Amazonの「スポンサーブランド動画広告」と「TikTokショート動画」。
どちらも売上アップに不可欠ですが、「それぞれ別の会社に発注してコストが2倍になった」「TikTok動画をAmazonに流用したら規約違反で審査落ちした」という失敗談が多いです。
実は、この2つのプラットフォームは「動画の作り方」が全く異なりますが、「素材(撮影データ)」は共有できます。
賢いセラーは、ここを理解して外注コストを半分に抑えながら、両方のメディアで成果を出しています。
この記事では、「AmazonとTikTok、両方で勝てる動画を効率よく外注するための発注・ディレクション術」を解説します。
制作会社に何をどう伝えれば「1回の撮影で両方のメディアに使える動画」が納品されるのか、その具体的な依頼方法を見ていきましょう。
AmazonとTikTok、求められる「正解」の違い

外注する前に、まず発注者自身が「2つのプラットフォームの違い」を理解していないと、的外れな動画が納品されてしまいます。
決定的な違いは「音」と「最初の1秒」です。
Amazon動画広告(SBV)の鉄則
Amazonユーザーは「買い物をしに来ている」ため、情緒的な演出よりも「機能とメリット」を求めます。
- 無音前提:検索結果ではデフォルトで消音再生されます。「音がないと伝わらない動画」はNGです。
- 商品ファースト:冒頭1秒で「何の商品か」を見せないとスクロールされます。
- 規約厳守:「No.1」「最高」などの根拠のない表現は即審査落ちします。
TikTok動画(Ads / Organic)の鉄則
TikTokユーザーは、広告臭を嫌い「エンタメ性」を求めます。
- 音アリ前提:BGMやナレーションが必須。「音ハメ」などのトレンド要素が重要です。
- 人間味(UGC感):プロっぽすぎる映像より、スマホで撮ったような「素人感」の方が反応が良い傾向にあります。
- 冒頭のフック:「これ知ってる?」など、興味を引く問いかけから入るのが定石です。
コストを抑えて「二刀流」を作る外注指示のコツ

AmazonとTikTok、別々に発注すると費用がかさみます。
1回の撮影で両方の素材を確保するための、具体的な外注指示テクニックを紹介します。
「9:16(縦長)」で撮り、「中央配置」にする
撮影は必ずスマホサイズの縦長(9:16)で行ってもらってください。
ただし、重要な被写体(商品や演者)は「画面の中央(正方形エリア)」に収まるように指示します。
こうすることで、以下のようにトリミングして使い回せます。
- TikTok:そのまま全画面で使用。
- Amazon(スマホ版):正方形(1:1)や縦長(9:16)で使用。
- Amazon(PC版広告):上下をカットして横長(16:9)で使用。
「テロップなし(完パケ前)データ」をもらう
これが最も重要です。
TikTok用に「派手なテロップ」を入れた動画は、Amazonでは規約違反や雰囲気の不一致で使えません。
納品物には必ず「文字やエフェクトが入っていない素の動画データ(白完パケ)」を含めてもらいましょう。
これがあれば、Amazon用には「静止画のような落ち着いた字幕」を乗せるだけで、安価に広告動画が完成します。
3. 「UGC風」の構成を依頼する
現在、Amazon広告でも「作り込んだCM」より「実際に使ってみたレビュー動画(UGC風)」の方がクリック率が高い傾向にあります。
これはTikTokのトレンドとも合致します。
外注先には、スタジオ撮影だけでなく「生活空間での使用シーン」を多めに撮影するよう依頼しましょう。
同じ映像でも「言葉」でここまで変わる

「素材は同じ」でも、乗せるテキストやナレーションを変えるだけで、それぞれのプラットフォームに最適化できます。
例えば「毛玉取り機」を販売する場合の具体例を見てみましょう。
TikTok用の編集(感情と共感)
- ナレーション(音あり):「捨てようと思ってたお気に入りのニット、復活させてみた!見てこの取れ高、ヤバくない?w #ライフハック」
- テロップ:「衝撃のビフォーアフター」「これマジで神」など、感情を揺さぶる言葉を大きく配置。
Amazon用の編集(機能と信頼)
- ナレーション:なし(または落ち着いたBGM)。
- テロップ(音なし):「【強力6枚刃】なでるだけで新品級の仕上がり」「USB充電式でコードレス」「替刃2個付き」など、スペックとメリットを淡々と表示。
このように、映像(ビジュアル)は共通で、訴求(コピー)だけを変えるのが、最もコストパフォーマンスの良い制作手法です。
失敗しない外注先の選び方

「動画制作会社」ならどこでも良いわけではありません。
AmazonとTikTok、両方の特性を理解しているパートナーを選ぶ基準は以下の通りです。
「Amazonの広告規約」を知っているか?
TikTokに強いクリエイターは、Amazonの厳しい規約(薬機法や優良誤認表示など)を知らずに、過激な表現をしがちです。
「Amazonスポンサーブランド動画広告の審査に通った実績はありますか?」と必ず質問し、過去の制作事例(ポートフォリオ)にAmazon広告が含まれているかを確認してください。
意外な落とし穴:テロップの「セーフゾーン」問題
両方の媒体で同じ動画を使う際、最もトラブルになりやすいのが「テロップや字幕がボタンと被って読めない」という問題です。
- TikTok:画面右側に「いいね・コメント」アイコン、下部に「キャプション」があるため、右端と下端はNGエリアです。
- Amazon:動画内に「ミュート解除ボタン(右下)」や「スポンサー表記(左上)」が入るため、四隅は避ける必要があります。
外注先には事前に「テロップは画面中央付近に配置し、四隅や下部は空けてください」というセーフゾーンの指示を徹底しましょう。
「二次利用」の権利関係はクリアか?
モデル(演者)を起用する場合、契約によっては「TikTokでの使用はOKだが、Amazon広告はNG(または追加料金)」等となるケースがあります。
見積もりの段階で「AmazonとTikTok、両方の広告およびオーガニック投稿で使用する」ことを明記し、期間無制限の買取契約ができるか確認しましょう。
まとめ
AmazonとTikTokの動画制作は、「素材は共有、編集は別」が鉄則です。
効率よく外注するためのポイントをまとめます。
- 撮影の工夫:「縦長・中央配置」で撮り、トリミングで両対応させる。
- 納品物:必ず「テロップなし素材」をもらい、プラットフォームごとに字幕を変える。
- 業者選定:「Amazonの規約」と「TikTokのトレンド」両方を理解している先を選ぶ。
このディレクションさえできれば、1つの動画資産で「Amazonでの売上獲得」と「TikTokでの認知拡大」の両方を実現できます。
<ご注意>本記事の内容は、執筆時点の情報に基づいています。Amazonの仕様・ガイドライン・ルール等は予告なく変更される場合があります。最新の情報は、必ず公式サイトやAmazonセラーセントラル等をご確認ください。
