楽天「二重価格」でお得感をアピールする方法&知っておくべきルール

楽天で二重価格をアピールしよう!

商品を購入してもらうために大事なお得感。ただ値引きをして「今だけお買得!」などとアピールする方法もありますが「今なら30%OFF!当店通常価格1,000円のところ700円でお買い得!」など具体的な数値で示したほうがユーザーの目を引きやすくなりますし、お得感も引き立ちます。

ただし、楽天市場に限らず、二重価格表示をする際には法律やプラットフォームごとに定められたルールがあり、ルールを知らずに実施すると思いがけないペナルティを受けるリスクがあり注意が必要です。

このページでは、楽天出店における二重価格表示について注意すべきルールから設定方法、エラーへの対処法までまとめて解説します。楽天市場でユーザーの購買意欲を高めるための、効果的な施策の1つとして、しっかりチェックしていきましょう。

目次

楽天での二重価格にはルールがある

楽天市場で二重価格を設定する際は、不要なペナルティを受けないよう、まずはその基本部分から把握しておく必要があります。

二重価格とは

二重価格とは、商品の元値と値引き価格を一緒に表示すること。よくセールなどで、「定価1,000円のところ700円」と表示する、あの表示のことです。

セールでの販売価格がいかに安いかを示すのに、非常に効果的なアピール方法です。

楽天市場の二重価格表示問題

2014年3月、楽天市場のセール対策として、通常価格より高額な値段を元値として表示させる提案を楽天市場の従業員が出店店舗に対して行っていたことが報じられ、大きな問題となりました。

この報道を受けて楽天市場は企業全体として問題点を改善していくこととなり、現在では二重価格や割引表示について細かな条件や守るべきルールが定められています。

楽天市場出店で把握しておくべき二重価格のルール

楽天市場への出品で二重価格によるアピールができれば効果的ですが、設定のためには守るべきルールがあります。

「根拠のない比較対照価格」の表示が禁止であることを大前提として、以下の二重価格表示条件をチェックしておきましょう。

比較対象価格の種類表示条件
当店通常価格直近2週間でその価格での販売実績あり
かつ、以下のいずれかにあてはまること
・過去8週間のうち合計4週間その価格での販売実績あり
・販売期間が8週間未満の場合はその期間の過半かつ2週間以上の販売実績あり
メーカー希望小売価格商品ページ上で、メーカー希望小売価格が設定されているというエビデンスを掲載すること
参考小売価格楽天市場が保持する「小売業者や消費者に広く呈示されている参考小売価格のデータ」を、JANコードを用いてシステム上のショップの商品ページに引用すること
旧定価楽天市場が保持する「書籍の旧定価データ」を、ISBNコードを用いてシステム上でショップの商品ページに引用すること
旧定価景品表示法および楽天市場が定めたルールに従い、元値表示している商品であること
参照:楽天ヘルプ「値引き商品の元値表示について」

メーカー希望小売価格を表示するための必須事項

楽天市場で「メーカー希望小売価格」との二重価格を設定する際に必須となるエビデンスとは、メーカー希望小売価格を証明する資料を指します。

エビデンスを商品ページに掲載する際は、以下の2つの表示条件を満たした表示でなければなりません。

  • エビデンスの種類を表示
  • エビデンスの画像あるいはリンクを表示

実際の表示パターンはいろいろありますが、一例としては以下のような表示があります。

二重価格表示

ここではメーカー希望小売価格5,400円の表示があり、その下に販売価格2,700円と二重価格表示がされています。価格表示の上には「メーカー希望小売価格はメーカーカタログに基づいて掲載しています」とあり、この文字部分をクリックすると、メーカーカタログのPDFファイルがダウンロードされる仕組みになっています。

この事例でのエビデンスの種類は「メーカー希望小売価格」で、エビデンスのリンク先はメーカーカタログのPDFの指定と、上に示した2つの表示条件がそれぞれ守られているわけです。

二重価格表示におけるエビデンスについての詳細は後述しますが、いますぐチェックしたい場合は、以下リンクよりジャンプできます。

楽天での二重価格に必須のエビデンスとは 

景品表示法にも要注意

商品の二重価格表示については楽天市場のみならず、景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)という法律によっても表示が制限されています。

以下は、不当景品類及び不当表示防止法 第五条二項の条文です。

商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの

引用:e-GOV「不当景品類及び不当表示防止法」

不当景品類及び不当表示防止法に基づき、消費者庁でも価格表示ガイドラインを定めています。

消費者庁「価格表示ガイドライン」

これらに違反すれば法を犯すこととなりますので、物販事業における基本事項として押さえておきましょう。

楽天での二重価格における禁止事項とは

楽天市場で「当店通常価格」もしくは「メーカー希望小売価格」を示して二重価格の設定を行う際には、以下のとおり禁止事項があります。

比較対象価格禁止事項
当店通常価格・同一の商品を複数登録し、そのうち一部の商品の販売価格を、同時に販売する他の同一商品の販売価格より高く設定した上で一定期間掲載したのち、その商品の価格を下げることによって、あたかも値引きをしたように見せかけること
・ある商品が掲載されていた商品ページの内容を別の商品のものに書き換え、あたかも当該商品の販売実績があるかのように見せかけること
・断続的に全会員向けの商品別クーポンを発行し、楽天会員であれば誰でも当該商品をクーポンによる値引き後の価格で購入できる状態であるにもかかわらず、クーポンによる値引き前の価格を当店通常価格として表示すること
・消費税込の価格を消費税別の価格に変更する、送料込の価格を送料別の価格に変更するなど、価格設定や取引条件を変更することによってあたかも値引きしたかのように見せかけること
メーカー希望小売価格①の条件を満たしてメーカー希望小売価格を表示する場合
・卸売業者が定める参考上代等メーカー希望小売価格といえない価格をメーカー希望小売価格として表示すること
・同一の商品といえない商品価格との比較をおこなうこと
※新品と中古品、純正品と互換品など、同一の商品といえない商品価格と比較することはおやめください。
出典:「二重価格・割引表示に関するガイドライン

楽天市場で二重価格を設定する際は、明確な証拠が必要です。虚偽の情報や本来比較すべきでない価格を比較対象価格として表示されることは、禁止されています。

楽天での二重価格に必須のエビデンスとは

エビデンス(evidence)とは、英語で「証拠」「根拠」といった意味。楽天市場でメーカー希望小売価格を用いて二重価格を表示する場合は、明確な証拠となる資料、つまりエビデンスが必要です。

楽天市場の店舗運営Naviでは、商品ページに掲載するエビデンスについては、以下のとおり記載されています。

前提として「予め公表され、消費者に広く示されているもの」である必要があります。

引用:楽天市場「店舗運営Navi」

エビデンスとして認められる資料とは

メーカー希望小売価格を用いた二重価格の設定で必要なエビデンスとして、楽天市場への掲載が認められるのは、以下に該当する資料のみです。

  • メーカーサイトで明確に「メーカー希望小売価格」または「消費者向け販売価格」として表示されていると分かるページ(サイトトップページと価格が分かる該当ページ、サイト運営者が分かるページの全て)のキャプチャー画像
  • 消費者向けとしてメーカーが作成したカタログで「メーカー希望小売価格」または「消費者向け販売価格」として表示されていることが分かるページ(カタログの表示、価格が分かる該当ページ、カタログ発行者が分かるページの全て)のキャプチャー画像
  • メーカーによる広告(新聞や雑誌等)で「メーカー希望小売価格」または「消費者向け販売価格」として表示されていることが分かるページのキャプチャー画像
  • メーカーが商品本体に印字している「メーカー希望小売価格」や、商品本体に付けられた価格を示すタグを撮影した画像(ブランド名やメーカー名の印字があるものに限る)

これらに該当しないものは、エビデンスとしての効力もありません。

エビデンスのテキスト記載方法

楽天市場でメーカー希望小売価格を設定する際には、必ず以下4つのテキストのいずれかを、RMSの「商品登録」で「PC用商品説明文」欄に入力しなければなりません。

  • メーカー希望小売価格はメーカーサイトに基づいて掲載しています
  • メーカー希望小売価格はメーカーカタログに基づいて掲載しています
  • メーカー希望小売価格はメーカー広告に基づいて掲載しています
  • メーカー希望小売価格はメーカー商品タグに基づいて掲載しています

このテキストは、楽天市場のシステムで機械的にチェックされるため、完全一致の状態で表示させる必要があります。テキストにスペースや改行や記号が入ると記載されていないとみなされますので、必ずこの表記のままコピペで入力しましょう。

テキストの入力欄も、RMSの「商品登録」→「PC用商品説明文」と指定されています。

「PC用商品説明文」の入力は、以下の手順で行います。

RMSのトップ画面で、①[店舗設定]→②[商品管理]をクリック。

商品管理メニュー

商品管理画面の[商品一覧・登録]をクリック。

商品一覧・登録

新規登録の場合は①[通常商品の登録]を、登録済商品の場合は該当する商品の②[編集]をクリック。

通常商品の登録

「商品ページ情報・デザイン」の項目内にある「PS用商品説明文」の欄に、選択したテキストをそのままコピペで挿入します。

PS用商品説明文

登録が完了したら、画面下の[登録]ボタン(変更の場合は[更新]ボタン)をクリックすれば、設定完了です。

登録

エビデンスの画像・リンク掲載方法

エビデンスの画像やリンクを掲載する場合には、以下のルールがあります。

  • エビデンス画像やPDFファイル等はRMSの画像・動画登録機能「R-Cabinet」もしくは楽天市場が楽天出店者に無料提供するサーバーシステム「楽天GOLD」に登録
  • ファイル形式はjpg、gif、png、pdf、htmlのみ(jpeg、htmは不可)
  • リンク先のファイル名には必ず半角で「evidence」の文字列を含める

楽天市場で集客力や販売力を高めるためには、二重価格などユーザーにアピールする様々な施策が欠かせませんが、戦略として活用できる材料がありすぎて、どこから手を付けていいのか分からないといったお悩みもあるでしょう。

楽天市場では担当のコンサルタントが運営サポート対応をしてくれますが、場合によってはECサイト運営代行会社に相談する方法もあります。ECサイト運営の知識も経験も豊富なプロが楽天出店における現状を把握・分析したうえで、集客アップや収益アップにつながる最適プランをご提案いたします。お気軽にお問い合わせください。

楽天での二重価格設定方法

続いて、RMSで二重価格を設定する方法について解説します。

RMSでの二重価格設定の流れ

楽天市場で販売する商品に二重価格を設定する手順は、以下のとおりです。

RMSにログインし、①[店舗設定]→②[商品管理]の順にメニューをクリック。

商品管理

商品管理画面の[商品一覧・登録]をクリック。

商品一覧・登録

新規登録の場合は①[通常商品の登録]を、登録済商品の場合は該当する商品の②[編集]をクリック

通常商品の登録

「通常商品 編集」画面の「価格」の項目内にある、以下の赤枠内「表示価格」欄で設定。実際にユーザーに提供する販売価格は、そのすぐ上の「販売価格」欄に入力します。

表示価格

表示価格欄の「表示しない」の欄をクリックすると、以下のプルダウンメニューが表示されます。ここで「当店通常価格」や「メーカー希望小売価格」など該当する項目を選択。すぐ横にある価格欄に、エビデンスで示されている価格を入力します。

「表示しない」で表示されるプルダウンメニュー

ここでは詳細情報の解説は割愛しますが、上のプルダウンメニューで「商品価格ナビのデータ参照」を選択すると、楽天運営が保有する価格データを活用してエビデンスが不要で二重価格を表示できます。

「商品価格ナビのデータ参照」による二重価格掲載マニュアル

画面下の[登録]ボタン(変更の場合は[更新]ボタン)をクリックすれば、二重価格の設定が完了です。

登録

二重価格表示チェック結果

RMSで二重価格を設定した後は、同じくRMS内で「二重価格表示チェック結果ダウンロード」の機能からチェック結果のファイルをダウンロードできます。

ファイルのダウンロード方法は、以下のとおりです。

RMSにログイン、[店舗設定]→[商品管理]の順にメニューをクリック。

商品管理

商品管理画面の商品編集項目内の「チェック結果ダウンロード」に表示されている「二重価格表示チェック結果ダウンロード」の青文字をクリック。

二重価格表示チェック結果ダウンロード

以下の画面になり、該当する結果ファイルをCSVでダウンロードできます。

二重価格表示チェック結果ダウンロード

この結果ファイルは、毎日24:00頃の商品データ情報分が作成されます。登録直後にチェックしても正確なチェック結果をダウンロードできません。時間をおいてチェックしましょう。

楽天RMSで二重価格の表示が「✕」になる理由

二重価格登録後のチェック結果で「✕」マークが表示されることがあります。

エビデンスが✕になる理由

二重価格表示チェック結果のエビデンス欄に✕マークが表示される場合は、[PC用商品説明文]で入力したエビデンスが間違えていないか確認しましょう。

先にも紹介しましたが、指定されている4つのいずれかの記載が必要で、このテキストに記号やスペースが入っているとエラーになります。

  • メーカー希望小売価格はメーカーサイトに基づいて掲載しています
  • メーカー希望小売価格はメーカーカタログに基づいて掲載しています
  • メーカー希望小売価格はメーカー広告に基づいて掲載しています
  • メーカー希望小売価格はメーカー商品タグに基づいて掲載しています

テキストが異なっている場合は、商品登録画面で修正しましょう。

二重価格表示条件が✕になる理由

二重価格表示チェック結果で「✕」マークが表示される場合は、以下の理由が考えられます。

  • 「商品価格ナビのデータ参照」利用で設定した二重価格の設定に誤りがある
  • 「当店通常価格」の設定で元値として設定可能な条件を満たしていない価格を表示している
  • 「当店通常価格」の設定で価格表示に誤りがある

これらの内容を確認のうえ、誤りがある場合は商品登録画面で修正してください。

楽天での二重価格のルール違反でどうなる?

楽天市場で二重価格のルールに違反すると、楽天市場のガイドライン違反として違反点数が加点されるだけでなく、景品表示法の有利誤認に該当し、法律違反となる可能性もあります。

楽天市場でのペナルティは違反点数制度によって細かく決められており、二重価格に関する違反があった場合は「20点」の加点対象。100点累積すると、アカウント削除のペナルティが科せられるので注意が必要です。

楽天市場のペナルティについて、詳しくは以下の記事で解説していますので、併せてご覧ください。

★記事リンク 楽天 ペナルティ

楽天では二重価格をしっかりアピールしよう

楽天市場での二重価格設定は、ユーザーへのアピール材料として非常に有用です。

二重価格の設定根拠があれば、面倒でも必要なエビデンスを用意して設定を行い、商品をしっかりアピールしていきましょう。

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