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なぜ利益が残らない? Amazon海外発送のコスト削減と「梱包・輸送」最適化の手順

FBAを含むAmazonの海外発送で、「送料や手数料がかさんで利益が出ない」「どこから見直せばいいかわからない」と感じていませんか。海外発送は運賃、関税、倉庫手数料、梱包・返品対応など、複数の要素が絡んでコストが膨らみがちです。この記事では、FBA利用時の費用構造をわかりやすく整理し、発送方法の見直し、梱包の工夫、在庫配置や配送業者の選び方など、実務で役立つ節約ポイントをやさしく解説します。小さな改善でコストを抑え、海外販売の利益をしっかり守るコツを一緒に学んでいきましょう。

現状の問題を特定

まずは現状の問題点を具体的に洗い出すことが重要です。以下の手順で課題を明確にしましょう。どこが一番コストを圧迫しているかを可視化することが最初の一歩です。

SKUごとに利益圧迫の状況を可視化する

コスト削減の第一歩は、どの商品がどのように利益を圧迫しているかを明確にすることです。そのために以下のデータを整理しましょう:

分析項目確認内容活用方法
商品別コスト内訳売価、原価、国際送料、関税・税金、FBA手数料・保管料、梱包費、返品費1点あたりの粗利を算出、コスト圧迫要因を特定
FBA手数料区分確認サイズ・重量・カテゴリー別の現在の手数料区分区分の境界に近い商品を見つけ、梱包改善の余地を探る
赤字・薄利SKU分析コスト要因(送料/手数料/税金)を特定し優先順位付け効果的な対策の選定と集中改善
販売点数・総利益単価だけでなく数量ベースの影響も確認改善施策の優先順位決定の判断材料

データ分析時は、同じ期間(例:直近3ヶ月間)で統一して比較することが重要です。季節要因による誤判断を防ぎます。

FBA向けの追加費用や受入トラブルの履歴を整理する

FBA入庫時のトラブルは予想外のコスト増加につながります。まずは受入トラブルの履歴として、ラベル不備、梱包違反、危険物情報不足などによる追加費用と遅延を記録しましょう。また、セット商品表示、透明度・通気穴、バーコード配置など、最新のAmazon要件への準拠状況も再確認が必要です。トラブルが頻発するSKUについては、資材サイズ不適合、作業手順不備、表示誤りといった根本原因を特定します。特に、割れやすい商品、液体、粉体、香りの強い商品には専用の梱包方法を検討し、作業者が迷わないようラベルや表示の配置、向き、表記を標準化(写真での作業手順記録など)することが有効です。

受入トラブルの解消は即効性の高い節約ポイントです。小さな改善で大きな効果が得られることが多いでしょう。

契約割引、リードタイム、在庫回転の問題点を洗い出す

物流全体の視点で課題を検証します。まず、配送契約の適合性です。実際の出荷量に対して現在の契約割引が適切か、体積・重量測定方法による差異はないかを確認します。次に、リードタイムと補充計画を点検し、輸送遅延による急配(空輸切替)の頻度と追加コストを把握します。さらに、在庫滞留と保管料の問題として、長期保管対象となっている在庫の特定と原因分析も必要です。最後に、出荷スケジュールを見直し、固定曜日出荷による予測可能性向上と手配効率化の可能性を探りましょう。

コスト増加の要因を分解して原因を明確に

コスト項目ごとに分解して見ることで、何を優先的に改善すべきかが見えてきます。

国際運賃、通関、FBA手数料などコスト構成を整理する

コスト削減には「どこに」費用がかかっているかを明確にする必要があります。費用は、国際運賃(航空・海上・陸送)と現地配達費用、輸出入手続きの諸費用(通関手数料、関税、VAT等)、FBA関連費用(発送手数料、保管料、追加サービス料)、そして返品関連費用と処理方法別コストに整理できます。

特に重要なのは、関税・税金の負担者(販売者か購入者か)を国・販売方法別に明確化することです。曖昧さが後の想定外コストにつながります。また、Amazonの手数料体系は定期的に更新されます。最新の料金表と定義(サイズ区分、長期保管の期間定義など)を常に確認しましょう。

梱包と寸法重量が単位コストに与える影響を把握する

国際配送では実重量よりも容積重量(寸法重量)が課金基準になることが多く、梱包の最適化が直接コスト削減につながります。この仕組みをまず理解し、商品に合った寸法の梱包資材を選定して箱サイズを最適化し、無駄な空間を最小化することが重要です。特に、FBAサイズ区分の境界に注意を払い、わずかな寸法調整で手数料区分が下がる可能性を探ります。同時に、梱包品質の向上も、破損防止による再配送・返品の削減につながるため見逃せません。

各配送業者のDIM重量計算方法は異なるため、主要な利用業者の計算式を把握することが重要です。

ロットサイズ、モード選択、コンソリデーション不足が招く非効率

発送方法の選択と出荷パターンの最適化も重要なコスト要因です。出荷頻度と数量を見直し、少量高頻度出荷が1個あたりの固定費負担を増やしていないか確認します。輸送モードは、緊急度に応じた航空便と海上便の使い分けが基本です。また、同一目的地への出荷を集約したり、倉庫の出荷日を調整したりすることも有効です。梱包の標準化、例えば箱内の入数を統一することも、受入処理の効率化・精度向上に寄与します。

データに基づく改善手順と即効性のある施策

データを基に優先順位をつけ、小さく試して効果を確認する手順で進めるのが現実的です。まずはランドコストをSKUレベルで算出しましょう。

出荷実績と現行コストを揃えてランドコストを算出する

実際のコスト削減には、現状の正確な把握が不可欠です。まず、ランドコスト計算を行います。これは、商品が販売可能になるまでの総コスト(原価、送料、通関費、税金、FBA手数料等)をSKU・国・配送方法別に算出する作業です。次に、売価との比較による利益分析で、利益率の算出と低利益商品を特定します。この結果から、最も効果の高いコスト要素(送料・手数料・税金)を特定し、改善の優先順位付けをします。その際、Amazonの料金体系やルール変更を定期的に確認し、最新情報を反映することも忘れてはいけません。比較時は為替変動の影響を排除するため、通貨を統一して同一基準レートを使用しましょう。

梱包見直しとマスターカートン化で寸法重量と処理工数を下げる

梱包の改善は比較的容易に実施でき、効果も出やすい対策です。箱サイズの最適化として、商品に合った中箱・外箱を使用し、無駄なスペースを削減します。マスターカートンを導入し、同一SKUを一定数まとめることで取扱いを容易にし、破損リスクも低減できます。また、FBA受入要件に合う表示の標準化(数量、向き、バーコード位置)も重要です。セット商品は中身の視認性確保と注意書き配置を最適化し、同梱書類の配置や封の仕方も手順化・写真記録化しましょう。

海上と航空の使い分け、在庫配置見直しでモード最適化を図る

輸送方法と在庫配置の最適化で全体コストを削減します。基本は、輸送モードの使い分けです。ベースとなる需要分は海上輸送でコストを抑え、急な不足分のみ空輸で対応します。在庫配置の最適化として、需要が集中する地域に近い倉庫へ配置することで現地配送費を削減できます。Amazon内の在庫移動についても、自動的な在庫移動に関わる費用を把握し、制御できるか確認しましょう。最後に、混雑期や気象リスク期といった季節要因に対応し、事前出荷で緊急空輸を回避する計画も立てておきます。

まとめ

この記事では、まず現状を見える化し(SKU別利益、追加費用、受入トラブル)、費用要素を分解して原因を明確にしました。梱包やマスターカートン化、海上/航空の使い分け、在庫配置、業者比較と交渉、パイロット検証まで、実行順に取り組める手順を示しています。

まずはSKU別の赤字要因を洗い出し、梱包・輸送・手数料の三点で優先順位をつけましょう。見積りは同条件で比べ、小さなパイロットで効果を確認してから本格導入すると失敗が減ります。

まずは、データ抽出と優先対策の一つを決めて実行に移しましょう。

<ご注意>本記事の内容は、執筆時点の情報に基づいています。Amazonの仕様・ガイドライン・ルール等は予告なく変更される場合があります。最新の情報は、必ず公式サイトやAmazonセラーセントラル等をご確認ください。

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