国内でも代表的なECモールの一つである「楽天市場」。
圧倒的な会員数を誇り、高い集客力が期待できる楽天市場への出店は、ネットショップ運営の成功へ向けた大きな一歩です。
しかし、思ったように利益を得られず、出店を後悔する事業者も少なくありません。
そこでこの記事では、楽天市場への出店で後悔につながる原因や、運営に失敗しないための対策方法についてまとめました。
楽天市場に出店する際のメリットも紹介していますので、ぜひ「後悔しないネットショップ運営」の参考にしてみてください。
楽天出店で後悔につながる状況とは?
楽天市場へ出店しているネットショップが以下のような状況にある場合は、後悔につながる可能性があります。
- 出品した商品が思うように売れない
- 商品が売れても利益が少ない
上記2つの状況について、詳しく見ていきましょう。
出品した商品が思うように売れない
出品した商品が思うように売れない状況は、ネットショップの運営に失敗している可能性が高く、後悔につながりやすい状況だと言えるでしょう。
商品が売れない原因はさまざまですが、主な要因として以下のようなものが考えられます。
- ショップや商品がユーザーの目に触れる機会が少ない
- ショップページが見づらい・使いづらい
- 商品の説明が足りていない
- 価格が高い
上記の要因はあくまで一例ですが、いずれも楽天市場へ出店する際の基本的な対策が不十分なために発生すると考えられます。
特に、ショップや商品をユーザーに見てもらう機会が少なければ、商品を販売することは難しいでしょう。
まずは、出品した商品が売れない原因を明確にしたうえで、自社に適した対策に取り組んでいくことが大切です。
商品が売れても利益が少ない
どれだけ商品が売れても、利益をしっかり得られなければ、継続してネットショップを運営することはできません。
順調に売上を伸ばしていても、コストの方が高ければ赤字になってしまう可能性があります。
楽天市場へ出店する際は、以下のような手数料が必要であることを念頭に置いておきましょう。
- 出店料
- システム利用料
- 楽天市場決済利用料
- その他手数料
楽天市場への出店は、他のECモールと比較して手数料が高いという特徴があります。
さらに、楽天市場にはさまざまなオプションが豊富に揃えられているため、便利に使おうとするほどコストが増えてしまいます。
売上に対してコストが高すぎる状況は、経営の圧迫につながるため、利益をしっかり確保するための対策が必要です。
楽天出店で後悔につながる6つの原因
楽天市場への出店で後悔につながる主な原因は以下の6つです。
- 商品ページが充実していない
- 楽天SEO対策ができていない
- 広告を上手に活用できていない
- 楽天の独自ルールへの対応に追われる
- 商品のレビューが少ない
- 商品の利益率が低い
上記6つの原因について詳しく見ていきましょう。
商品ページが充実していない
商品の情報が不十分なネットショップでは、ユーザーが商品の購入をなかなか決断できず、サイトを離脱してしまう可能性があります。
ユーザーの離脱を防ぎ、安心して商品を購入してもらえるように、魅力的な商品ページを作成しましょう。
ネットショップにおける商品の説明は、機能やスペックを紹介するだけでなく、ユーザーにとっての利便性が伝わるように書くことが大切です。
また、写真や動画を掲載すると、商品の情報や魅力をより分かりやすく伝えることができます。
楽天SEO対策ができていない
楽天SEO対策ができていなければ、自社の商品をユーザーに見つけてもらえないため、売上につなげることができません。
楽天SEO対策とは、楽天市場内でキーワードを入力して検索した際に、自社の商品を上位表示させるための施策を指します。
楽天市場を利用する多くのユーザーは、検索から商品を探す傾向があるため、検索結果で自社の商品を上位に表示させることが非常に重要です。
広告を上手に活用できていない
広告を上手に活用できれば、ネットショップへのアクセス数を大きく増やすことが可能です。
しかし、広告の掲載には費用が発生するため、十分な効果を得られなかった場合は損失となるリスクもあります。
広告を活用する際は、以下のような点に注意しましょう。
- 広告運用の目的を明確にする
- 広告費用を決めておく
- 広告掲載の効果を検証する
広告の活用は、アクセス数を増やす施策の中でも特に即効性が期待できる施策の一つです。
アクセス数が伸びずに、商品が売れないという場合は、自社の広告戦略を見直してみましょう。
楽天の独自ルールへの対応に追われる
楽天市場では、ユーザーの安全を守ることを目的に、出店に関するルールを定めたガイドラインが設けられています。
ガイドラインには非常に多くの禁止事項が定められており、全てを確認することは、出店者にとって大変な作業です。
しかし、ガイドラインに違反してしまうとペナルティが課され、最悪の場合は出店停止になる危険性があります。
そのため出店者は、ガイドラインの内容をしっかり確認し、常にルールを遵守した運営が求められます。
商品のレビューが少ない
実際に商品を購入したユーザーからの商品レビューは、購入を検討しているユーザーにとって信憑性が高く、貴重な情報です。
ユーザーが商品の購入を検討する際、レビュー数が多く、評価が高い商品の方が、安心して購入を決断することができます。
商品レビューには、ショップや商品の信頼性を高める効果を期待できますが、レビューを積極的に書いてくれるユーザーはそれほど多くありません。
少しでも早く商品レビューを集めたいという場合は、レビューを書いてくれたユーザー向けに特典を用意すると良いでしょう。
特典の例として、クーポンの配布やポイントの付与などが挙げられます。
商品の利益率が低い
ネットショップの運営において、利益率が低い商品ばかりを取り扱っている場合は、十分な利益を確保することができません。
利益率とは、販売価格からネットショップの運営に関わる費用を差し引いた割合を指します。
出店者が売上目標の達成を意識しすぎるあまり、広告費や手数料などの変動費が大きく膨らんでしまうというのはよくあるケースです。
どれだけ売上額が向上しても、利益額が減少すれば、赤字経営になってしまう可能性があります。
楽天への出店はメリットも多い
出店を後悔する前に、楽天市場へ出店するメリットも押さえておきましょう。
楽天市場への出店は、ネットショップを運営する事業者にとって非常に多くのメリットがあります。
メリットを知ることで、より良い運営方法の発見につながる可能性もありますので、ぜひ参考にしてみてください。
楽天市場への出店は、主に以下のようなメリットが挙げられます。
- 国内トップクラスの集客力
- 大規模なキャンペーンが定期的に開催
- 専任のECコンサルタントによるサポート
- 高い信頼性
上記4つのメリットについて、詳しく見ていきましょう。
国内トップクラスの集客力
楽天市場に出店する最大のメリットとも言えるのが、楽天が誇る圧倒的な集客力です。
楽天会員の数を示す楽天ID数は、2023年6月時点で1億以上と、非常に多くのユーザーが楽天のサービスを利用していることが分かります。
また、流通金額が非常に大きく、市場規模が大きい点も楽天市場の特徴です。
2022年の楽天グループ国内EC流通総額は5.6兆円と、前年と比較して12.3%増加しており、流通総額は拡大を続けています。
このように楽天市場は、市場規模が大きく、国内でトップクラスの集客力を誇っています。
ネットショップの運営経験が浅い場合でも、楽天市場へ出店すれば、より多くのユーザーに自社の商品を見てもらえる可能性が高いと言えるでしょう。
大規模なキャンペーンが定期的に開催
楽天市場では、大規模なキャンペーンやセールイベントが定期的に開催されています。
例えば、ショップ買い回りでポイント還元率がアップされる「お買い物マラソン」や「楽天スーパーセール」などが代表的です。
特に、最大のセールイベントである「楽天スーパーセール」が開催される際は、楽天市場自体が集客に力を入れているため、ユーザーの購買意欲が高まりやすい期間と言えるでしょう。
上記で紹介したイベント以外にも、楽天市場ではさまざまなキャンペーンが定期的に開催されており、モール全体へのリピーター獲得を促しています。
楽天市場に出店している事業者にとっては、アクセス数を集めやすく、売上の向上を図りやすいため、非常に大きなメリットです。
専任のECコンサルタントによるサポート
楽天市場に出店すると、ショップごとに専任のECコンサルタントがついて、丁寧なサポートを受けることが可能です。
ECコンサルタントは、ショップの売上アップへ向けた、運営のアドバイス・企画の提案・ユーザー対応の相談などを行います。
ネットショップで取り扱う商品ジャンルごとに特化したECコンサルタントが、売上をアップさせるための戦略を一緒に考えてくれるため、出店者にとって心強い味方です。
他のモールにはない、充実したサポート体制は、楽天市場へ出店する大きなメリットと言えるでしょう。
高い信頼性
ネットショップで安心して商品を購入してもらうためには、ユーザーからの「信頼性」が非常に重要です。
クレジットカード情報をはじめ、さまざまな個人情報の入力が必要なネットショップにおいて、販売者の信頼性が疑われるサイトを利用するユーザーは少ないでしょう。
一方で、すでに多くのユーザーに利用されている楽天市場は、消費者からの高い信頼性を獲得しています。
出店したばかりの知名度が低いショップであっても、楽天が持つブランド力によって、ユーザーからの信頼性を得ることが可能です。
楽天出店で後悔しないための4つの対策
楽天市場への出店で後悔しないための対策として、以下の4つを紹介します。
- 競合相手を入念にリサーチする
- ユーザーニーズを把握する
- コストを明確にして利益を確保する
- 運営体制を整える
上記4つの対策について、詳しく見ていきましょう。
競合相手を入念にリサーチする
競合相手を入念にリサーチして、ネットショップ運営の改善に役立てましょう。
自社のビジネスが競合相手よりも優位な位置に立つためにも、競合相手のリサーチは非常に重要な作業です。
競合相手をリサーチすることで、それまで気付かなかった自社サイトの強みや弱みを見つけ出すことができます。
ネットショップの運営にあたって、競合相手のリサーチを行わずに商品を販売することは大変危険です。
競合相手に対して差別化を図れる要素を洗い出し、販促に活かしていきましょう。
ユーザーニーズを把握する
楽天市場への出店を後悔しないためにも、ユーザーニーズをきちんと把握したうえでネットショップの運営に取り組みましょう。
顧客となるユーザーの視点に立ち、ニーズに基づいた商品やサービスを提供できれば、顧客満足度の向上が期待できます。
顧客満足度の向上は、リピーター顧客の獲得へつながるため、ネットショップの継続的な売上に直結する大切な要素です。
また、ユーザーニーズを正確に理解できれば、運営するネットショップに必要な改善点が自ずと見えてきます。
ユーザーが求めるニーズを正確に理解したうえで、ニーズに応えるための改善を繰り返すことが、ネットショップ運営を成功へと近づけるポイントです。
コストを明確にして利益を確保する
楽天市場でネットショップを継続的に運営するためにも、必要なコストを明確にして利益をきちんと確保しましょう。
ネットショップ運営に行き詰まる人の多くが出店を後悔する一因として、コスト管理を十分に行っていないことが挙げられます。
楽天市場への出店には、出店料やシステム利用料といったさまざまなコストが必要です。
これらのコストをしっかり把握し、利益を明確にすることで、安定したネットショップ運営を心がけましょう。
運営体制を整える
ネットショップの運営に必要な業務は多岐にわたります。
ショップの規模によって運営に必要な人員は異なりますが、事業が大きくなるほど業務量が増加するため、より多くの人員が必要です。
業務への対応が追い付かない場合は、一部の業務を外注化することも可能ですが、その分必要なコストも増加します。
自社のリソースで、より多くの業務を効率的に行うためには、運営体制の整備が必要不可欠です。
まとめ:楽天出店で後悔しないように早めの対策を!
ここまで、楽天市場への出店で後悔につながる原因や、運営に失敗しないための対策方法についてまとめました。
楽天市場に出店しても、「商品が思うように売れない」「商品が売れても利益が少ない」という状況では、運営を長く続けることができません。
楽天市場からの撤退を余儀なくされて、出店を後悔してしまう可能性もあります。
出店を後悔する前に、自社のネットショップに必要な改善策を洗い出し、早めの対策を心がけましょう。
楽天市場への出店は、楽天が誇る高い集客力や、充実したサポート体制が受けられるという大きなメリットがあります。
これらのメリットを上手く活用し、対策を繰り返すことで、楽天市場でのネットショップ運営を成功させましょう。