はじめて楽天市場への出店申請を進めるにあたり、「審査で何度も差し戻される」「どこから整えればよいのか見えない」と感じる方は少なくありません。
楽天の審査は細かなチェックが多く、書類のわずかなズレでもやり直しになることがあります。だからこそ、最初に押さえるべき順番を決め、申請情報と証明書の完全一致を徹底することが合格への近道です。
本記事では、初心者がつまずきやすい落とし穴と回避策をわかりやすく整理し、短期間で通過するための実務的な手順を提示します。ムダな往復を減らし、スムーズに出店準備を終えましょう。
絶対に外せない! 出店前の3大準備

審査を効率よく進めるには、「基本情報」「特商法表記」「許認可」の三つを最優先で整えます。ここが揃っていないと、他を修正しても差し戻しが続きます。
特に申請情報・登記・証明書の「三点一致」が最重要です。丁目・番・号、ビル名、旧字体、全角半角まで統一し、読み手が迷わない記載にします。
① 書類を完璧に揃える(三点一致)
基本の書類は、最新性と記載の正確さが鍵です。まず登記簿謄本(履歴事項全部証明書)は直近3ヶ月以内のものを取得し、会社名・所在地・代表者・設立日が完全一致するか確認します。次に代表者の本人確認書類で氏名・住所・生年月日の一致を確認しますが、住所変更直後は旧住所が混在していないか特に注意が必要です。営業許可書が必要な業種の場合は、許可番号・期限・業種・所在地が、これから申請する内容と合っているか確認します。
迷ったら、紙の書類と入力画面を並べて、一文字ずつ指差し確認するのが効果的です。小さな差異が早期に見つかります。
② 特商法の表記を整える
特定商取引法に基づく表記は、略称や肩書のみの記載は避け、正式名称で統一します。
| 必須項目 | 記載のポイント |
|---|---|
| 事業者名 | 正式名称で表記((株)などの略は不可) |
| 代表者/販売責任者 | 実在する個人名をフルネームで |
| 住所 | 番地・建物名・部屋番号まで正確に |
| 連絡先 | 電話とメールを併記、受付時間も明示 |
申請書類・店舗ページ・自社サイトの記載は必ず同一にしてください。旧住所のままだったり、略記を使っていたりすると差し戻しの原因になります。
③ 許認可が必要な商品を確認する
取り扱い商材に応じて必要な許認可を準備します。食品・飲料なら営業許可や表示の適合確認、酒類なら販売免許や年齢確認の運用が必要です。医薬品・化粧品は各届出や表現ルールの順守、中古品なら古物商許可と標識の掲示が求められます。対象外と判断した場合も、その根拠を手元に残しておくと、問い合わせがあった時に素早く対応できます。
【重要】PSマーク対象製品(海外輸入)の新規制
2025年12月25日から、PSマーク対象製品(家電、モバイルバッテリーなど)を海外から輸入販売する事業者には追加手続きが求められます。
楽天ではこれらが「審査商材」として扱われ、国内管理人の選任と経済産業省への届出が確認できない場合、販売はできません。国内管理人の委任状や契約書、経済産業省の届出控え、適合証明書などを事前に揃え、提出指示に応じて速やかにアップロードできるように準備しておきましょう。
申請手続きの流れとコツ

全体は事前突き合わせ → フォーム入力 → 提出前チェックの順が基本です。段階ごとにズレの芽を摘みましょう。
事前チェックと入力時の注意点
申請前には、登記簿の会社名や所在地、許認可の番号や期限、特商法表記の必須項目、連絡先の有効性などを突き合わせます。入力時は、販売形態を実態どおりに選択し、取扱商材は申告範囲内に限定します。また、禁止・制限品が混在していないか再確認し、株式会社/(株)などの表記揺れをなくすことも重要です。下書きを作り、部署横断での読み合わせ(ダブルチェック)を行うと、見落としが減ります。
書類アップロードのコツ
提出する書類の画像は、解像度300dpi程度で、傾きや影を補正して見やすくします。PDF推奨など指定の形式・容量を厳守し、文字が潰れないよう圧縮にも気を配りましょう。全ページの欠落・重複がないか確認することも忘れずに。審査側が「探さず読める」状態を作ることが、差し戻しの回避に直結します。
審査中の対応と合格後の動き

審査中は、連絡の見逃し防止とスピード感が成果を左右します。結論先出し+根拠添付を徹底し、往復回数を減らしましょう。
問い合わせへの対応と修正手順
窓口を一本化し、代理担当者も事前に決めておきます。返信目安は当日〜翌営業日とし、要点を簡潔に伝えます。メール件名に「結論/要求事項/期限」を明示するとスムーズです。
修正が必要な場合は、指摘内容を要約し、ガイドラインを確認した上で、表記統一や画像差替えなどを具体化します。修正点の一覧と根拠を添えて再提出しましょう。
合格後の初動チェック
審査に合格したら、公開前に最終確認を行います。商品ページの名称・価格・在庫・説明の整合性や、特商法表記・返品規定の掲示場所、決済・配送の設定、問い合わせ対応の準備などをチェックします。公開前に第三者の確認を入れると、誤記と見落としのリスクが大きく下がります。
まとめ
楽天の出店審査は、会社情報の一致・特商法表記の正確さ・許認可の整備・情報の見やすさが合否を分けます。
この記事で示した順序で整えれば、差し戻しは確実に減ります。まずは「三点一致(申請情報・登記・証明書)」を徹底し、特商法表記と許認可の整合を確認しましょう。審査中は結論先出しで迅速に回答し、指摘は落ち着いて根拠とともに修正して再提出します。
PSマーク対象製品を扱う方は、国内管理人の選任などの追加手続きを早めに進めることが重要です。小さなズレを減らせば、合格は確実に近づきます。今日から、登記簿・許認可・特商法表記の見直しに着手しましょう。
<ご注意>本記事は執筆時点の情報に基づいています。仕様やルールは変更される場合があります。最新情報は必ず楽天市場の公式ガイドラインおよび公表情報をご確認ください。
