楽天市場での出店はショップページの構築が必要で、そのページ作りが難しいのではと利用を躊躇されている方もいらっしゃるでしょう。結論から言えば、楽天市場で「売れるショップページ」を作成するのは簡単なことではありませんが、手間を省いて構築する方法もあります。
このページでは、楽天ショップページの構築方法や作成時に押さえておくべきポイント、外部委託のメリット・デメリットまで、まとめて解説します。楽天市場で売れるショップを構築するためのヒントとしてご活用ください。
楽天は構築が大変？初心者でもできる？
楽天市場への出店は、「出品型」のAmazonと異なり「出店型」。店舗単位での販売になるため、ショップページの構築が非常に重要な課題となります。
楽天市場のショップページ構築が大変かどうかは、まずWebページ構築の知識や経験がどれくらいのレベルかによって大きく変わってきます。
楽天の構築は初心者にはハードルが高め
パソコン操作に慣れていない初心者の方が1から挑戦する場合、ショップをとりあえず見られる状態にするだけでもハードルが高いと言えます。ホームページや自社ブログの構築・運営経験があれば、難易度は下がります。
ただし、ECショップとして成果を上げるためのページ構築は、一朝一夕で完了するものではありません。プロであっても試行錯誤の繰り返しが必要であり、ページを作成しただけで構築完了というわけではないことは知っておきましょう。
楽天市場のショップページを初めて構築する方法は複数あるので、レベルに応じて構築方法を選択するのがおすすめです。
楽天市場のショップページ構築にはHTMLの知識が必要？
楽天市場では、ショップごとに様々なページが構築されています。楽天市場で出店するためには、HTMLやプログラミングの知識やスキルがないと難しいのでは、と不安を感じている方もいらっしゃるでしょう。
楽天市場のショップページの構築方法次第では、HTMLの知識やプログラミングスキルが必要ですが、必須というわけではなく、ほかにも構築の方法はあります。
これまでに経験のない状態から、いきなり楽天市場のショップページを1からコーディングして構築するとなれば難易度が非常に高く、手間も時間もかかる上、途中で挫折する可能性もあります。
まずは楽天市場のショップページ構築に、どのような方法があるのか見ていきましょう。
楽天市場でショップページを構築する3つの方法
楽天市場でショップページを構築するには、主に以下の3つの方法があります。
- 楽天おすすめの有料サービスを利用する
- 自社でコーディングして1から構築する
- 外部委託する
これら3つの構築方法を詳しく見ていきましょう。
楽天市場おすすめの有料サービスを利用する
楽天市場では、ショップページ制作ツールとして、以下の4つのサービスを出店者向けに紹介しています。
| サービス名称 | 月額料金（税別） | サービスの特徴等 |
|---|---|---|
| compass（コンパス）for 楽天市場 | 2,980円 | 初回最大2ヶ月間無料 楽天GOLD併用不可 |
| EasyPage（イージーページ）for 楽天市場 | 5,000円 | 初回最大2ヶ月間無料 PCとスマホそれぞれにデザインのカスタマイズが可能 |
| Biiino（ビーノ）for 楽天市場 | 4,500円 （SUMAOU！とのセット利用の場合5,480円） | レスポンス対応 スマホでのデザインカスタマイズ不可 スマホ独自のデザインカスタマイズにはSUMAOU!とのセット利用がおすすめ |
| SUMAOU!（スマオウ）for 楽天市場 | 3,980円 （Biiinoとのセット利用の場合5,480円） | スマホ特化サービス PCページ構築にはBiiinoのセット利用がおすすめ |
これらのサービスを利用すると、HTMLなど難しいコーディングが不要。サービス内で用意されたパーツを組み合わせて、それほど深い知識がなくてもショップページを構築できるのが大きなメリット。
ただし、決められたテンプレートから作成するため、カスタマイズできる範囲が限られており、売れるショップページを作成するには、やはり一定の知識が必要です。
ちなみに、これらのサービスはいずれも月額で固定料金がかかり、解約すると楽天市場の店舗運営システム「RMS」との連携が解除され、一部ページの更新が行えなくなるといった点が大きな不安材料となります。
ページに新規情報等の登録ができないとなると、そこまで構築してきたページの全面リニューアルを余儀なくされることもあるわけです。これは事前に把握しておきたいデメリットでしょう。
自社でコーディングして1から構築する
自社で商品ページを1からコーディングできるのであれば、「楽天GOLD」という楽天出品者が無料で利用できるサーバーシステムにHTMLファイルをアップロードすることでショップページの構築が可能です。
楽天GOLDの利用は無料ですが、ショップページ構築に関しては、担当コンサルタントによるサポートの対象外です。楽天GOLDにデータをアップロードする際にはFTPソフトが必要ですし、データバックアップ等のメンテナンス作業も自社で実施することとなります。
あくまでも、自社内でページのコーディングやメンテナンス管理ができる上級者向けの選択肢です。
外部委託する
楽天市場でショップページを構築するには、ECサイト構築のプロに任せる方法もあります。
ショップページ制作ツールを導入したり、コーディングでページを構築したりすることにも、人材や知識、時間やコストがかかるもの。
プロに依頼してもコストはかかりますが、楽天市場でのショップ構築のノウハウや知識、経験を生かしたクオリティの高いショップページを構築できます。
お金をかけて試行錯誤したものの成果につながらず、結局プロに依頼したというケースも少なくありません。それでは遠回りですし、様々なコストの無駄も発生します。
外部委託する場合のメリット・デメリットについては、次の章で詳しく見ていきましょう。
楽天ショップ構築を外部委託するメリット
楽天市場のショップ構築を外部委託する主なメリットは、以下のとおりです。
- 売れるページを最短で構築できる
- プロが構築したページで初速を上げられる
- 自社ではショップページ構築以外の重要な業務に専念できる
- ECサイト運営代行会社ならマーケティング施策も任せられる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
売れるページを最短で構築できる
楽天市場のショップページ構築を外部委託すれば、プロの知識やノウハウを詰め込んだページを構築できて、無駄な時間やコストを省くことができます。
あれこれ費用をかけて最終的にプロに依頼するのであれば、最初から専門家に任せたほうが費用対効果も高まるでしょう。
楽天市場でのショップページ構築は、ECモール出店のスタート地点でしかありません。出店開始してからユーザーを集め、売上げを伸ばしていくことがEC事業展開における最も重要なポイント。
効率よくクオリティの高いショップページを構築・公開し、ユーザーの反応を見ながら精度を高めていく必要があるのです。ページ構築から外部委託でプロ視点を入れることは、ECショップの将来性を高めることにもつながります。
プロが構築したページで初速を上げられる
ECサイトでは、ショップページがなければ事業が成り立ちません。
プロが構築したショップページは、素人がテンプレートで作成したページとはグレードが違います。
ECサイトのクオリティは、ユーザーから見ても良し悪しが明確に分かるもの。素人感が感じられるページと高クオリティのページでは、ユーザーがショップに対して持つ印象も大きく左右されるのです。
クオリティの高いページは、ショップの信頼性やブランディングにも役立ち、売上アップまでの初速を上げることにも貢献してくれます。
ショップページ構築以外の重要な業務に専念できる
ショプページ構築に慣れていなければ、ツールを利用したとしても、ページを作ることは簡単ではありません。知識がなければECショップページの構築方法やデザインも学ぶ必要があり、時間も手間もかかるでしょう。
時間や労力をかけたからといって求めるようなページ、注文を獲得できるページが仕上がる保証はなく、散々手間をかけた末に外部委託するしかなくなるといったケースもあるのです。
ショップページ構築を最初から外部委託しておくことで、作業時間や人員の無駄を省いて、ページ構築以外の重要な出店準備作業にリソースを集中させられます。
ECサイト運営代行会社ならマーケティング施策も任せられる
Webページ制作のみを請負う企業もありますが、ECサイト運営代行会社にショップページ構築を依頼すれば、売るためのマーケティング施策も併せて依頼できます。
ECサイトで、ただデザイン性の高い美しいページを作ったとしても、それだけで商品が売れていくわけではありません。集客に強く、成果につながる機能的なページ作りが求められるのです。
ECサイト運営代行会社に依頼すれば、ショップページ構築はもちろん、ショップ運営の規模や状況、データを分析した上で、最適な施策の提案なども全面的にサポート・支援してもらえます。
楽天市場では、ガイドラインのルール遵守も忘れてはならない重要な要素。まとめてプロに依頼することで、ペナルティを回避した健全運営も可能となります。
楽天ショップ構築を外部委託するデメリット
楽天市場のショップページ構築を外部委託する際のデメリットもチェックしておきましょう。
- コストがかかる
- 自社のノウハウ蓄積につながりにくい
- 期待どおりの成果が得られるとは限らない
コストがかかる
楽天市場のショップページ構築を外部委託するには、制作ツールの利用と比較して高額な費用がかかります。
クオリティの高い成果物が得られるにしても、予算にも限りがあります。依頼する業者にもよりますが、予算に合わせてポイントを絞ったプランを用意しているところもあるので、まずは相談してみましょう。
自社のノウハウ蓄積につながりにくい
ショップページ構築を外部委託すれば、効率よく楽天市場への出店を実現できますが、プロに任せることで社内のスキル蓄積にはつながりにくい点はデメリットといえます。
委託契約期間が終了したときに困らないように、どのようなアフターサポートが受けられるか事前に相談しておくと安心です。
期待どおりの成果が得られるとは限らない
楽天市場でのページ構築を外部委託すれば100％成功できるか、といえばそうとは言い切れません。
なぜなら、ECサイトで集客して商品を多く販売するためには、ショップページの構築だけでなく、データの分析を行い、問題点を見極めた改善を行っていくなど、様々な施策とテストの繰り返しが必要だからです。
成果を出すためのフォローや、分析、施策をどのようにサポートしてくれるかなど、しっかり見極めた上での依頼が重要です。
楽天市場でのショップ構築を外部委託する際は、経験豊富で実績あり、トータルでしっかりとサポートしてくれる信頼性の高いEC運営代行会社を選びましょう。
楽天市場のショップページは作成ツールがあれば簡単？
制作ツールの利用や、自社でHTMLコーディングしたりと、ショップページ構築の方法は複数ありますが、いずれもショップページを構築したからといって、自動的に商品が売れていくわけではありません。
ショップのカラーを出して魅力が伝わる「売れるページ」を構築するためには、Webページ構築のノウハウや導線の組み方、デザイン性が求められます。ページ構築だけが最終目的ではないのです。
ECサイトでは、ショップの顔であり、看板です。ショップページで、ユーザーの目を引き、魅力や特徴を伝えられなければ、集客増も収益アップも期待できません。
楽天市場でのショップ構築はページを作成して終わりではなく、そこからユーザーに商品の購入してもらった上でファンになってもらい、リピート購入につなげていくための改善施策が欠かせないのです。
楽天市場でページ作成ツールの申込みを検討する際は、この点も理解しておきましょう。
楽天市場で売れるページを構築する5つの重要ポイント
楽天市場で売れるページを構築するためには複数の注意ポイントがありますが、その中でも特に以下の5つが重要です。
- ショップの印象
- 情報と分かりやすさ
- サムネイルやバナー
- ショップ内の導線
- スマホ表示の最適化
楽天市場のユーザーから見て魅力的なページを構築するために、これらのポイントを押さえておきましょう。
ショップの印象
第一印象が悪いECショップでは、集客も売上アップも見込みにくいものです。
ショップの顔となるページの印象は、ブランディング対策にもなる部分。
どのようなショップで何を販売しているのか、価格やサービス内容等、ユーザーに魅力を感じてもらえる要素をしっかりアピールしましょう。
情報と分かりやすさ
ネットショップでは、ユーザーが商品ページから得た情報で購入するかしないか判断しています。
説明文や画像など、情報不足で商品やサービスの内容がうまく伝わっていなかったり、不安点や不明点があるようでは、商品を購入してもらうことも難しくなります。
文字情報だけでなく、イラストや画像、動画を上手に利用して、ユーザーの不安や疑問を丁寧に解消できるページを構築しましょう。
例えばページを長めにして、じっくりと不安を解消していくページ作りができれば、ユーザーはそれらの情報で納得した上で、安心して商品をカートに入れられます。
サムネイルやバナー
楽天市場では、ページ全体のデザインや回遊性等も重要ですが、サムネイルやバナーも成果につながる大きな役割を果たしています。
サムネイルに魅力がなければ、クリックされずに商品ページへの流入を増やすこともできません。
小さなパーツではありますが、売上げアップのために欠かせない非常に重要な部分ですので、複数のパターンを用意してA/Bテストを実施するなど、注力したいところです。
ショップ内の導線
ECショップでは、店内を広く回遊してもらうことで、合わせ買いなども期待できます。
商品ページからの流入があったとして、そこから複数のページを見てもらうための誘導ができるかどうかで、客単価も変わってくるもの。
関連商品のアピールも含め、ショップ内での回遊率を高める施策を検討する必要があります。
スマホ表示の最適化
楽天市場に限らず、ECサイトはスマートフォンでの利用が大半を占めていますので、スマホ表示で快適な買い物ができるかどうかの確認が欠かせません。
ショップページの構築はPCでの作業が中心で、スマホ表示については、つい見落としがちなので要注意。
スマホで文字が見えない、画像が判別できないといった不具合があれば、大きな機会損失になりかねません。
ショップページの構築では、スマホ表示メインで見え方をチェックしましょう。
楽天市場のショップページ構築はECサイト運用のスタート地点
楽天市場で収益を上げていくための最初の一歩となるショップページ構築。ここでつまづいては、EC店舗運営で成果を出すことはできません。
構築したショップページから成果が出ない場合、その理由を解析して次につなげていくことができなければ、ショップページもそのまま衰退してしまいます。
効率よく収益アップできるように、ここまで紹介した重要ポイントも押さえて楽天市場のショップページを構築・改善していきましょう。
自社で十分なリソースが割けない場合は、外部委託して効率的に初速を上げることがおすすめです。
