Amazon FBAへ危険物に該当する可能性のある商品を送るときは、事前の判定とルール遵守が極めて重要です。
これは海外輸送に限った話ではありません。日本国内の倉庫に納品する場合でも、消防法や安全基準に基づいた厳格な審査が行われます。
除菌液や香水、モバイルバッテリーなど、身近な商品が「危険物」とみなされ、不備があれば受領拒否やアカウント停止に繋がることもあります。
この記事では「何を調べるべきか」「どの順番で申請・梱包・発送を進めるか」を、最新のガイドラインに沿って解説します。
危険物判定の基本ルールと「該当商品」の見分け方

まず理解しておくべきは、Amazonの危険物定義は非常に広いということです。
パッケージに「可燃性」「刺激性」「有毒」などの警告表記があるものはもちろん、引火点が250℃以下の液体やスプレー缶、圧縮ガスを含むものはすべて対象となります。
具体例を挙げると、オイルライター、ネイルグッズ、香水、除菌用アルコール、さらには一部の接着剤や化粧品も含まれます。
これらの商品は「SDS(安全データシート)」を用いて判定を行います。特にSDSセクション14にUN番号(国連番号)があるかを確認してください。
記載がない場合でも、ラベルに「まぜるな危険」等の表示があれば、Amazonでは危険物として扱われる可能性が高いと考え、準備を進めるのが安全です。
FBAで「取り扱い不可能」な商品と重量・サイズの制限
危険物であればすべて納品できるわけではなく、FBAでは一切販売できない「禁止商品」が存在します。
例えば、花火やクラッカーなどの爆発物、一酸化炭素や液体アンモニアなどの毒性ガスは納品できません。また、法律やAmazon独自の規制により、特定のサイズを超える引火性液体も対象外となります。
具体的には、引火性液体(エタノール等)で1,000ml(1L)を超える商品、ペンキ等の塗料で原則5kg以上のものはFBAを利用できません。
特にアルコール類は水より比重が軽く、1kgであっても容量が1Lを超えるケース(約1.25L等)があるため、重量ではなく必ず「容量(ml)」を確認してください。
大型サイズの危険物も、リチウムバッテリー関連を除いて納品が制限されているため、自社商品の重量やサイズが規定内に収まっているかを事前に必ず確認してください。
最新の納品手続きと「審査通過」までの申請フロー

危険物の可能性がある商品を納品するには、まずセラーセントラルのヘルプ画面から「ASINの検索」ツールを使用して最新のステータスを確認することから始めます。
ステータスが未確定の場合は、「FBA危険物納品プログラム」への申請が必要です。
この申請は大口出品者のみが対象で、審査完了まで約2週間程度かかる場合があります(※状況により数営業日で完了することもあります)。季節商品などを扱う場合は、このリードタイムを計算に入れて計画を立てましょう。
審査には、最新のSDS(日本語または英語)やパッケージ写真の提出が求められます。
SDSの製品名とASIN情報が1文字でも異なると差し戻されるため、整合性には細心の注意を払ってください。不備をなくすことが、販売開始までの時間を最短にするコツです。
リチウム電池製品の「UN38.3試験」と書類の保管
リチウム電池を含む商品の場合は、世界共通の安全基準である「UN38.3試験」の合格証明が実務上の必須ラインです。
Amazonから試験結果の要約(Test Summary)の提示を求められることが増えています。
これはスマートフォン、ポータブル電源、コードレス掃除機なども対象です。製造元から試験報告書や仕様書を取り寄せ、いつでも提出できるよう原本を保管しておきましょう。
万が一資料が得られない場合は、外部の専門機関に評価を依頼することも検討してください。
エビデンスが不明確なまま納品を進めるのは、事故発生時の賠償リスクを負うことにも繋がるため、確実な書類確保を優先してください。
受領拒否を防ぐ「厳格な梱包」と配送のルール

危険物商品の納品には、通常商品とは異なる「混ぜない・隠さない」独自のルールが適用されます。
まず、危険物には「混合在庫(メーカーバーコードによる受領)」は利用できず、すべてに専用の商品ラベル(FNSKU)を貼付しなければなりません。
また、通常商品と同じ輸送箱に同梱して送ることも禁止されています。
輸送箱の側面には、「危険物在中」ラベルをA5サイズ以上で貼付してください。
この表示が不適切だと、倉庫に到着しても即座に返送される恐れがあります。さらに引火性液体については、ASINごとに初期値200点の上限設定があることも覚えておきましょう。
配送業者の手配とキャリアサービスの制限事項
配送面でも注意が必要です。リチウムバッテリー関連の商品を除き、危険物の納品に「FBAパートナーキャリアサービス」は利用できません。
ご自身で配送業者を手配し、その業者が危険物の搬送に対応しているかを確認する必要があります。
出荷前にはSDSの情報を配送業者へ共有し、受け入れ可能かをすり合わせましょう。
特に航空便を利用する場合、陸送よりも規制が厳しくなるため、「Amazon指定の納品先FCまで確実に届くか」を事前に確認することが、未着や差し戻しといったトラブルを回避するための鉄則です。
まとめ:安全なFBA危険物運用のための最終確認
FBAで取り扱えないサイズ制限(特に液体の1L制限など)や禁止商品を把握し、審査には2週間の余裕を持って申請を進めましょう。
分類確定後は、専用ラベル(FNSKU)の貼付と、輸送箱へのA5サイズ表示を徹底してください。
危険物納品は手順が多いですが、正しくクリアすれば強力な競合差別化になります。
「倉庫の安全を守る」という意識をチームで共有し、属人化させない運用を目指しましょう。
規約は頻繁にアップデートされるため、定期的に最新のガイドラインを確認する習慣をつけましょう。正しい準備こそが、安全でスピーディーな販売への最短ルートです。
<ご注意>本記事の内容は、執筆時点の情報に基づいています。最新の情報は、必ず公式サイトやAmazonセラーセントラル内のヘルプページ等をご確認ください。
