楽天市場への出店を決めたものの、「手続きが複雑そうで何から手をつければいいか分からない」「審査に落ちたらどうしよう」と不安を感じていませんか?
確かに、楽天の出店審査は他のモールに比べて厳格です。しかし、それは「信頼できる店舗だけを集める」ためのハードルであり、正しい手順を踏めば誰でも乗り越えられます。
多くの人がつまづくのは、「情報の不一致」や「書類の不備」といった単純なミスです。
この記事では、審査を最短で突破し、スムーズに店舗運営を開始するための手順を解説します。
「書類準備」→「申請入力」→「RMS(店舗運営システム)の初期設定」という黄金ルートに沿って、現場で使えるチェックリストと共に進めていきましょう。
申請前にこれだけは揃えよう

審査で最も重要なのは、「提出する情報の完全な一致(整合性)」です。
楽天の審査担当者は、あなたが入力した情報と、提出された公的書類を「一言一句」照らし合わせて確認します。ここで少しでもズレがあると、即座に「差し戻し」となり、開店までのスケジュールが数週間単位で遅れてしまいます。
まずは、以下の3つの要素を完璧に揃えるところから始めましょう。
① 書類を完璧に揃える(三点一致の原則)
基本の書類は、登記簿謄本(履歴事項全部証明書)、代表者の本人確認書類、営業許可証(必要な場合)の3点です。これらを机の上に並べ、記載内容が完全に一致しているかを確認してください。
法人の場合、登記簿は発行から3ヶ月以内のものを用意します。代表者の本人確認書類(運転免許証など)は、現住所が記載されているか、有効期限内かをチェックします。食品や酒類、中古品などを扱う場合は、営業許可証も必要です。
【ここが落とし穴!】
「登記簿の住所はビル名が入っているのに、免許証の住所には入っていない」「代表者の氏名の漢字が、登記簿は旧字体(髙など)で、免許証は新字体(高など)」といった些細な違いでも、システム上は「不一致」とみなされます。迷った場合は、「登記簿」の表記を正として、他の書類や入力情報を合わせるのが基本です。
② 銀行口座の準備
売上金が入金される口座情報も審査対象です。法人は法人名義、個人事業主は本人名義の口座が必須です。
法人の場合、「カ)〇〇」のような法人名義の口座を用意してください。代表者個人名義の口座は使えません。個人事業主の場合は、申請者本人の名義である必要があります。屋号付き口座(ヤマダショウテン ヤマダタロウ)も可能ですが、その場合は屋号が確認できる書類(開業届など)の提出を求められることがあります。
③ 商品情報の整理
審査段階で、「具体的にどんな商品を売るのか」を申告する必要があります。審査用の商品データを事前に整理しておきましょう。
商品画像は、スマホで撮影したもので構いませんが、白背景で商品が鮮明に写っているものを用意します。ブランドロゴや文字が入っていない、シンプルな画像が推奨されます。商品説明には、「誰に」「どんな用途で」「どんな価値を提供するのか」を具体的に書きます。「最高品質」「世界一」といった、根拠のない最上級表現は審査でNGになる可能性が高いため避けましょう。
申請入力と審査対応

書類が揃ったら、いよいよWebからの申請入力です。ここでの入力ミスが、後々の修正地獄を招きます。慎重に進めましょう。
申請フォーム入力のコツ
申請フォームには、会社概要や担当者情報、取扱商品などを入力します。ここで重要なのは表記の統一を徹底することです。「株式会社」を「(株)」と略したり、番地を「1-1」と「1丁目1番地」で使い分けたりしないでください。手元の登記簿を見ながら、一言一句同じに入力します。
また、商材ジャンルの選択も重要です。取り扱う商品ジャンルを正しく選択します。ここで間違ったジャンル(例えば、許可が必要な「医薬品」など)を選んでしまうと、不要な書類提出を求められて審査が止まってしまいます。
審査中の対応(追加書類の提出)
申請後、楽天から「追加書類の提出」や「情報の修正」を求められることがあります。これは「不合格」ではなく、「確認」のプロセスです。焦らずに対応しましょう。
【審査を早く通すポイント】
楽天からのメールは毎日チェックし、即レスを心がけます。修正を求められたら、指摘された箇所だけでなく、関連する箇所も直しましょう。提出する書類画像は、影が入ったり文字がボケたりしないよう、明るい場所で真上から撮影する(スキャンがベストです)ことで、スムーズな審査につながります。
RMS(店舗運営システム)の初期設定

無事に審査を通過すると、店舗運営システム「RMS(Rakuten Merchant Server)」のアカウントが発行されます。ここからが本当の店舗作りです。
RMSの設定項目は膨大ですが、開店審査を通すために必要なのは以下の4つです。
① 店舗基本情報の設定
店舗名、会社概要、お問い合わせ先などを設定します。店舗名は、お客様が覚えやすく、検索しやすいものにしましょう。「株式会社〇〇 楽天市場店」のような堅苦しい名前より、「〇〇(取扱商品)の専門店 △△」のような親しみやすい名前がおすすめです。
② 配送設定(送料設定)
ここが一番の難関です。送料の設定を間違えると、赤字になったり、お客様からクレームが来たりします。利用する配送業者(ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便など)を選択し、都道府県別や全国一律などの送料区分を設定します。出荷リードタイム(注文から何日以内に発送するか)も、無理のない範囲(例:2営業日以内)で設定しましょう。
③ 決済設定
クレジットカード、銀行振込、Apple Pay、セブンイレブン(前払)など、利用可能な決済方法を選択します。現在は「楽天ペイ」により、多くの決済手段が一括で導入されるため、設定自体は簡単になっています。
④ 特定商取引法に基づく表記
ネットショップ運営において法律で義務付けられている表示です。特に「返品特約(返品ルール)」は、トラブル防止のために明確に記載しましょう。
お客様都合の返品は受け付けるか(受け付けるなら条件は?)、返品時の送料は誰が負担するか、返金の方法はどうするか、といった点を明確にします。これらを曖昧にしておくと、後で必ず揉めます。「未開封に限り、到着後7日以内なら返品可(送料はお客様負担)」のように具体的に書きましょう。
商品登録と開店審査

RMSの設定が終わったら、商品を登録し、いよいよ「開店審査」を申請します。
商品ページの必須要素
開店審査では、「商品ページが正しく作られているか(ガイドライン違反がないか)」がチェックされます。
| 項目 | チェックポイント |
|---|---|
| 商品名 | 「【送料無料】」などの販促文言を入れる場合は、ガイドラインで定められた記号(【】など)を使っているか。 |
| 商品画像 | 第1画像(サムネイル)は、商品単体の画像か。(文字入れや枠線はガイドラインで厳しく制限されています。基本は白背景推奨です) |
| 商品説明文 | PC用とスマホ用の両方に入力されているか。文字化けやリンク切れはないか。 |
| 在庫数 | 販売可能な在庫数が入力されているか。 |
スマホでの表示確認(プレビュー)
今の楽天市場のアクセスの7〜8割はスマートフォンからです。PCで作ったページをそのまま公開するのではなく、必ずスマホでどう見えるかを確認してください。文字が小さすぎて読めない、画像が縦に長すぎてスクロールが大変、「買い物かごに入れる」ボタンまでが遠い、といった問題がないかチェックしましょう。
テスト注文の実施
開店審査の一環として、実際に自分で自分の店の商品を注文する「テスト注文」を行います。これは単なる形式的なものではなく、お客様の購入体験をシミュレーションする重要な機会です。送料は正しく計算されているか、注文確認メール(サンクスメール)は適切なタイミングで届くか、メールの文面に誤字脱字はないかを確認し、違和感があれば設定を見直します。
開店後の動き

無事に開店審査を通過し、オープンしたら、最初の一歩を踏み出しましょう。
まずは「レビュー」を集める
開店直後の店舗にはレビューがありません。レビューがない商品は、お客様にとって購入のハードルが高いものです。購入してくれたお客様には、丁寧にサンクスメールを送り、同梱物に「レビューのお願い(※見返りの提供はNG)」を入れるなどして、地道にレビューを集めましょう。
RPP広告(検索連動型広告)の活用
開店当初は検索順位も低いため、自然検索からの流入は期待できません。少額(月1〜3万円程度)からで良いので、楽天内の検索連動型広告「RPP広告」を活用し、商品を露出させましょう。「まず見てもらう」ことが、売上の第一歩です。
まとめ
楽天市場への出店は、長い道のりのように感じるかもしれません。しかし、「書類の整合性」「正確な入力」「基本設定の徹底」という3つのポイントさえ押さえれば、迷うことなく最短ルートで開店までたどり着けます。
丁寧な準備が、審査を一発で通過させ、将来の安定した店舗運営の土台となります。
<ご注意>本記事の内容は執筆時点の情報に基づいています。楽天市場およびRMSの仕様・ガイドラインは頻繁に変更される場合があります。最新情報は必ず店舗運営Navi(公式マニュアル)でご確認ください。
