楽天の売上管理において、「毎日RMSからCSVをダウンロードし、手作業で集計することに時間を取られている」「エクセルの行ズレや計算ミスにストレスを感じている」といったお悩みはありませんか。
Googleスプレッドシートの標準機能を活用すれば、CSVを貼り付けるだけで売上状況を一目で把握できる「自社専用の管理テンプレート」を容易に作成できます。
この記事では、初心者の方でも迷わず実践できるよう、楽天のCSVデータをGoogleスプレッドシートに取り込み、見やすい売上管理表を作成するまでの全手順を丁寧に解説します。一度仕組みを構築すれば、日々の作業はデータの貼り付けのみとなります。集計作業を効率化し、店舗の分析や改善施策の検討により多くの時間を割ける体制を整えましょう。
ステップ1:RMSから適切なデータを準備する

ダウンロード対象は「受注データ」のみで十分
まずは集計の元となるデータを準備します。RMSには「売上集計」や「アクセス分析」など多種多様なデータが存在しますが、独自の集計を行うには「受注データ(注文データ)」が最も適しています。
RMSのメニューから「受注・決済管理」へ進み、注文データをCSV形式でダウンロードしてください。長期間のデータを一度に処理しようとするとファイル容量が大きくなるため、初めはテストとして「直近1ヶ月分」程度のデータで試行することを推奨します。
Googleスプレッドシートへの適切な取り込み手順
CSVを取り込む際に課題となりやすいのが「文字化け」です。楽天のCSVをそのままスプレッドシートで開くと、日本語が正常に表示されない場合があります。これを防ぐために、以下の手順でインポートを行ってください。
- Googleスプレッドシートを新規作成し、シート名を「データ貼り付け」に変更します。
- メニューの「ファイル」→「インポート」をクリックします。
- 「アップロード」タブを選択し、ダウンロードしたCSVファイルをドラッグ&ドロップします。
- 重要な設定: インポート設定画面にて、区切り文字の種類を「自動」または「カンマ」、テキストを数値等の変換設定を「はい」にし、文字コードのオプションが表示される場合は「Shift-JIS」を選択してください。
上記の手順により、文字化けを防ぎつつデータを正確に取り込むことができます。この「データ貼り付け」シートは、あくまで「元データを格納する場所」として使用し、直接の編集は最小限に留めるのが運用を安定させるコツです。
ステップ2:ピボットテーブルで自動集計表を作成する

関数不要で集計できる「ピボットテーブル」とは
ここから集計設定を行います。「SUMIF」や「VLOOKUP」といった複雑な関数を習得する必要はありません。スプレッドシートには「ピボットテーブル」という、データを多角的に自動集計できる非常に有用な機能が備わっています。
先ほどの「データ貼り付け」シートのデータ範囲(A列から最終列まで)を全て選択し、メニューの「挿入」→「ピボットテーブル」をクリックします。「新しいシート」を選択して作成ボタンを押してください。これが集計専用のシートとなります。
【テンプレ1】日別の売上推移表を作成する
画面右側に表示される「ピボットテーブル エディタ」を操作することで、目的の表を作成できます。まずは基本となる「日別売上」を設定しましょう。
- 行(たて軸):「追加」ボタンを押し、「注文日」を選択します。これにより日付が時系列順に表示されます。
- 値(集計項目):「追加」ボタンを押し、「請求金額」(または「合計金額」)を選択します。集計方法が「SUM(合計)」になっていることを確認してください。
以上の手順で、日付ごとの売上合計が自動計算される表が完成します。
さらに詳細を把握したい場合は、値にもう一度「追加」で「注文番号」を選び、集計方法を「COUNTA(個数)」に設定してください。これで「売上金額」の横に「注文件数」も並列表示されます。客単価の算出や、繁忙予測に役立つ必須データとなります。
【テンプレ2】商品別ランキング表を作成する
「どの商品が売れているか」を把握するためのランキング表も作成しましょう。同じ手順で新しいピボットテーブルを作成するか、現在のシートの余白スペースに作成します。
- 行:「商品名」または「商品管理番号(SKU)」を選択します。
- 値:「個数」(商品の個数)を選択し、集計方法は「SUM」にします。
- 並べ替え:「行」の設定内にある「並べ替え」を、「商品名」から「SUM 個数」に変更し、順序を「降順」にします。
これで、販売数順に並んだランキング表が完成しました。「売上金額」順に並べ替えれば、「販売数は少なくとも利益貢献度の高い商品」の特定にも役立ちます。
可視化による効率的な状況把握

グラフ化で「推移」を捉える
数値の羅列だけでは、売上の変動傾向を瞬時に判断しにくい場合があります。作成した「日別売上表」を選択し、メニューの「挿入」→「グラフ」をクリックしてください。
推奨は「棒グラフ」または「折れ線グラフ」です。「イベント実施日に売上が伸長した」「週末に減少傾向がある」といったトレンドが視覚的に明確になり、次なる施策の立案に役立ちます。
「条件付き書式」で異常値を可視化する
さらに視認性を高めるために、「条件付き書式」の活用をお勧めします。
例えば、売上の列を選択し、メニューの「表示形式」→「条件付き書式」→「カラースケール」を選択すると、売上が高い日は濃い色、低い日は薄い色で自動的に色付けされます。表を見るだけで「好調日・不調日」が直感的に判別できるようになり、毎日の確認作業が効率化されます。
日々の運用フローと注意点

翌日以降の作業は「貼り付け」のみ
このテンプレートの最大の利点は、運用の手軽さにあります。一度構築すれば、翌日以降の作業は以下の2ステップのみで完了します。
- RMSから最新期間のCSVをダウンロードする。
- 「データ貼り付け」シートの古いデータを削除し、新しいデータを貼り付ける。
これだけで、ピボットテーブルやグラフの数値が自動的に更新されます。(更新が反映されない場合は、ブラウザを再読み込みしてください)
毎回計算を行ったり、数式を修正したりする手間は不要になります。
データの「速報値」と「確定値」について
最後に重要な注意点があります。楽天のデータには「注文直後のデータ(速報値)」と、キャンセルや変更処理が完了した「確定データ」が存在します。
本テンプレートで日々の動向を把握する分には問題ありませんが、厳密な月次の締め作業や請求額の確認は、必ずRMSの確定レポート(月次確定データ)を使用してください。このテンプレートはあくまで「日次での概況把握用」として割り切って活用することが、運用を複雑にしないポイントです。
まとめ
複雑に見える売上管理も、スプレッドシートの「貼り付け用シート」と「ピボットテーブル」の2つを組み合わせることで、容易に自動化が可能です。
まずはRMSからCSVをダウンロードし、インポートすることから始めてみてください。自店の手でデータが集計され、店舗状況が可視化されるメリットを実感できれば、数値管理の習慣化もスムーズに進むはずです。ぜひ今日から、自社に適した管理体制の構築に着手してみてください。
<ご注意>本記事の内容は執筆時点の情報に基づいています。楽天市場のシステム仕様やGoogleスプレッドシートの操作方法はバージョンにより異なる場合があります。最新の情報は必ず楽天公式の店舗運営Navi等をご確認ください。
