楽天でお店を運営していると、「どの数字を見ればいいの?」「アクセスはあるけど売上につながらない…」と戸惑うことが多いですよね。ここで言う分析ダッシュボードとは、アクセスの入り口やスマホでの見え方、キャンペーンの効果などをやさしく可視化する「自作の管理表」のことです。
この記事では、データの見方を解説し、初心者でもすぐに取り組めるチェックポイントや改善のヒントをお伝えします。まずは慌てずにRMS(管理画面)を開いて、一緒に課題を見つけていきましょう。
結論
最小のKPI(売上・アクセス人数・転換率・客単価)をスマホ/パソコン別に1枚で見えるようにし、入口→商品ページ→かご→購入の流れを数字でつなげます。 データは管理画面からのCSVに限定し、置き場所・列名・日付形式をそろえて更新。鍵となる注文番号・商品管理番号・日付を必ず残し、まずは週1回の手動更新で運用を整えます。
想定外の下振れは入口/途中/出口のどこに壁があるかを切り分け、実施した取り組みは「目的・期間・ねらった数字」をメモ化して前後比較。これだけで迷いが減り、効果的な一手に集中できます。
問題の特定と原因分析

最初のハードルは「どこから崩れているか」を見極めることです。アクセスの入り口が弱っているのか、商品ページで伝わらず離脱しているのか、かごに入ったのに決済で止まっているのか。流れを入口→途中→出口で整理すると、原因の見通しが立ちます。数字はスマホとPCを必ず分け、同じ基準(例:前週比)で追いかけるとブレが減ります。
よくある現場のつまずきと対策
数字が伸び悩む原因は、大きく以下の3つのパターンに分類できます。
まず、「アクセスはあるのに売れない」場合です。これは転換率(CVR)の低下を意味します。端末別やカテゴリ別で数字を割り、特定の代表商品で落ち込みがないかを確認してください。次に、「かごに入るが買われない」ケース。これは在庫切れや送料、価格への違和感、あるいは決済の不便さが壁になっている可能性があります。
そして「滞在時間が短い」場合。画像の分かりにくさや説明不足、表示速度の遅さが原因として考えられます。いずれの場合も、迷いを減らす基本は「期間の基準を固定すること」と「端末を分けること」の2点です。最低限、すべての数字に前週比を添えて判断しましょう。
データ連携を安定させる3つのルール
運用が止まりがちな原因は形式のバラつきです。以下の3点を守るだけで、更新のハードルは一気に下がります。
第一に「正しい元データに限定する」こと。RMSのデータ分析機能からダウンロードできるCSVのみを使用します。第二に「列名と日付形式を固定する」こと。SKU移行などで列が変わった時は必ずメモを残します。第三に「置き場所を統一する」こと。日付ごとのフォルダ分けなどは避け、一か所に保管するのが鉄則です。
KPI設計とリソースの配分
最初は以下の4指標に絞ると運用しやすくなります。 定義を揃え、前週比を添えるだけで改善点が見えてきます。
| 指標名 | 定義・計算式 | 見るべきポイント |
|---|---|---|
| 売上 | 期間合計額 | 全体の規模感 |
| アクセス人数 | 店舗を訪れた人数(訪問数) | 集客力(入口) |
| 転換率 | 注文数 ÷ アクセス人数 | 接客力(CVR) |
| 客単価 | 売上 ÷ 注文数 | 合わせ買いの傾向 |
余力が出たらこれらにリピート率を追加し、入口→商品→かご→購入の流れを補強します。転換率が著しく低い場合は、KPIとは別に「かご落ち」の状況も確認するとよいでしょう。
ダッシュボード導入の進め方

要件定義はシンプルで十分です。最初に「見る数字」と「使う元」を決め、更新の手順と責任を分けます。足りなければ足す、重いなら削る。小さく始めて、止まらない仕組みを優先します。
要件定義とデータ元
見る数字は「売上・アクセス人数・転換率・客単価」を端末別・前週比つきで1枚にまとめます。
データ元には、RMSのデータ分析機能から取得できる「売上一覧(注文数・金額・客単価)」「商品別実績(商品管理番号ごとの売れ筋・在庫)」「アクセス(人数・流入元)」「キャンペーン利用状況」を使用します。これらをベースに、優先順位の高い指標から並べていくとスムーズです。
工数を抑える更新運用
立ち上がりは週1回の手動更新で十分です。管理画面からCSVを書き出す運用を基本とし、結合の鍵となる注文番号・商品管理番号・日付は必ず残します。
運用時のポイントは「加工を最小限にする」ことです。ファイル名と置き場所を固定し、余計な整形は避けます。もし加工が必要な場合は、どの列をどう直したか記録を残し、属人化を防ぎましょう。取り込み時は、合計金額の突合やキャンセルデータの扱いに関するルールを統一しておくことが重要です。
ダッシュボード設計の基本
最初の1枚は「入口→商品→かご→購入」を数字と矢印で一目化します。 その下に売上とアクセス人数の推移を前週比・端末別で並べ、主要商品の簡易ランキングを置くと、会議が短くなります。拡張ではクーポンの前後比較、レビューの星と件数、在庫切れの影響など「なぜ」を紐解く切り口を足していきます。基準は見た人が次の一手を1つ言えるかです。
低工数で進める実務のポイント

CSV中心で始め、安定して回り始めてから自動化を検討します。枠を先に作り、差し替えで更新できる形にしておくと、手戻りが少なくなります。
CSVの基本セットと扱い方
以下の4つのCSVデータを軸に運用を組み立てます。日付は日単位にそろえ、同一注文の複数行は合計してから使うのがコツです。
| データ種別 | 更新頻度 | 活用目的 |
|---|---|---|
| 売上一覧 | 週1回 | 売上総額・注文数・客単価の確認 |
| 商品別実績 | 週1回 | 売れ筋商品の把握と在庫リスクの検知 |
| アクセス | 週1回 | アクセス人数・流入元・離脱傾向の把握 |
| 検索語 | 月1回 | 関心ワードからページ改善のヒントを得る |
データ品質とセキュリティ
運用の信頼性を保つため、合計売上が管理画面と一致するかの突合は必須です。 重複や空欄、端末別の合計不一致がないかも確認し、急な数値変動には色がつくような仕掛けを入れておくと気づきやすくなります。セキュリティ面では、公式の案内に従い、閲覧権限の管理やパスワード設定を徹底してください。
導入後の運用と継続的な改善

運用が始まったら、早めに気づける流れを組み込みます。数字の下振れに気づいた時点で、まずは入口/途中/出口のどこで止まっているかを切り分ければ、対応が速くなります。
異常検知と施策評価のサイクル
「入口・途中・出口」のどこに問題があるかの切り分けが改善の第一歩です。流入減なら集客施策、滞在時間の短縮ならページ構成、転換率の低下なら価格や送料の見直しといった具合に、対応をパターン化します。
施策を実施する際は、必ず「目的・対象・期間・ねらった数字」をメモに残し、前後比較で評価します。SKUプロジェクト等により公式の用語や定義が変わることもあるため、定期的に最新のヘルプを確認し、KPIの定義を見直す柔軟性も大切です。
担当ロールの分担
チームで動く際は、役割をシンプルに分担します。「見える化の管理(更新担当)」「集客と商品ページの改善担当」「売り場と在庫の調整担当」「お客様対応担当」のように分け、それぞれの気づきを持ち寄ります。「良かった点」「困りごと」を一言で共有し、小さな成功を積み重ねながら改善を進めていきましょう。
まとめ
ダッシュボードは、アクセスの入口やスマホでの見え方、キャンペーンの効果をやさしく教えてくれる道具です。 まずは表示する項目を絞り、最小のKPIと使えるデータだけで立ち上げましょう。入口→商品→かご→購入を数字でつなぎ、端末別・前週比で並べるだけで、課題の位置が見えてきます。気づきを「小さな一手」に落とし込み、結果を前後で比べ、うまくいった型を広げていけば、手間を増やさず売上の伸びしろを掴めます。今日からRMSを開き、チームで学びを共有しながら一歩ずつ整えていきましょう。
<ご注意>本記事の内容は執筆時点の情報に基づいています。楽天の仕様・画面・ルール(SKUプロジェクトなど)は変更されることがあります。最新の情報は、必ず公式サイト(RMSなど)でご確認ください。
