売上は出ているのに広告費や物流コストで最終利益が残らない──そんな悩みを持つ企業向けに、価格設定・仕入れ・在庫管理・広告運用・商品ページの観点から、すぐ始められる改善手順をわかりやすくまとめました。まずは無駄が生じている箇所を可視化することが第一歩です。
1. まずは「どこで利益が消えているか」を見つける

まずは数字で「どこで利益が溶けているか」を明確にします。手順は簡単です。SKUごとに「広告費を引く前の利益率」を計算し、そこから広告費を引いた「最終的な利益」を確認します。
売上が大きいのに最終利益がマイナス、またはほぼゼロの商品(SKU)を優先して対応します。
「見えないコスト」を洗い出す
「仕入れ値だけが原価」という考え方は危険です。Amazonでは仕入れ以外にも配送手数料、保管料、返品処理、倉庫までの送料などが積み上がります。「1個あたりいくらかかっているか」を正確に把握することが改善の出発点です。
広告費の使いすぎをチェックする
ACoS(売上高広告費比率)が一見良く見えても、商品の利益率より高ければ意味がありません。TACoS(広告費 ÷ その商品の総売上)も合わせて確認し、広告費が売上全体の何割を占めているかを評価してください。
2. なぜ利益が出ないのか? 原因を深掘りする

全体平均で管理していると、赤字商品が黒字商品に隠れてしまいます。セラーセントラルのレポートや料金シミュレーターを使って商品ごとの手数料を確認し、資材費や作業費、送料を1個あたりに割り付けることで、本当の収益力が見えてきます。
広告の評価指標を変える
ACoSは広告の効率を見る指標ですが、商品自体の利益率は考慮されていません。TACoSを見ることで、広告が店全体の売上にどう貢献しているかを把握し、利益率とのバランスを見て投資判断を行いましょう。
FBA手数料と在庫の影響
FBAは便利ですが、保管手数料やサイズ区分の変化でコストが大きく動きます。季節ごとの変動や在庫の古さにも注意し、毎月レポートを確認して、予想と違う動きがあれば原因を特定してください。
3. 「儲かる商品」にするための計算手順
限られた時間で最大の効果を得るには、直近の売上で上位20〜30商品に集中して見直します。上位から順に手数料や自社コストを整理していくと効率的です。
原価を正確に計算する
1個あたり原価 = (仕入れ+資材+作業+送料)÷ 販売個数
粗利 = 売上 − (1個あたり原価 × 販売個数) − 各種手数料
まず広告費を引く前の利益率を出し、そこから広告費を引いて最終的な利益を確認します。
間接費(固定費)の配分
家賃や事務スタッフの人件費などは、売上の割合や販売数、作業時間などで配分します。重要なのは一貫したルールで継続的に配分することです。これを引いた後の利益率を基に、価格や広告の判断を行います。
4. 広告と物流の無駄を減らすアクション

TACoSを使った投資判断
TACoS = その商品の広告費 ÷ その商品の総売上
【判断基準】
- 利益率よりTACoSが高い商品 → 広告費を抑える
- 利益に余裕がある商品 → 広告費を増やして売上アップを狙う
- 最終利益が少ない商品 → 無駄なクリックを減らす対策を優先する
必ず数値で判断しましょう。
広告の最適化ステップ
手順は段階的に進めます。
- 現状把握
- 購入につながるキーワードは別のキャンペーンに分けて入札調整
- 無関係なキーワードは「除外設定」
- 商品ページの改善(画像や説明文)
- 小刻みに変更して効果測定
自動入札は便利ですが、必ず定期的なチェックとテストを行ってください。
FBA手数料の削減チェック
- サイズ区分の確認:梱包材のせいでサイズ区分が上がっていませんか?
- セット販売の検討:まとめ売りで1個あたりの手数料を削減できませんか?
- 在庫の健全性:売れ残って保管料がかさんでいませんか?
まとめ
売上はあるのに利益が残らない問題は、原因を特定して優先順位を付け、小さな改善を積み重ねることが近道です。まずは上位商品の「1個あたり原価」を正確に出し、広告と在庫の無駄を削減するアクションを始めましょう。週次で数字を確認し、手が足りなければ外部委託や自動化で補ってください。PDCAを回し続けることが黒字化への最短ルートです。
<ご注意>本記事は執筆時点の情報に基づきます。Amazonの仕様や手数料は変更されることがありますので、最新情報は必ず公式サイトやセラーセントラルでご確認ください。
