ECサイト運営を考えている方の中には、三大モールのひとつであるAmazonを出店先として検討している方も多いのではないでしょうか。
「ECサイト運営をしたことがなくても出展できるの?」
「初期費用ってどのくらい?」
「Amazonと他社を比べるとどのくらい違うの?」
本記事ではAmazon出店の初期費用について解説します。
また、初期費用を抑える方法や個人事業主・法人の費用の違いについてなども紹介します。
Amazon出店の初期費用
AmazonでのECサイト運営は無料では利用できません。出店する場合は費用がかかります。
また、大口出品・小口出品といった出品プランによって料金も変わるため、最適なプランを選択しましょう。
Amazon出店の主な料金は以下の通りです。
- 出店に関する基本料金
- 販売に関する手数料
- その他の料金
それぞれ解説します。
出店に関する基本料金
Amazon出店の初期費用は出品プランにより異なります。
小口出品 | 大口出品 | |
初期費用 | 無料 | ¥4,900/ 月 |
小口出品の場合、商品単位の出品になります。ECサイト運営・Amazonでの出店が初めての方におすすめのプランです。
大口出品の場合は月額4,900円です。ECサイト運営の経験があり、大口出品できる見込みがある方におすすめのプランです。
出典:Amazon基本料金
その他の料金
基本料金や手数料以外にも以下の料金が発生します。
プランごとに変動する場合もあるため、出店する前に必ず料金を確認しましょう。
基本成約料
大口出品の場合、基本成約料はかかりません。
小口出品の場合は商品が1点売れるごとに100円の手数料が発生します。
配送料
配送料は商品を自社で発送するか、Amazonに発送をお任せするフルフィルメント(FBA)を利用するかによって配送料が変わります。
自社発送の場合、小口出品は全ての商品に対してAmazonが設定した配送料を適用します。
大口出品は一部のカテゴリーを除き独自の配送料が設定可能です。
一方でフルフィルメント(FBA)は商品を発送するサイズや最大寸法、重量によって配送料が変わります。
商品の価格が1,000円を超えた場合でも配送料は変わるので、フルフィルメントを利用する前に確認しましょう。
出典:Amazon配送料
大口?小口?Amazon出店の初期費用を考慮した選び方
Amazon出店を検討してはいるものの、なるべく初期費用を抑えたいと考えている方も多いのではないでしょうか。
Amazon出店で初期費用を考慮した場合の、大口出品・小口出品の選び方を紹介します。
- 月50個以上を販売予定であれば大口出品にする
- 月の固定費を抑えたいなら小口出品にする
それぞれ解説します。
月50個以上を販売予定であれば大口出品にする
出品する商品が月50個以上と決まっている場合は大口出品のプランを選びましょう。
大口出品は、商品数に関わらず毎月4,900円(税抜)と販売手数料がかかりますが、基本成約料は無料です。商品がいくら売れても基本料金と販売手数料以外かかりません。
小口出品は月額登録料は無料ですが、商品が売れると1点につき100円の基本成約料がかかります。
仮に商品が50個売れた場合、基本成約料が5,000円かかる計算になるため、大口出品よりも費用が高くなります。
既に他のECモールでも実績のある事業者や売る商品が決まっている場合は大口出品を選ぶようにしましょう。
月の固定費を抑えたいなら小口出品にする
月の固定費を抑えたい方は小口出品のプランを選びましょう。
小口出品は基本成約料が1点につき100円かかりますが、月額登録料は無料です。
月に販売する消費が49個以下、販売する商品が少ない場合は小口出品の方が固定費を抑えられます。
ECモール運用・Amazon出店が初めての方は、お試しとして月額登録料のかからない小口出品プランの選択がおすすめします。
初期費用と一緒に確認したい!法人のAmazon出店方法
Amazonで出店する場合、アカウントを作成しますが、法人・個人事業主どちらも作成が可能です。
ここでは法人の出店方法と初期費用について解説します。
法人出店の手続きと費用
法人で出店する場合の手順は以下の通りです。
- プランを選択する
- アカウントを作成する
- 出品者・法人情報などを入力する
- 商品を出品する
それぞれ解説します。
プランを選択する
Amazon出店をする前にプランを決めておきましょう。
プランには以下の4点があります。
- 小口出品で自社発送
- 大口出品で自社発送
- 小口出品でフルフィルメント(FBA)
- 大口出品でフルフィルメント(FBA)
大口出品 | 小口出品 | |
---|---|---|
月額利用料 | 4,900円(税込)/月 | 無料 |
基本成約料 | 無料 | 100円(税別)/回 |
プランによって利用料が変わってくるので、出店前のプラン選択が重要です。
また、法人で商品の販売数が多い場合はフルフィルメント(FBA)を利用すると便利です。
自社にピッタリなプランを選択しましょう。
アカウントを作成する
Amazonにて出店する場合は、一般的なアカウントではなく出品専用のアカウントを作成する必要があります。
必要な情報は以下の項目です。
- 事業所の所在地・事業区分
- 法人名
- 法人番号
- 登記簿上法人名
- 店舗名
- 個人情報(国籍・氏名・生年月日・住所・電話番号・メールアドレス)
- クレジットカード情報
情報が入力できたら必要書類のデータをアップロードします。
- 有効期限内の顔写真付き身分証明書
(パスポート・運転免許証 ※マイナンバーカードは審査に使用できません)
- 過去180日以内に発行された各種取引証明書
(クレジットカードの利用証明書・インターネットバンキング取引明細・預金通帳 のうちのどれかひとつ)
アカウント登録後、審査は3営業日で終了します。
どれかひとつでも入力が漏れていたり、書類に不備があった場合審査に通らないので登録前に準備をしましょう。
出品者・法人情報などを入力する
アカウント登録後、出品者・法人情報などを入力します。主に以下の項目です。
- 特定商取引法など法令に基づく表示のための設定
(販売事業者名・住所・運営責任者・店舗名・電話番号)
- 支払い方法の設定
(銀行口座・クレジットカード情報・支払い方法の設定)
- 配送・返品の設定
(配送先住所・配送設定・日時の設定)
販売する商品によっては認可番号の届出が必要な場合もあります。
医薬品を扱う際は医薬品販売業許可証、アルコール類を扱う際は酒類小売業許可証の許可番号や届出番号の登録が必要です。
商品を出品する
出品者情報の入力が終わったらいよいよ商品の出品です。
登録方法は以下の2種類です。
- 型番商品
商品名や型番を使用して登録を行います。他社が既に販売している商品を取り扱う場合は相乗り出品になり、商品ページを新規で作成する必要はありません。
- オリジナル商品
独自に制作・作成した商品を販売する場合は、商品の申請が必要です。申請にはJANコードや商品名、商品の写真・説明文を入力する必要があります。
出店方法については、以下も参考になります。
法人と個人事業主の費用の違い
法人と個人事業主どちらもAmazonにて出店が可能です。同じプランを利用できるため、費用に違いはありません。
なお、Amazonフルフィルメント(FBA)を利用すると、業務に集中できる分費用もかかります。自社に合ったプランを選ぶようにしましょう。
Amazon出店の初期費用を他社と比較
世界三大モールのひとつであるAmazonのほかに、楽天市場・Yahoo!ショッピングがあります。
ここからはAmazon以外のモールと初期費用を比較してみましょう。
楽天と出店の初期費用を比較
Amazonと楽天の初期費用は以下の通りです。
Amazon | 楽天市場 | |
---|---|---|
初期費用 | 小口出品:無料 大口出品:月額4,900円 | がんばれ!プラン: 初期費用60,000円+固定費19,500円/月 スタンダードプラン: 初期費用60,000円+固定費50,000円/月 メガショッププラン: 初期費用60,000円+固定費100,000円/月 |
Amazonと比べると楽天市場は初期費用や固定費が高めです。
なお、登録可能商品数が5,000点〜無制限であったり、画像容量が500MB〜無制限であったりと便利な機能もついています。
また、Amazonの場合固定費以外にも販売手数料がかかります。
コストをかけずにまずはEC運営をしたい方はAmazonがおすすめです。
Yahoo!と出店の初期費用を比較
AmazonとYahoo!の初期費用は以下の通りです。
Amazon | Yahoo!ショッピング | |
---|---|---|
初期費用 | 小口出品:無料 大口出品:月額4,900円 | 無料 |
Yahoo!ショッピングの初期費用・固定費はAmazonの小口出品と同じく無料で利用できます。
また、Amazonの場合は販売手数料がかかりますが、Yahoo!ショッピングは販売手数料も無料です。出店にかかる費用が無料なのは事業者にとって嬉しいですね。
広告や決済サービスなどのオプションは有料ですが、出店するまでの費用を抑えられるのでECモール運営が初めての方におすすめです。
Amazon出店の初期費用に関してよくある質問
Amazon出店の初期費用にまつわるよくある質問は以下の通りです。
- Amazonの個人出店はトラブルが多いって本当?
- Amazonの出品は怪しいと思われる?
- Amazon出店の初期費用はカテゴリーによって違う?
それぞれ解説します。
Amazonの個人出店はトラブルが多いって本当?
Amazonで個人出店をしていると購入者とのトラブルが起きる場合があります。
細心の注意を払って商品を発送しても「商品が破損していた」という理由で返品リクエストが届く場合があります。
しかし、中には「注文を間違えた」「思っていた商品と違った」といった購入者都合の返品リクエストもあります。
返品理由がAmazonの返品ポリシーに該当するのであれば返品対応を行っても大丈夫です。
Amazonには返品交換の条件も設けられています。
また、個人出店の場合は独自の返品交換の条件を設定することが可能なので、購入者とのトラブルを回避することができます。
なお、返品交換の条件が多すぎると顧客が敬遠してしまう場合もあるので、商品の特徴をよく考えてから設定しましょう。
Amazonの出品は怪しいと思われる?
Amazonは法人だけでなく個人でも出店できます。
最近は注文した商品が発送されなかったり、返品のために商品を送っても返金しなかったりといった悪質な出品者が増えてきています。
そのため、Amazonの出品者は怪しいと思われているのです。
悪質な出品者の特徴は以下のとおりです。
- 出品者の評価が低い
- 出品者の評価が古い
- 商品の価格が安い
- 海外の出品者である
梱包や発送など正しく行っていれば悪い評価がつけられる可能性は低いですし、安すぎず購入しやすい価格設定にしていれば怪しまれることはないでしょう。
Amazon出店の初期費用はカテゴリーによって違う?
Amazon出店の初期費用・固定費は4,900円、販売手数料がかかりますが、カテゴリーによっても販売手数料が変わります。
カテゴリー | 販売手数料の割合 | 最低販売手数料 |
---|---|---|
メディア (本・DVD・ミュージック・PCソフト・ビデオ) | 15% | なし |
エレクトロニクス | 商品1点あたりの売上の合計が750円以下の場合は商品代金の5% 商品1点あたりの売上の合計が750円を超える場合は商品代金の8% | 30円 |
パソコン・周辺機器 | 商品1点あたりの売上の合計が750円以下の場合は商品代金の5% 商品1点あたりの売上の合計が750円を超える場合は商品代金の8% | 30円 |
家電アクセサリ | 商品1点あたりの売上の合計が750円以下の場合は商品代金の5% 商品1点あたりの売上の合計が750円を超える場合は商品代金の10% | 30円 |
Amazonデバイス用アクセサリ | 45% | 30円 |
楽器およびAV制作機器 | 商品1点あたりの売上の合計が750円以下の場合は商品代金の5% 商品1点あたりの売上の合計が750円を超える場合は商品代金の10% | 30円 |
ドラッグストア | 商品1点あたりの売上の合計が750円以下の場合は商品代金の5% 商品1点あたりの売上の合計が750円を超え、1,500円以下の場合は商品代金の8% 商品1点あたりの売上の合計が1,500円を超える場合は商品代金の10% | 30円 |
ビューティ | 商品1点あたりの売上の合計が750円以下の場合は商品代金の5% 商品1点あたりの売上の合計が750円を超え、1,500円以下の場合は商品代金の8% 商品1点あたりの売上の合計が1,500円を超える場合は商品代金の10% | 30円 |
健康家電・理美容家電 | 商品1点あたりの売上の合計が750円以下の場合は商品代金の5% 商品1点あたりの売上の合計が750円を超える場合は商品代金の10% | 30円 |
スポーツ&アウトドア | 商品1点あたりの売上の合計が750円以下の場合は商品代金の5% 商品1点あたりの売上の合計が750円を超える場合は商品代金の10% | 30円 |
※上記のカテゴリーは一部です。
カテゴリーによって販売手数料の割合も異なるため、扱う商品によって費用も変動します。
自社がどのカテゴリーを扱うのか確認をしましょう。
まとめ
本記事では、Amazon出店の初期費用について詳しく解説しました。
Amazonのプランや扱うカテゴリーによって初期費用・固定費は異なります。
自社の商品が月にどのくらい販売できるのか確認し、出店に必要な情報や書類も準備しておきましょう。
また、Amazon以外にも楽天市場やYahoo!ショッピングでの出店も可能ですが、固定費や利用できるサービスも異なります。
無料で利用できるプランはお得ですが、有料で固定費がかかるプランの方が事業者によってはお得になる場合もあります。
自社がどのプランにピッタリなのかじっくり検討して出店するモール・プランを選びましょう。
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