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Amazonの売上アップ戦略:「在庫切れ」と「広告の無駄」をなくす運用ガイド

Amazonで広告を出しているのに、「売上が伸びない」「クリックはされるのに、なぜか購入までいかない」あるいは「売れ始めたらすぐに在庫切れを起こして、大きなチャンスを逃してしまった」といった悩みはありませんか。

広告と在庫管理を連携させることで、初めて広告費の無駄をなくし、売上を安定して伸ばすことができます。この記事では、広告と在庫を連動させるための具体的な準備、実行、確認のステップを、社内で共有できるチェックリスト形式でやさしく解説します。

準備:運用の土台作り

「なんとなく」で広告を始めるのが失敗の最大の原因です。まずは現状を正確に把握し、チームで共有できる「ルール」と「見るべき数字」を決めるところから始めましょう。

見るべき数字(KPI)を決め、ダッシュボードで「見える化」する

運用を始める前に、「見るべき数字(KPI)」を決め、それを一覧できる「ダッシュボード(管理表)」を準備します。Excelやスプレッドシートで十分です。毎日チェックすべき代表的な指標は以下の通りです。

【広告の数字】

  • インプレッション数:広告が表示された回数。これが少ないと、そもそもお客様の目に触れていません。
  • クリック率(CTR):表示されたうち、何%がクリックされたか。広告の「見た目(画像やタイトル)」の魅力度を測ります。
  • 広告費(Spend):いくら使ったか。
  • 広告売上(Sales):広告経由でいくら売れたか。
  • ACOS(エーコス):広告費 ÷ 広告売上。売上に対して何%の広告費を使ったか(=燃費)。低いほど優秀です。
  • ROAS(ロアス):広告売上 ÷ 広告費。広告費1円あたり、何円の売上を生んだか。高いほど優秀です。

【商品ページの数字】

  • セッション数:商品ページ(広告のリンク先)が何回見られたか。
  • 成約率(CVR):ページを見た人のうち、何%が買ってくれたか。広告のCTRが高くてもここのCVRが低ければ、商品ページに問題があります。

【在庫の数字】

  • 在庫日数:今の在庫が、あと何日でなくなるかの目安( 現在庫 ÷ 直近7日間の平均販売数 )。

これらを一つのシートにまとめ、色分け(例:緑=良好、黄=注意、赤=要対応)するだけで、瞬時に「今、どこが問題か」が判断できるようになります。

優先順位を決める

限られたリソース(人・時間・お金)を効果的に使うため、全商品に同じ力を注ぐのは非効率です。まずは「どの商品を優先的に改善するか」を決めましょう。

売上貢献度(売上の高い順)粗利益率(儲かる順)で商品を並べ替え、上位の商品から順番に対応していくのが基本です。レビュー状況や、商品の供給が安定しているか、商品ページに改善の余地があるかなども考慮して、優先順位を決めましょう。

例えば、「売上トップ10の商品だが、粗利が低い」なら、広告のACOSを厳しくチェックして無駄を削ります。「粗利は高いが、売上が中くらい」なら、広告予算を増やして露出を強化する、といった判断が可能になります。

最低限の「運用ルール」と「計測ルール」を決める

運用担当者の「感覚」で設定を変えると、後で振り返りができません。最初にシンプルなルールを決めておきましょう。「もしこうなったら、こうする」というルールを事前に決めておくことが重要です。

また、後で分析しやすいように、キャンペーン名もルール化します。
例えば「商品名_目的_広告タイプ」(例:[TシャツA_売上拡大_SP自動]、[TシャツA_売上拡大_SP手動])のように統一するだけで、レポートが見やすくなります。

実行:商品ページ改善と広告テストの進め方

土台が整ったら、商品ページを磨き上げ、その後に広告を打ちます。

商品ページの改善

広告の成果は、リンク先の商品ページの品質で8割決まります。まずは商品ページの改善に時間かけましょう。特に以下の項目は売上に直結するため、優先的に見直してください。

最優先は「メイン画像」と「箇条書き」です。

  • メイン画像:ガイドライン(白背景など)を守りつつ、商品が大きく、鮮明に写っていますか? スマホの小さな画面でも何の商品か一目でわかりますか?
  • タイトル:お客様が検索するキーワードが、不自然にならない形で含まれていますか?
  • サブ画像:商品の使い方、サイズ感、メリットが一目で伝わる画像になっていますか?
  • 箇条書き(5つのポイント):単なる「機能」の説明ではなく、「お客様にとっての嬉しい変化(ベネフィット)」が書かれていますか?
  • A+コンテンツ:ブランド登録をしているなら、A+で商品の世界観や詳細な使い方を視覚的に訴求できていますか?

これらすべてを、必ず「スマホ表示」でどう見えるか確認してください。今のお客様のほとんどはスマホで見ています。

広告の初期運用

Amazon広告の運用には、初心者でも簡単に始められる「オート(自動)ターゲティング」と、自分でキーワードを決める「マニュアル(手動)ターゲティング」があります。

最も効率的で失敗が少ないのは、この2つを組み合わせて運用する方法です。

ステップ1:オート広告で「売れるキーワード」を発見する

まず、オートキャンペーンを少額の予算で動かします。ここでは利益を狙うのではなく、「Amazonがどんな検索キーワードで自社の商品を表示させ、どのキーワードで実際に売れるのか」というデータを集めることが目的です。

ステップ2:「検索語句レポート」を分析する

週に一度、オートキャンペーンの「検索語句レポート」を確認します。ここには、お客様が実際に入力した「生のキーワード」が詰まっています。このレポートを2種類に仕分けます。

  • A:売れたキーワード(お宝):クリックも注文も入っている。
  • B:売れないキーワード(ゴミ):クリックばかりされて、お金を使っているのに全く売れていない。

ステップ3:「キーワードの引っ越し」を行う

・「A(売れたキーワード)」は、マニュアル(手動)キャンペーンに「完全一致」や「フレーズ一致」で登録し、入札を強めて確実に売上を取りに行きます。

・「B(売れないキーワード)」は、オートキャンペーンの「除外キーワード」に登録します。これにより、二度とこの無駄なキーワードで広告費が使われなくなります。

この「自動で発見 → 手動で育成 → 自動で無駄を削る」というサイクルを回し続けることが、広告運用(特にスポンサープロダクト)の基本であり、最も強力な手法です。

テスト設計(A/Bテスト)の進め方

運用に慣れてきたら、「どちらがより効果的か」をテスト(A/Bテスト)します。

テストの鉄則は「一度に一つだけ変える」ことです。例えば、メイン画像をA案とB案で差し替えて、1週間ずつ表示し、「どちらがクリック率(CTR)が高かったか」を比べます。画像とタイトルを同時に変えてしまうと、どちらが原因で数字が変わったのか分からなくなります。

結果は必ず記録し、成功したパターン(例:「価格を載せた画像の方がCTRが高い」)を見つけたら、他の商品にも展開(横展開)していきましょう。

在庫・価格・プロモーションの「同期」ルール

広告の準備ができても、在庫や価格が連動していなければ意味がありません。ここでは「広告と実態を同期させる」ためのルールを解説します。

発注と広告配分を連動させる

最もやってはいけないのが、「在庫が残りわずかなのに、広告を最大限に出し続ける」ことです。これは、広告費を使って「在庫切れ」を早めているだけで、機会損失と広告費の無駄遣いになります。

【在庫レベル別のアクションルール(例)】

  • 在庫潤沢(在庫日数30日以上):広告を強め(入札UP)、売上最大化を狙う。
  • 在庫注意(在庫日数14~29日):通常の広告運用。
  • 在庫危険(在庫日数14日未満):広告の入札を弱め、露出を意図的に減らす。
  • 在庫切れ間近(在庫日数3日未満):広告を「停止」する。

このルールを徹底するだけで、無駄な広告費を大幅に削減できます。FBAの長期保管手数料などのルール変更も定期的に確認し、在庫日数の基準を見直しましょう。

価格・セール時の広告運用

値下げやクーポン、セール期間中は、お客様の購入率(CVR)が通常より高くなります。CVRが高いということは、多少クリック単価が高くても利益が出る(=ROAS/ACOSが合いやすい)状態です。

この期間は、予算を増やし、成約率の高いキーワードへの入札を強めるのが定石です。ただし、予算が想定より早く消化される可能性が高いため、パフォーマンスは毎日確認しましょう。

過剰在庫と在庫切れの対応

過剰在庫(売れ残っている)の場合は、むしろ広告を強化するチャンスです。ターゲティングを広げたり、入札を強めたりして、広告の力で在庫を早く減らす戦略をとります。

在庫切れを起こした場合は、広告をすぐに停止します。そして、在庫が回復したら、停止していた広告を再開します。注意点として、在庫切れで販売ランクが落ちているため、再開直後は以前より入札を少し強めにしないと表示されない場合があります。

まとめ

広告と在庫を別々に管理していると、せっかくの広告投資や販売機会を無駄にしがちです。本記事で示した、見るべき数字(KPI)の見える化、優先商品の選定、商品ページの改善、広告テスト、そして在庫と広告の同期ルールは、広告費を無駄にせず売上を安定させるための実践的な流れです。

小さな仮説と短いサイクルでテストを回せば、失敗のリスクを抑えつつ効果が見えます。社内で共有できる簡単なルールを作って、今日から一歩踏み出してみてください。少しずつ改善を重ねて、確かな成果を出しましょう!

<ご注意>本記事の内容は、執筆時点の情報に基づいています。Amazonの仕様・ガイドライン・ルール等は予告なく変更される場合があります。最新の情報は、必ず公式サイトやAmazonセラーセントラル等をご確認ください。

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