お買い物マラソンの期間中、「アクセスはあるのに購入率が上がらない」「安い商品しか売れない」と悩んでいませんか?この記事では、お客様視点の「買い回りルール」を理解した上での店舗側の対策と、客単価を上げるためのコツを解説します。
基本ルールの再確認から、お客様がつい買ってしまう価格設定、トラブルや問い合わせを減らすための注意点まで、「自分のお店が買い回りの1ショップに選ばれるため」の具体策をまとめました。次回のマラソン施策の参考にしてください。
セール前の準備とお店の導線チェック

最初にやることは「イベント告知・クーポン設定・1,000円商品の配置」の3点です。お客様は「開始直後」と「0のつく日/5のつく日」に動きます。特にイベントバナーは、お客様のエントリー忘れを防ぐだけでなく、お祭り感を演出するために必須です。
SPUと買い回りを組み合わせた「お得感」の伝え方
商品ページやトップページでSPUとマラソン倍率を合わせた「最大還元率」をアピールしましょう。「今買うとポイント〇倍」という具体的な数字の提示が購入の決め手になります。ただし、SPUはお客様ごとに異なるため、「最大〇〇倍」という表記にし、注釈を入れることで景品表示法上のリスクを回避してください。
買い回りの基本ルールを活用した商品設計(1,000円の壁対策)
買い回りは「1ショップ=税込1,000円以上」が条件です。クーポンを使った後の価格が999円以下になるとカウント対象外となり、クレームの原因になります。対策として、あえて1,100円〜1,200円の価格設定にするか、送料別の商品を組み合わせて1,000円を超える「買い回りセット」を用意するのが鉄則です。
- 事前告知(お客様に「お気に入り登録」を促す)
- 「あと〇〇円で1店舗カウント!」というついで買いの案内を作る
- 獲得上限(回により5,000~7,000ポイントと変動あり)を確認し、上限金額に合わせた高額商品のアピール
- ポイント付与は期間限定ポイントであることを説明文に記載(親切心)
例外ルールによるトラブルを防ぐため、商品ページ内に注意書きを目立つように配置しておきましょう。
客単価アップのための商品構成(集客・まとめ買い・ギフト)
店舗内検索で「1000円」と検索するお客様は多いです。1,000円ジャストの商品でお店に来てもらい、本命である「真ん中の価格帯」へ誘導するのがセオリーです。1,000円未満の商品は、2個セット販売で単価を引き上げましょう。
| 分類 | 商品設計例 | お店側の狙い |
|---|---|---|
| 集客のきっかけ | 1,000円〜1,200円の消耗品 | 店舗数稼ぎのお客様を獲得し、アクセスを増やす |
| まとめ買い | 3個セット、ケース販売 | 送料の負担率を下げ、客単価を上げる |
| ギフト/季節 | 2,000円〜3,000円のプチギフト | 「自分用+ギフト」の合わせ買いを誘う |
お客様が陥る「対象外」への先回り対策

お客様は「買ったのにポイントがつかない!」と焦ってしまいます。「同じお店で複数回買ってもカウントは1つ」「1,000円未満は無効」というルールを、お店側がよくある質問やバナーで先に案内することで、ショップレビューの低下を防げます。
同じお店での複数購入を促す方法
同じお店での買い物は、店舗数のカウントは増えませんが、購入金額への倍率はかかります。「当店でまとめ買いしても、ポイント倍率は合計金額に対して適用されます」と伝え、他店へ流れるのを防ぎましょう。キャンセルが発生すると条件未達になるリスクも案内し、安易なキャンセルを減らします。
1店舗=1倍の仕組みを利用した「同梱」提案
買い回り中のお客様は送料を嫌う傾向にあります。「39ショップ(3,980円以上送料無料)」ラインへの誘導バナーを強化しましょう。例:現在カゴの中が2,000円のお客様へ、「あと1,980円で送料無料&ポイント倍率アップ」とおすすめする機能や特設ページが有効です。
ポイント付与対象外によるクレーム回避(送料・クーポン)
「送料・ラッピング・クーポン値引き分」が含まれないことは、最も多いトラブルの原因です。特にクーポン発行時は、割引後の価格が1,000円を割らないよう、利用条件金額を設定するか(例:1,200円以上で使えるクーポン)、商品ページで注意喚起を行いましょう。
- クーポン利用条件を「税込1,100円以上」などに設定する
- 「送料別1,000円」よりも「送料込1,000円」の方がトラブルが少ない
- 対象外の条件を商品画像の2枚目以降に入れて視覚的に伝える
お客様に「お得」と感じてもらう数字の見せ方

計算が苦手なお客様のために、お店側で試算を提示しましょう。実質価格でのアピールがカギです。商品画像内で「定価〇〇円→クーポンとP10倍で実質〇〇円!」と見せることで、価格競争力を高めます。
ポイント倍率の分解とアピール方法(店舗独自P+買い回り)
買い回り(最大9倍)はお客様の頑張り次第ですが、店舗独自ポイント変倍はお店の頑張りです。「買い回り10倍(予定)+店舗独自5倍+SPU」のように、内訳を分解して積み上げ式で見せると、インパクトが最大化します。ただし「最大」表記には注意してください。
高額商品は「上限」を意識したひと押しを
買い回り上限(7,000pt)の影響を受けるのは8万円以上の高額商品です。高額商品を扱うお店は、「マラソンで買うとお得」だけでなく、「上限までポイントが取りきれる今がチャンス」というアピールが響きます。上限到達シミュレーションを商品ページに入れるのも効果的です。
送料込み1,000円ジャスト商品の重要性
買い回り中のお客様にとって「1,000円ジャスト・送料無料」は、店舗数を稼ぐための調整役として非常に需要があります。利益率は低くても、これを入り口(集客商品)にして、リピート獲得やメルマガ登録に繋げる戦略を持ちましょう。
ケーススタディ:タイプ別・店舗運営シミュレーション

商品のタイプ別に、マラソン期間中の戦い方を整理します。自分のお店の商材がどこに当てはまるか確認し、クーポン施策やセット組みを見直してください。
3つの戦略パターン(A 日用品店、B 家電店、C ギフト店)
A 日用品・消耗品店(薄利多売型)
戦略:店内を回ってもらう。「あと1品で送料無料」のコーナーを強化。1,000円〜1,500円のセット商品を多く展開。他店に浮気されないよう「当店だけで3品まとめ買い」クーポンを発行。
B 家電・家具店(高単価型)
戦略:上限説明とSPUアピール。8万円以上の商品は、買い回り件数が少なくても上限に達するため、ライトユーザーにも売りやすい。「1店舗目でもお得」であることを強調し、期間中の「0のつく日」に広告を集中投下。
C ギフト・雑貨店(混合型)
戦略:合わせ買い推奨。「自分用とギフト用」で3,980円ラインを突破させる。1,000円クーポンを配布しつつ、利用条件を4,000円以上に設定して客単価の引き上げを図る。
イベント開始から終了までの運営チェックリスト
- エントリーバナーの設置忘れはないか
- ポイントアップ設定は期間と合っているか
- クーポンの利用条件金額(1,000円割れ防止)は適切か
- 「1,000円ジャスト商品」の在庫は十分か
- メルマガ・LINE・R-SNSでの開始告知配信
- 5と0のつく日のバナー切り替え予約
- ラスト5時間の「ラストスパート」施策準備
最終日には「買い忘れはありませんか?」というアピールで、1,000円商品をメルマガで案内し、最後の駆け込み需要を取り込みましょう。
イベント後の分析と次回への改善
- 期間中の客単価と購入率(CVR)の推移を確認
- クーポン利用率と、クーポン利用時の客単価分析
- 「1,000円商品」購入者のリピート率分析
- クレーム内容の洗い出し(「対象外だった」等の声の有無)
- アクセス集中時のサーバーや受注処理の負荷確認
実績データは宝です。RMSのデータ分析を活用し、次回のマラソンではより精度の高い施策を打ちましょう。
まとめ
準備(バナー・在庫)→誘導(1,000円商品・SPU訴求)→単価アップ(同梱・クーポン条件)→トラブル回避(対象外条件の明記)のサイクルを回すことで、売上は確実に積み上がります。お客様は「お得に買いたい」、お店は「たくさん売りたい」。この利害が一致するのが買い回りイベントです。
「お客様に1ショップとして選ばれる理由」を作り込み、上限やルールを正しく案内することで、信頼と売上の両方を獲得できます。小さな改善の積み重ねが大きな差を生みます。次のマラソンで最高月商を目指しましょう。
<注意>本記事の内容は、執筆時点の運営ノウハウに基づいています。楽天市場のキャンペーンルールやRMSの仕様は変更される場合があります。最新のガイドラインは、必ず店舗運営Navi等をご確認ください。
