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楽天の梱包コスト削減!送料を抑える「資材選び」と「見直し手順」

楽天を中心に運営する皆さん、梱包にかかるコストや配送品質の維持が負担になっていませんか?
昨今、楽天市場では「最強配送」ラベルの導入など、配送スピードと品質が売上に直結するようになっています。つまり、梱包の見直しは単なる経費削減ではなく、「攻め」の施策でもあるのです。

本ガイドでは、初心者でも取り組みやすい基本のチェックポイントから、実際に効果が出やすい具体的な工夫までをやさしく整理してお伝えします。今日から始められるヒントをつかんで、3〜6か月で無理なく利益体質へ変えていきましょう。

現状の把握と問題の特定

まずは「どこでムダが出ているか」を見える化します。数字と現場の両輪で把握すると、次に打つ手の優先度が自然に揃います。

RMSの「データ分析(店舗カルテ)」「受注データCSV」を活用し、月間の注文件数、1件あたりの送料と梱包材費、売上上位SKUなどを抜き出して表にまとめます。

とくに注目したいのは、「売れているのに利益が薄いSKU」です。箱が大きすぎて空気ばかり運んでいないか? 緩衝材を巻きすぎていないか? これらが利益を圧迫しているケースが多々あります。現場側では、宛名間違いや同梱漏れなどのトラブル件数を1週間だけでも記録してみましょう。データ(RMS)と現場メモを照らし合わせることで、優先課題が一気に浮かび上がります。

原因分析と優先課題の見極め

よくある原因と見分け方

  • 箱が大きすぎる:60サイズで送れるものを80サイズで送っている。箱内に不要な隙間が多い。
  • 緩衝材が過剰:割れ物でないのに厳重すぎる、隙間埋めに高価な資材を使っている。
  • SKU過多による複雑化:担当者が毎回「どの箱を使おうか」と悩む時間がタイムロスになっている。
  • 作業手順が不明確:人によって梱包方法が違い、品質にバラつきがある。

コストインパクトで優先順位を決める

以下の式で効果の大きさを見積もります。

削減効果 =(現在の送料 − 改善後の送料)× 月間発送件数

たとえばサイズを一段下げられるSKUが月に多く出るなら、即効性が高い改善です。配送会社の契約にもよりますが、1サイズダウンで100円〜200円の差が出ることも珍しくありません。

見えにくいコストも無視できません。送料無料商品の箱が大きいほど利益が削られる作業時間の短縮は出荷リードタイム短縮(最強配送維持)に直結する、といった点も加味して優先度をつけましょう。「早く効くものから着手」が鉄則です。

優先SKUの選定と改善の進め方

売上上位SKUの抽出と評価

RMSから売上・件数ともに上位の20〜30点を抽出します。売上貢献が高い・サイズダウンの余地がある・作業標準化がしやすいの三拍子がそろうSKUから着手すると、効果と再現性のバランスがとれます。

箱の空洞率で候補を絞る

箱の空洞率(%) =(箱の体積 − 商品の体積)÷ 箱の体積 × 100

商材にもよりますが、上記を目安に40%〜50%を超えるSKUを優先候補に入れます。候補が出たら、ひと回り小さい箱のテスト、薄手の紙緩衝材への切り替え、小型配送(ゆうパケット等)の利用などを検討します。
※割れ物や精密機器は十分な緩衝が必要ですので、無理なサイズダウンによる破損リスクには十分ご注意ください。

高効果・低工数の順序例

  1. 上位SKUに最適な標準箱を1つ指定し、棚札と作業指示に明記
  2. 緩衝材は角や弱点だけ守る設計にし、軽量素材へ切り替え
  3. よく一緒に買われる組み合わせを特定し、同梱ルールと専用箱を固定
  4. 上位SKU限定で楽天スーパーロジスティクス(RSL)等を試験導入し、ラベル獲得を狙う

梱包設計の定着と資材・外部サービスの活用

標準箱リストと運用ルール

現場で迷わないよう、標準箱の対応表を写真付きの1枚にまとめ、棚の見やすい位置に掲示します。

箱サイズ区分 用途 該当SKU例
小(60サイズ以下) 単品・軽量商品 A商品、B商品
中(80サイズ程度) 中量商品・小型同梱 C商品+D商品
大(100サイズ程度) 大型商品・複数同梱 E商品、F商品+G商品

ルール変更時は即日で対応表を更新し、旧指定の箱は在庫切れで順次廃止します。「迷わない配置」と「1枚の指示」が現場の安定を生みます。

緩衝材の決め方と外注導入のコツ

緩衝材は「軽く・薄く」を基本に、商品の弱点だけを守る設計にします。

また、外注(RSL等)は段階導入が安全です。まずは上位SKUだけを対象に小ロットで試し、自社出荷とのコスト差や品質を確認しましょう。RSLを利用することで「最強配送」の基準(旧あす楽基準含む)を満たしやすくなり、結果として検索順位の上昇(=広告費の削減)に繋がるという副次効果も期待できます。

KPIは、1件あたりの梱包材費と送料、売上に対する送料比率などを月次で追います。「数字→小さく試す→数字」を回すサイクルが、無理のない定着を後押しします。

具体施策の小さな積み上げ例

たとえば、上位SKUの中に80サイズで出しているが隙間が多い商品があるとします。60サイズの標準箱を仮採用してテストし、紙緩衝材を角当て中心に再設計。3日間だけ試験運用し、破損ゼロとレビューの変化を確認できたら正式適用します。

次に、よく一緒に購入される定番セットを抽出し、同梱専用箱を用意。ピッキング順を固定して、資材置場からの歩数を減らします。この「箱の見直し→同梱最適化→在庫整備」の三段構えは、短期で効きやすい王道パターンです。

まとめ

梱包コスト削減の出発点はシンプルです。

売上データと現場の簡易チェックでムダの位置を特定し、効果が大きい課題から着手します。売れ筋SKUにしぼって箱サイズと緩衝材を見直し、標準箱リストと写真付きの運用ルールを作れば、作業は安定します。

データが少なくても、箱サイズの比率や送料負担の大きい商品を目視で追えば、改善候補は十分に見えてきます。まずは小さな一歩から。今日、このあと1SKUでテストを始めてみてください。

<ご注意>本記事の内容は執筆時点の情報に基づいています。楽天市場や配送各社の仕様・ガイドライン・ルールは予告なく変更される場合があります。最新の条件は必ず公式サイトやRMS、各社の案内でご確認ください。

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