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FBAと直送でどう違う?Amazon輸出の関税ルールと必須の注意点を解説

Amazon輸出を始めたばかりで、「実際にいくら手元に残るんだろう」「思わぬ関税で赤字にならないか不安」と感じていませんか。国内販売とは異なり、輸出ビジネスで「商品が売れても、関税と送料を引いたら利益が残らなかった」というケースが珍しくありません。

特に初心者の方が陥りやすいのが、「関税は誰が払うのか」という認識のズレによるトラブルです。
荷物が税関で止まってしまうと、単に配送が遅れるだけでなく、高額な保管料を請求されたり、最悪の場合は廃棄処分となったりするリスクもあります。

この記事では、Amazon輸出初心者が絶対に押さえておくべき「FBAと直送(自社発送)による関税ルールの違い」と、赤字や遅延を防ぐための具体的な注意点を解説します。
正しい知識を身につけて、予期せぬ損失を防ぎましょう。

【最重要】FBA納品と直送で異なる「関税負担」のルール

Amazon輸出において関税の扱いは、「商品をAmazon倉庫に預ける(FBA)」か「注文ごとに日本から送る(直送)」かでルールが正反対になります。
ここを混同するのが失敗の最大の原因です。

FBA納品の場合:「関税元払い(DDP)」が絶対条件

FBAを利用する場合、商品はAmazonの倉庫に納品されますが、Amazonは「輸入者(Importer)」にはならず、関税や消費税を一切立て替えません。
Amazonはあくまで「荷受人(Consignee)」という立場にすぎないためです。

そのため、発送人(セラー)が関税・税金を全額負担する「DDP(関税元払い)」という条件で発送する必要があります。
DHLやFedExなどのクーリエ(国際宅配便)を利用する場合、アカウント開設時に「関税の請求先」を自分(発送人)のアカウントに紐付ける設定が必須です。

もし「関税着払い(DDU/DAP)」で送ってしまうと、Amazon倉庫は受取を拒否します。
商品はそのまま日本へ返送され、往復の高額な正規送料と輸入関税が請求される「大赤字」の状態になるため、発送伝票(送り状)の「関税支払い(Duties and Taxes)」欄は必ず「Sender(発送人)」にチェックが入っているか、毎回指差し確認してください。

直送(自社発送)の場合:免税ラインと顧客対応

注文が入ってから日本から発送する場合、現地の購入者が輸入者となります。
この場合、国ごとに定められた以下の「免税ライン(デミニミス)」を意識することが重要です。

  • 米国(Amazon.com):
    個人の輸入において、1日の輸入額が800ドル以下であれば、関税や税金は免除されます(※アルコール等、一部例外あり)。
    米国向けの小口注文であれば、関税トラブルはほぼ起きないため、直送ビジネスは非常に有利です。
  • 欧州(Amazon.co.uk / .de など):
    EU圏等はVAT(付加価値税)のルールが厳格です。現在はIOSS(Import One Stop Shop)という仕組みがあり、購入時にAmazon上でVATが徴収されますが、150ユーロを超える高額商品は別途関税がかかるケースがあるため注意が必要です。

注意点として、Amazon.comの規約上、海外セラーからの発送商品に関税がかかる場合、原則は「セラー負担(DDP)」または「事前了承」が推奨されます。
「ギフト(Gift)」として発送すれば関税がかからないと考える方もいますが、商用取引での虚偽申告は違法ですので絶対に行わないでください。

通関トラブルを防ぐ「書類作成」3つの注意点

関税の金額や通関のスピードは、発送時に添付する書類(インボイス)の精度で決まります。
適当に書くと「税関でストップ」して保管料を取られたり、「不当に高い税率」をかけられたりします。

1. 品名は「具体的」に書く(材質・用途)

インボイスの品名欄に「Apparel」「Gift」「Daily goods」といった曖昧な表現を使うのはNGです。
「Men’s Cotton T-shirt(男性用綿製Tシャツ)」や「Plastic Toy for Kids(子供用プラスチック玩具)」のように、「材質」と「用途」「対象者」が分かるように具体的に記載しましょう。
これが不明確だと、中身を確認するために税関検査(Physical Inspection)の対象になり、開封されたり配送が数日遅れたりします。

2. 正しいHSコードを記載する

関税率を決定するのは「HSコード(統計品目番号)」という世界共通の6桁〜10桁の番号です。
例えば同じ靴でも、「革靴」か「スポーツシューズ(合成繊維)」かで関税率は大きく異なります。
クーリエの作成ツール任せにせず、自社商品の正しいHSコードを調べ、インボイスに記載しておくことで、税関側の誤判断による高額課税(および事後の修正手続きの手間)を防ぐことができます。

3. アンダーバリュー(価格の過少申告)は厳禁

関税を安くするために、インボイスの商品価格を実売価格や仕入れ値より極端に安く書くこと(アンダーバリュー)は脱税行為です。
税関は市場価格のデータベースを持っています。
発覚した場合、商品は没収、過少申告加算税のペナルティ、最悪の場合はAmazonのアカウント停止やクーリエの利用停止リスクにも直結します。
必ず「実際に販売した価格(または適正な市場価格)」を申告してください。

利益を守るための「着地コスト」の考え方

「売れたのに赤字」を防ぐには、関税を含めたトータルのコスト(着地コスト)を事前に計算しておく必要があります。

【着地コストの構成要素】
商品仕入原価 + 国際送料(燃油サーチャージ込み) + 関税 + 現地消費税(VAT等) + 通関手数料 + Amazon販売手数料

特にFBA納品の場合は、一度に大量に送るため関税額も大きくなります。
また、国際送料は「実重量」と「容積重量(箱の大きさ)」の重い方で計算されるため、「小さく・重く」梱包するのがコスト削減のコツです。
仕入れ前に「関税率(Estimate Duty)」を概算し、利益が出る価格設定になっているかシミュレーションを行う癖をつけましょう。

まとめ

Amazon輸出の関税に関する注意点は、以下の3点に集約されます。

  • FBAは「関税元払い(DDP)」必須:Amazon倉庫は関税を払わない。着払いは返送直行で大赤字になる。
  • 米国直送は「800ドル」が目安:免税ラインを活用すればコスト競争力が出るが、欧州はVATに注意。
  • 書類は正直かつ正確に:アンダーバリューや曖昧な品名記載は、配送遅延とペナルティの元。

関税は「避けて通れないコスト」ですが、ルールさえ守れば怖いものではありません。
まずは発送業者(クーリエ)のラベル作成画面で「関税支払者(Bill Duties and Taxes to)」の設定を間違えないことから始めましょう。

<ご注意>本記事の内容は執筆時点の情報に基づきます。関税率や通関ルールは国や情勢により変動するため、最新情報はJETROや配送業者の公式サイト等で必ずご確認ください。

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