限られた広告予算で「出している費用に比べて成果が出ない」「何から手をつければいいかわからない」と悩んでいませんか。
ROASを上げるには、広告の出し方や訴求、配信先、ランディングページなどいくつかの小さな改善を積み重ねることが大切です。
この記事では、小規模事業者でも無理なく取り組める優先順位と実務手順を、やさしい言葉で順を追って解説します。
予算を大きく増やさなくても、着実にROASを改善していきましょう。
結論:まず「止める・直す・試す」から
まず「止める(効果ゼロの停止)→改善(LP等の修正)→試す(小規模テスト)」の順でムダを塞ぎ、利益で判断できる状態を整えます。
新規獲得に出せる上限は将来の利益から逆算し、小さく試して良かった表現を残す。
これを週1の同じ型で振り返れば、予算を増やさずにROASは底上げできます。
問題の特定と優先順位の決め方

広告の現状を具体的に洗い出す
ROASが伸びない理由は、入口の見せ方、対象のずれ、ページでの迷いなど複数が重なりがちです。
まずは「どの入口で費用がかかり、どのページで落ちているか」を短く言語化します。
入口別の費用・クリック・購入の3点を並べて、どこがボトルネックかを一言で決めるだけで、次にやることが見えてきます。
たとえば「クリックが弱い」なら第一印象の改善、「クリックはあるのに購入が少ない」ならLPの読みやすさと安心感の強化が優先です。
停止と見直しの基準を先に決める
感情ではなくルールで動けるように、あらかじめ停止ラインと見直しラインを数値で決めておくと迷いません。
例として「一定額を超えても売上ゼロは停止」「通常の半分以下のクリック率は差し替え」など、単純で再現性のある基準が効果的です。
粗利を意識し、赤字幅が広がる配信は早めに止め、テストに回します。
小規模チームの優先順位づけ
手数が限られるときは、以下の4段階で整理して進めます。
- 止める:成果ゼロや基準未達の配信
- 早く直す:クリックはあるが購入率が低いページや訴求
- 小さく試す:新しい画像・見出し・オファー
- 保留:影響が小さく手間が大きいもの
変更理由と結果を一行メモし、週次で同じ型で振り返ると、継続が楽になります。
計測とデータ基盤の整備

クリックから購入までをひとつながりにする
正しく測れなければ正しく直せません。
広告タグは主要ページ(商品、カート、購入完了)に統一ルールで設置し、購入完了で「注文ID」と「金額」を必ず渡すことで二重カウントを防ぎます。
ブラウザの変化に合わせ、必要に応じてサーバー側からのイベント送信(CAPIなど)も検討しましょう。
動的な追いかけ配信は、迷っている方の背中を押すのに有効です。
収益の定義をそろえる
議論の土台がずれると意思決定が遅れます。
売上は「税込・税抜」「送料・手数料・クーポンを含むか」「返品をいつ差し引くか」を事前に統一しましょう。
評価は可能な限り粗利ベースで行い、原価・送料・決済手数料・ポイントなど避けられないコストを引いた金額で比較します。
割引や返品が多い商材ほど、粗利での判断がブレを減らします。
週次の可視化と点検
高機能なダッシュボードがなくても、以下の3点を入口別に並べれば十分回せます。
- 広告費
- 売上(粗利)
- 新規購入者数
加えて平均注文額、クリック率、購入率を簡易に追い、「一定額超えで売上ゼロは通知」「購入率が平常から大きく下がったら見直し」などの目安を設けましょう。
媒体ごとの自動最適化(GoogleのP-MAXやMetaのAdvantage+など)が増えているため、最新の公式仕様は定期的に確認するのが安全です。
LTVとCACを使った投資ルールの作り方

LTVを粗利ベースで見積もる
LTVは「平均購入額×購入回数(期間)×粗利率」でシンプルに算出できます。
送料や特典、サポート対応など必ずかかる費用を差し引くと、より現実に近づきます。
例として平均8,000円・年2回・粗利40%なら、1年の利益LTVはおよそ6,400円が目安です(実数は自社で確認)。
まずは直近の実績から、過度に楽観しない数字で置くのがコツです。
許容CACの決め方と伸縮ルール
CACの上限は、利益LTVから逆算します。
たとえば「許容CACは利益LTVの50%まで」のように率で決め、残りを会社の利益と固定費に回します。
実績の獲得コストが上限より十分低く新規が増えているなら、配信を少しずつ広げる。
上限を超える状態が続くなら、対象や訴求を絞る、単価を下げる、LPを先に整える。
判断は十分な件数がたまってからにし、小さな偶然に振り回されないようにします。
入口ごとのLTVとCACを紐づける
初回購入時に「どの入口から来たか」を記録し、その後の買い足しも同じ入口に紐づけて集計します。
きっかけ作りが得意な入口と、最後の後押しが得意な入口は役割が違うため、一律には比べません。
反応の悪い検索語や配信先は除外し、よい入口に集中させましょう。
これにより、ROASだけでなく、新規増と利益の両立が判断しやすくなります。
クリエイティブ検証と実行フロー

仮説の立て方とテスト設計
「なぜ効くはずか」を一言で書き、変えるのは一つに絞るのが基本です。
優先は「画像(第一印象)→見出し(約束)→冒頭文(価値の理由)→ボタン周り(行動の後押し)」です。
人物や使用シーン、購入後の変化が伝わる素材はクリックを押し上げやすく、短いお客さまの一言は迷いを解く助けになります。
短尺動画は業種によってはクリック率を大きく伸ばす例もあるため、小規模で試し効果があれば残します。
探索と検証の配分
はじめは探索寄りにして、配信面や対象を広めにし、タネを見つけます。
手応えのある案が出たら検証に切り替え、条件をそろえて公平に比較し、勝ち筋を見極めます。
勝ちパターンが見えたら量を伸ばし、古くなった素材は入れ替えます。
自動最適化は学習に時間が必要なため、急な変更は避け、1~2週間単位で小さく進めると安定します。
判断指標のそろえ方
早い段階ではクリック率で明らかな弱者を外し、本命の判断はROAS、1件あたりの獲得コスト、購入率で行います。
指名検索の増加や直帰の低下、保存・いいねなどは補助指標として扱い、「利益が増えるか」「同じ利益で新規が増えるか」を物差しにすると、ぶれずに決められます。
迷うときは粗利ベースで見直しましょう。
まとめ
まずは費用対効果が合わない配信を止め、クリック→購入のどこで落ちているかを一言で特定します。
次に、LPの冒頭で結論と特長を出し、送料や返品の安心を明記し、ボタンを目立たせます。
入口別に広告費・売上(粗利)・新規購入者数を並べ、週1で同じ型のふりかえりを行いましょう。
計測のつながりと収益定義を整え、探索と検証を分けて回せば、予算を増やさずともROASは底上げできます。
今日、一つ手を動かして、次の一手につなげましょう。
<注意>本記事の内容は、執筆時点の情報に基づいています。各広告プラットフォームの仕様・ガイドライン・ルール等は予告なく変更される場合があります。最新の情報は、必ず各広告プラットフォームの公式サイトやヘルプページ等をご確認ください。
