楽天は無在庫販売を禁止している?規約はどうなっている?

楽天での無在庫販売は禁止ではないが条件あり

楽天市場出店では様々なルールが決められていますが、その中に「無在庫転売が禁止」といった記載はありません。ただし、事前審査を必要とする直送販売については記載があります。

このページでは、楽天市場の出店で扱える無在庫販売商品について詳しく解説します。

無在庫販売の方法によってはペナルティ対象となる場合があるので、楽天市場のルールを把握して健全なショップ運営で収益アップを目指しましょう。

目次

楽天は無在庫販売禁止?

楽天市場は、無在庫販売を禁止していません。

ただし、無在庫販売できる商品については条件があり、その条件をクリアせずに販売すれば、違反行為としてペナルティの加点対象となります。

楽天の無在庫販売を規約でチェック

楽天市場の利用規約には、「無在庫」や「無在庫販売」という言葉自体がありません。

ですが、楽天市場の「取扱禁止商材・禁止行為ガイドライン」には、以下の直送品等について記載があります。

  • メーカー直送品・海外直送品
  • 個人輸入代行による直送品
  • 楽天市場以外のショッピングモール等の記載がある発送

それぞれの詳細について解説します。

メーカー直送品・海外直送品は事前審査が必須

楽天市場「取扱禁止商材・禁止行為ガイドライン」に規定されている「禁止商材(事前に審査が必要となる商品」では、以下の分類を取り扱う際には事前審査が必要と示されています。

事前審査が必要な分類事前審査が必要な商材
メーカー直送品出店者が在庫をもたずに、メーカーや産地から直接ユーザーに発送する商材
海外直送品出店者が在庫をもたずに、日本国外から直接ユーザーに発送する商材

メーカー直送品や海外直送品を楽天市場の審査通過前に出品するのは、規約違反です。

個人輸入代行による直送品は産直審査が必須

「取扱禁止商材・禁止行為ガイドライン」で規定されている「禁止行為」の1つ、「その他当社が不適当と判断した行為」においては、「個人輸入代行(当社が特に認めた場合を除く)」の分類で以下の禁止事項が記載されています。

産直審査を受けずに、以下の行為を行うこと。

  • 海外から直接ユーザーに商品を発送すること
  • メーカーから直接ユーザーに商品を発送すること
  • 産直審査の許可済みでも、医薬品成分配合の化粧品や健康食品を海外から直接ユーザーに発送すること

医薬品や健康食品なの輸入販売では、薬機法違反にも注意が必要です。

他のショッピングモール等の記載がある発送にはルールあり

「取扱禁止商材・禁止行為ガイドライン」に規定されている「禁止行為」の1つ、「課金を回避することを目的とする行為」においては、「外部リンク、外部サイト誘導(当社が特に認めた場合を除く)」の分類で、楽天店舗のURLを記載せずに、ほかのショッピングモールや自社サイトのURLのみが記載されている梱包物や同梱物で商品を発送することが禁止事項として記載されています。

例えば楽天市場で注文したのに、Amazonの段ボール箱で商品が届くといったケースが挙げられます。

このケースは、「楽天市場憲章・楽天市場出店規約」第18条(禁止事項)の(4)に記載されている「消費者の判断に錯誤を与えるおそれのある行為」にも該当すると考えられます。

ちなみに、AmazonFBAのマルチチャネルサービスを利用して発送するものについては、楽天市場からユーザー向けのヘルプで以下のとおり記載があります。

ショップによっては商品の在庫管理や出荷手続きを、他社サービス(フルフィルメント by Amazonなど)が代行して運用している場合があります。お客様の情報を使って他社に注文、発送されているということではありませんのでご安心ください。

引用:楽天市場ヘルプ

Amazonマルチチャネルサービスの利用は無在庫販売ではありませんので問題ありませんが、無駄なトラブルを発生させないためにも、無地ダンボールでの発送を手配しておきましょう。マルチチャネルサービスで無地ダンボールを指定するには、Amazonに連絡して手続きが必須です。保管しているフルフィルメントセンターによっては、無地ダンボールに対応していないこともありますので、事前に確認しておくことをおすすめします。

一方、楽天市場で受注してからAmazonに発注して、ユーザーに直送してもらうように手配する「直送転売」はルール違反です。

直送転売は、「個人情報を勝手に外部サービスで利用された!」などとユーザーに不安を感じさせる行為であり、低評価の原因にもなるでしょう。

楽天市場の出店では、各種ルールが細かく決められており、全てを把握しておくのは困難です。とはいえ、自社で取り扱う商品に関する規約は把握しておく必要があります。そこまで手が回らない、できるだけEC事業の業務を効率化したい、といったお悩みがある場合は、ECサイト運営代行会社に委託する方法もあります。

楽天市場のショップ運営でお困りの際は、楽天市場の提携企業であるECサイト運営のプロにお気軽にご相談ください。

メーカー直送品・海外直送品の申請方法

メーカー直送品・海外直送品については、楽天市場に事前申請を行い、許可を得られれば問題なく販売できます。

許可申請は、楽天市場の店舗運営システムツール「RMS」から、以下の手順で行います。申請は無料です。

RMSの①[店舗様向け情報・サービス]→②[各種申請・設定変更]メニューを順にクリック。

RMSの①[店舗様向け情報・サービス]→②[各種申請・設定変更]メニューを順にクリック

「各種申請・設定変更」ページの、「商材追加審査申請」欄の[申請]ボタンをクリック。

「商材追加審査申請」欄の[申請]ボタンをクリック

「商材追加審査申請フォーム」の「お取扱い希望商材分類の選択」の選択肢の中から「メーカー直送品・海外直送品」を選択して、画面下の[申請フォームへ]をクリック。その後は表示された手順に従って入力登録を行い、申請を完了させましょう。

「メーカー直送品・海外直送品」を選択

楽天市場での審査が完了すれば、審査担当者から「取り扱い許可」の連絡通知が届き、商品の取り扱いが可能となります。

楽天の無在庫販売で罰金は発生する?

楽天市場では、出店における違反行為に対して「違反点数制度」でペナルティを科す仕組みがあります。

違反点数制度では、違反内容に応じて設定されている点数が加点され、年間の加点が100点になると原則「契約解除」となる仕組みです。

楽天の無在庫販売のルールに違反するとどうなるのか、見ていきましょう。

無在庫販売のルール違反は35点

例えば事前審査を受けずにメーカーから購入者に商品を直送する「直送品等の違反行為」については、いずれも35点の違反加点対象となっています。

違反点数35点は、ペナルティレベルでは最も低いレベルですが、以下のペナルティが科せられます。

ペナルティペナルティ内容
ランキング掲載制限7日
検索表示順位ダウン7日
一部媒体掲載制限7日
講習義務レベルⅠ講習【WEB】

35点は最も低いレベルではあるものの、決して軽い違反ではありませんので、メーカー直送品や海外直送品を扱う場合は、必ず事前審査を通過してから出品しましょう。

無在庫販売でも罰金発生の可能性あり

楽天の無在庫販売に関する違反は1回で即罰金とはなりませんが、回数を重ねたり、別の違反があったりして、年間の違反点数累計が75点以上になれば、70万円以上の罰金が発生します。

ルール違反に該当する無在庫販売には、大きなリスクがあるので要注意です。

楽天市場の違反点数制度やペナルティ内容については、以下の記事で詳しく解説していますので、こちらもご覧ください。

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楽天の無在庫販売は禁止ではないが条件がある

楽天市場の出店では、無在庫販売が禁止されているわけではありません。ただし、無在庫で販売できるものは限られており、事前審査も必要です。

楽天市場では守るべきルールがあるので、その範囲内で健全な運営を心がけましょう。

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