Amazonストアを運営していて、「やりたいことはたくさんあるのに人手や予算が足りない」「どこから手をつければいいかわからない」と感じていませんか。実は、Amazonの成果は全てを完璧にする必要はなく、少ない手間(工数)で効果が出やすいポイントを優先的に改善するだけでも変わります。
この記事では、限られた人手や予算(リソース)でも実行しやすい簡単なステップと、検索で見つけてもらい購入につながる具体的な改善ポイントをやさしく紹介します。
無理なく取り組めるヒントをつかんで、少しずつ売上につながるストアに育てていきましょう。
「弱点」の見つけ方と、最初に見るべき数字

どこが弱っているのかを素早く見つけるために、見る順番とデータの場所を決めておき、最短距離で原因に近づきます。
まずはお客様の流れ(出会いから購入まで)に沿って数字を見ていき、どこでお客様が離れているかを見つけましょう。
お客様が離れる主なポイント(表示から購入まで)
「出会い→興味→検討→購入」の流れを順に追い、どの段階でお客様が離れているかを見つけます。見るべき数字はシンプルに絞るのがコツです。
| 数字(指標) | 意味 | 低い場合の改善ポイント |
|---|---|---|
| 表示回数 | 検索や広告でお客様の目に触れているか(入口) | キーワード、広告設定、在庫状況の確認 |
| クリック率(CTR) | 一覧から選んでもらえる割合 | メイン画像、タイトルの魅力(特にスマホでの見え方) |
| セッション数(訪問回数) | 実際に詳細ページが見られた回数 | クリック率との差が大きければ、測定ズレや他の原因を確認 |
| カート追加率 | 「買おうかな」と思ってもらえたかの指標 | 価格、色の選びやすさ、配送条件、サイズ違いなどの見せ方 |
| 購入率(ユニットセッション率) | 最終的に買ってくれた割合 | レビュー対応、説明文での不安解消、返品条件、お店の信頼性 |
これらの数字は、商品のジャンル(カテゴリ)や特徴によって大きく異なります。まずは自社の過去データや、主なライバル店と比べてみましょう。どの段階の数字が目立って落ちているかを見つけ、「クリック率が低いなら『見た目の改善』」、「カート追加が低いなら『中身の説明(説得力)の強化』」といった具合に対策を立てます。
データを見る場所と順番(目標達成までの流れ)
データは管理画面のあちこちに分かれています。見る場所と順番を決めておくと迷いません。以下のようにお客様の流れの上流から順に確認します。
- 広告の数字: 広告管理画面で、表示回数・クリック数・クリック率・広告経由の注文を確認。広告の主な役割は「人を連れてくること」です。
- 商品ページの数字: 管理画面(セラーセントラル)内の売上レポートなどで、訪問回数(セッション)、購入率、売上を確認。ここでは「来てくれた人の行動」を分析します。
- 検索キーワードや比較情報: ブランド登録(Brand Registry)をしている場合は、ブランド分析機能(Brand Analytics)や広告の検索キーワードレポートも活用しましょう。(※使える機能はアカウント状況やAmazonの方針で変わる可能性があります)
- ストア(お店ページ)の動き: ストア分析で、どこから来たかやページ移動の様子を確認すると、ストア内でお客様がどこで迷っているかがわかります。
見る順番は「お客様の流れ(上流から下流へ)」。表示→クリック→訪問→カート追加→購入の流れで数字が急に落ち込む場所があれば、まずそこを直します。これが目標達成のための基本的な数字の見方です。
「広告から来た人」と「ストアに来た人」の違いの確認方法
広告から来た人と、検索などで自然に来た人やストア(お店ページ)から来た人では、行動が異なります。分けて見ることが重要です。
- 広告管理画面で、広告経由のクリック数と注文数を把握します。(※比べる際は、必ず同じ期間にそろえましょう)
- ストア分析では、どこから来たか(参照元)別の訪問数、平均滞在時間、離脱したページを見て、ストア内の道筋(導線)の弱点を探します。
- 管理画面のレポートで、全体の訪問回数(セッション)と購入率の変化を確認し、広告の増減が全体の数字にどう影響しているかを照らし合わせます。
※広告の種類や仕組みは随時新しくなります。最新の設定やレポートの見方は、広告管理画面のヘルプや公式のお知らせを確認してください。
作業のポイントは、広告は「どんな人を連れてきたか」、ストア分析は「お店の中でどう動いたか」を分けて見ることです。そうすれば、無駄な広告費や、お客様の取りこぼしがはっきりします。特に、広告のクリック率は良いのに購入率が低い場合、商品ページかストア内の道筋の説得力が足りないことが原因である場合が多いです。
なぜ購入(コンバージョン)が落ちるのか原因分析

商品ページ(コンテンツ)のよくある問題点と優先度
商品ページの内容(写真や文章)は、お客様が買うかどうかを判断するのに直接影響します。よくある問題と改善の優先度は以下の通りです。まずは影響が大きい箇所から手をつけましょう。
1. メイン画像の魅力不足: 特にスマホでの見やすさ、商品の特徴がひと目で伝わる力が重要
2. タイトルの付け方が弱い: 冒頭に重要なキーワードと価値(メリット)を入れ、ざっと見しやすい構成に
3. 箇条書き(説明文)の説得力: お客様にとっての良いこと(ベネフィット)のアピールが足りない
4. A+コンテンツの活用不足: 買うときの不安を取り除くための詳しい説明が足りない
5. 価格・在庫・配送の表示: ライバル店と比べて不利な条件や、わかりにくさがある
まずは影響が大きく手間がかからない改善(メイン画像、スマホで見たときのタイトル冒頭、重要な情報を最初の画面に配置すること)から手をつけます。そして、変更ごとにクリック率や訪問回数の変化を1〜2週間単位でチェックして、効果を確認するのが効率的です。
お客様の道筋(導線)とストア設計の落とし穴
ブランドストア(お店ページ)の主な問題点は次の通りです。ストアのトップ(一番目立つ場所)のメッセージや画像が弱く、主張がはっきりしないこと。カテゴリ分けがお店側の都合になっていて、お客様が迷う原因になっていること。スマホでの見やすさやタップのしやすさなどスマホ対応(最適化)が足りないこと。そして、次の行動を促す案内が途中で途切れる「行き止まり」があることです。
スマホでの見やすさを最優先する考え方で道筋を整理し、最初の画面に何を見せるかを一番に考えましょう。
信頼性、露出、計測、人手不足など、複数の要因
購入率が下がる複数の要因として、まず信頼性では、レビューへの返信の遅れや質問への回答不足が挙げられます。定期的な確認と素早い対応、よくある質問(FAQ)を充実させることが有効です。
次に露出(お客様の目に触れる機会)は、検索キーワードの漏れや広告予算の配分ミスが原因になりやすく、検索キーワードの分析やライバル店のチェックで改善します。
計測では、データの見方や分析方法がバラバラだと問題になるため、見る数字(KPI)を決め、期間をそろえて比べるルールを作ります。
最後に人手や予算(リソース)の配分ミスは、優先順位の間違いにつながるため、手間や時間に対する効果(工数対効果)で、やるべき対策を選びましょう。これらは互いに影響し合うため、根本的な原因を見つけることが最優先です。
優先順位の付け方と進め方

「効果の大きさ」と「かかる手間」で決める優先付けルール
限られた人手や予算を最大限に活かすには、「効果の大きさ(インパクト)」と「かかる手間(工数)」のバランスで、やることを選びます。
1. 効果:大 × 手間:小 → 最優先(メイン画像・タイトルの改善、価格調整など)
2. 効果:大 × 手間:大 → 計画的に(A+コンテンツの全面見直しなど)
3. 効果:小 × 手間:小 → 時間があれば実施
4. 効果:小 × 手間:大 → 後回し、またはやらない
「まず何をするか」を決めてすぐに実行するのが成果への近道です。
「数字」と「お客様の声」を組み合わせた予測(仮説)の立て方
効果的な改善には、数字のデータ(訪問回数、クリック率、購入率など)と、言葉のデータ(レビューや質問、問い合わせ内容)、さらにライバル店の分析を組み合わせた予測(仮説)立てが重要です。例えば「クリック率は良いがカート追加が少ない」という数字に対し、レビューで「サイズ感がわからない」という声が多ければ、「商品説明にサイズ比較画像を追加する」といった具体的な対策が見えてきます。
テストが難しい中での工夫と、数字(KPI)の管理
Amazon内での比較テスト(A/Bテスト)には制約がありますが、コンテンツ実験機能(利用可能な場合)の活用、前週・前月など期間での比較、同じカテゴリ内の似た商品との比較、変更前後の短期間での数字の変化を分析する、といった方法で、似たような効果検証が可能です。
テストを計画する際は、試す条件(変更点)を1つに絞り、十分なデータ量を集めます。また、季節やライバルの動きなど、他の影響も考えつつ、クリック率や購入率の「ここまでいけば成功」という基準を事前に決めておきましょう。
商品ページとストア、広告の優先改善

商品ページで今日から試せる改善リスト(タイトル、画像、A+、価格、レビュー対応)
1. メイン画像の強化: 商品の特長がひと目でわかる角度や構図にし、背景との色の差(コントラスト)をはっきりさせて見やすくし、スマホでの見え方を最優先に確認します。
2. タイトルの最適化: 冒頭30文字程度に一番大事なキーワードと価値(メリット)を置き、検索されやすさと読みやすさのバランスを取り、不要な記号や言葉の重複は削除します。
3. 箇条書き(説明文)の改善: お客様にとっての良いこと(ベネフィット)を先に書き、専門用語より「解決できる問題」を伝えます。信頼性を高める具体的な数値や比較も必要に応じて加えます。
4. A+コンテンツのポイントを絞る: お客様が買う決断をするのに役立つ情報を上の方に置き、画像や文章を分かりやすく整理し、スマホで見たときの情報の流れを優先して設計します。
5. レビュー対応と活用: 良くないレビュー(ネガティブ)には丁寧に返信し、よくある質問はA+に反映させ、好評な点は商品説明にも盛り込みます。変更ごとに効果測定を行い、何が効いたのかを明確にしましょう。
ブランドストアとお客様の道筋(導線)の設計改善ポイント
ストアのトップ(一番目立つ場所)では、ブランドの一番の価値をシンプルに伝え、行動を促す明確なボタンや案内を置き、季節や主力商品に合わせて定期的に更新します。
カテゴリ構成は、使い方・価格帯・シリーズなどお客様の視点で整理し、主なカテゴリを3〜5個に絞ったうえで、次の行動に進みやすい道筋を設計します。
スマホでの見やすさを最優先し、スクロールなしで見える範囲に重要な情報を集め、タップしやすいサイズと余白を確保し、必要に応じて横スクロールも活用します。ストアは「ブランドの価値を伝えること」と「商品の探しやすさ」のバランスが重要で、情報を詰め込みすぎないのがポイントです。
広告と自然検索(オーガニック)の連携、広告の作成とテスト方法
広告と自然検索(広告ではない通常の検索)は、お互いに活かします。広告で成果が高いキーワードは商品ページの説明文にも反映し、自然検索で上位表示されるワードは広告でも活用します。広告の画像や文章(クリエイティブ)は、ブランドのイメージを統一しつつ、広告ならではの「違い」を明確にします。テストは、広告の画像や文章を複数パターンで比較したり、変更の前後で比較したり、似た商品間で表現を変えて試したりすることで代用できます。さらに、広告データとストア・商品ページのデータを合わせて分析し、時間帯別・デバイス(PCかスマホか)別の差を把握して、「誰に」「何を」伝えるかを明確にしましょう。
まとめ
Amazonは全部を完璧にしなくても、効果が出やすいところを優先すれば成果は出ます。この記事では、クリック率や購入率など「お客様が離れる場所」の見つけ方、商品ページ(タイトル・画像・A+・価格・レビュー)の改善、ブランドストアの道筋やスマホ対応、広告と自然検索の連携、予測(仮説)の立て方と簡単なテストの進め方をやさしく解説しました。まずは影響が大きく手間がかからない改善策を選び、今日から一歩を踏出してみましょう。データとお客様の声を組み合わせて小さな予測を立て、測って改善を繰り返せば効果は積み上がります。小さな改善を積み重ねて、売上につなげていきましょう。
<ご注意>本記事の内容は、執筆時点の情報に基づいています。Amazonの仕様・ガイドライン・ルール等は予告なく変更される場合があります。最新の情報は、必ず公式サイトやAmazonセラーセントラル等をご確認ください。
