気軽な気持ちで第一歩を踏み出してみましょう!
<ご注意>本記事の内容は、執筆時点の情報に基づいています。各種AIツールやプラットフォームの仕様は予告なく変更される場合があります。最新の情報は、必ず公式の発表やベンダーの資料等でご確認ください。
