楽天ポイント変倍をうまく使っているのに「定期の継続率が上がらない」「R-Mailを送っても反応が薄い」と感じていませんか。ポイント施策とメルマガ(R-Mail)は相性が良く、ちょっとした設計と運用の工夫で定期継続をグッと高められます。この記事では、負担にならないポイント設計の考え方、R-Mailで伝えるべき中身や頻度、日々のRMS運用で気をつけたいポイントまで、やさしく分かりやすく解説します。無理なく続けられる仕組みを一緒に作っていきましょう。
現状の確認と見るべきデータ

定期継続率向上の近道は「どこで顧客が止まっているか」をR-Karteや注文データで確認することです。平均値ではなく、初回直後・2回目直前・休眠前など状態別に見ることがポイントです。
定期の主要な症状の整理
定期通販でよく見られる症状とその背景を確認しましょう。
| 症状 | 現象 | 考えられる原因 |
|---|---|---|
| 初回で離脱が多い | 2回目に進みにくい | 初回の量・頻度が合わない、次回予告が不足 |
| R-Mail反応が薄い | 開封・クリックが伸びない | 件名・送信時刻の不適合、内容の魅力不足 |
| 解約が集中的に発生 | 特定時期に理由が偏る | 価格不満、商品サイズ・味の不一致、使い切れない |
| ポイントが貯まるだけ | 使用されずに滞留 | 保有ポイント・期限の見えづらさ、使い道提案不足 |
| 休眠顧客増加 | 半年以上反応なしの増加 | コミュニケーション頻度ミスマッチ、興味喪失 |
必ず確認するデータ一覧
継続率改善に向けて確認すべき主要指標です。
- 届いているか:送信エラー率とドメイン別の傾向、迷惑メール扱いの兆候
- 読まれているか:開封率(目安20%前後)、差出人名・件名・配信時刻の効果
- 反応があるか:クリック率とボタン配置の効果、スマホ最適化の状況
- 売上への貢献:R-Mail経由の注文数・金額、F2(初回→2回目の継続率)※必須KPI、3回目以降の到達状況
- 解約理由の分析:問い合わせ・フォームからの声、「価格」「商品」「頻度」「操作性」別の分類
- ポイント動向:付与額・利用率・期限切れ率、期限通知の効果(期限60日前/30日前の二段階通知が有効)
- 時間帯と曜日の効果:同一内容での配信時間別の反応差
継続が進まない原因の分析

定期継続を妨げる要因は大きく3つに分類できます:「商品と価格」「購入後体験と解約」「ポイントとR-Mail」です。
商品と価格設計の問題点
定期の特典が伝わらない
- 単品との差が不明確
- 回数別特典の表現がバラバラ
量・頻度のミスマッチでは、使いきれずに余る商品や頻度調整やスキップの案内不足が目立ちます。比較購入時の不満としては、送料込みの表示が不明瞭で定期の安心感・手間削減メリットが伝わっていない場合があります。
購入体験と解約フローの課題
NPSなど定量指標を活用して顧客体験を把握し、低スコアの原因から商品・物流・カスタマー対応を改善してください。
- 次回発送の不安:発送3〜5日前の予告メール不足、スキップ・日時変更リンクの視認性低下
- 解約の分かりにくさ:my Rakutenや購入履歴からの手順不明確、実際に解約テストしていない
- 安心感の欠如:到着直後のフォロー不足、使い方・保管方法の案内欠如
ポイント設計とコミュニケーションの問題
楽天ポイントのルール複雑さや有効期限切れの多発、可視性の低さがよくある問題です。
- ルールの複雑さ:覚えづらい変倍率・上限・期限、基本設計が「毎回同じ+節目ボーナス」になっていない
- 有効期限切れの多発:期限前通知の欠如、具体的な使い道提案の不足
- 可視性の低さ:カート・注文確認・購入履歴での表示不足、「獲得予定」と「保有ポイント」の常時表示がない
戦略設計と優先順位付け

成果を出すには、目標を絞り、影響が大きく実行しやすい施策から着手することが重要です。
目標指標の設定とターゲット
集中すべき1つの目標を定め、ターゲットを1種類に絞ることが効果的です。
- 集中指標例:開封率20%到達、クリック率2%到達、F2継続率改善
- ターゲット例:初回直後の顧客、2回目発送前の顧客、ポイント期限直前の顧客、半年無反応の休眠顧客
- 重点施策期間:最初の3回が勝負。1→2回目、2→3回目の橋渡しに注力
影響度と工数で決める優先順位
即効性が高い施策から着手し、中期的に効果が大きい施策を進めます。
- 即効性が高い施策(すぐ効く)
- 件名と差出人名の最適化:数字・具体性を含め、今読むべき理由を明示
- 一斉配信から送り分けへの移行:R-Karte等を活用した簡易セグメント、興味関心別の内容調整
- 期限前の簡潔なリマインド:「あと◯日」の明確表示、具体的な使い道提案
- 中期的施策(やや手間だが効果大)
- 継続ボーナスの設計:3回目での追加ポイント、6回目での特典付与
- 商品ページの整備:定期特典・解約方法の明示、よくある質問の1画面表示(スマホ対応)
採算バランスは、1注文利益から特典総額の上限設定やポイント・クーポン・割引の重複調整で取ります。
実務フローと運用設計

ECプラットフォームの具体的な設定手順は随時変更されます。本文では方針と注意点を示し、設定手順の詳細はRMS公式ヘルプで必ず確認してください。
RMSでの定期設定と実地確認
基本設定の確認ポイントや表示の明確化、実地テストの重要性を押さえましょう。
- 基本設定の確認ポイント:お届けサイクルのバリエーション、初回割引と継続ボーナスの設計、ポイント変倍の自動化設定
- 表示の明確化:商品ページでのスキップ・解約方法明示、次回予告タイミングの案内、カート・注文確認での獲得ポイント表示
- 実地テスト:テスト購入からの全体フロー確認、到着メール・次回予告・スキップ操作の体験、迷いやすい表現の即時修正
- 関連購入の促進:予告メールでの関連商品提案、定期と相性の良い小物の紹介
ポイントとRaCoupon(ラ・クーポン)の採算設計と使い分け
施策ごとの役割を明確化して採算バランスを取りましょう。
| 施策 | 主な役割 | 設計のポイント |
|---|---|---|
| 楽天ポイント | 継続のごほうび | 毎回の固定付与(変倍)+節目ボーナス |
| RaCoupon | 特定行動の促進 | 初回お試し、休眠呼び戻し、在庫消化 |
採算バランスの取り方としては、1注文利益からの上限設定、シンプルな併用ルール、適切な期限設定を心がけてください。よくあるつまずきへの対策も用意しておくと運用がスムーズです。
R-Mail配信設計と許諾・セグメント・コンテンツ
許諾の取得から名簿の健全性維持、効果的なセグメント配信とコンテンツ作成まで一連の設計を行います。
- 許諾の適切な取得:登録時の具体的メリット提示、「先行案内」「会員限定情報」など訴求、「いつでも配信停止可能」の明記
- 名簿の健全性維持:半年無反応者への再確認メール、反応なしの場合は配信停止、到達率の高い配信方法の選定
- 効果的なセグメント配信:初回直後は使い方案内、2回目前は不安解消とメリット訴求、期限前は「あと◯日」と使い道例
- 効果的な中身:件名は数字・具体性・緊急性、冒頭は最初の2〜3行に要点と主要リンク、本文は使い方のコツ・保存方法・よくある質問、表示はスマホ最適化された文字とボタン
- 送り方のコツ:少ない頻度からスタート、反応の良い曜日・時間帯の発見、「届いた・開いた・押した」の毎回確認、迷惑メール扱いを防ぐ表現の工夫
まとめ
ポイント施策とR-Mailは相性が良く、ちょっとした設計と運用で定期継続は大きく改善できます。まずデータで症状を確認して、商品・価格、購入体験や解約フロー、ポイント設計やコミュニケーションの弱点を洗い出します。目標とターゲットを決め、影響度と工数で優先順位を付けてRMS設定や採算を整え、許諾・セグメント・頻度・中身を工夫して配信。小さく試して検証・改善を繰り返せば無理なく継続率は上がるはずです。負担は最小限に抑え、ポイント変倍ルールやメール内容は段階的に変えて検証するのがコツです。結果を見ながら少しずつ調整していきましょう。仮説から始めれば負担は少ないです。まず一歩、今日から取り組んでみましょう。
<ご注意>本記事の内容は、執筆時点の情報に基づいています。楽天市場の仕様・ガイドライン・ルール等は予告なく変更される場合があります。最新の情報は、必ず公式サイトや店舗運営Navi等をご確認ください。
