Amazonにおけるブランド毀損とは?事例や取り組むべき対策を解説!

Amazon ブランド毀損

Amazonに自社の商品を出品・販売する際は「ブランド毀損」による被害に注意しましょう。

ブランド毀損とは、出品している商品が持つブランドの評判や、イメージの悪化によって、ユーザーからの信頼が失われる現象です。

もし、ブランド毀損の被害を受け、自社の評判が損なわれると、売上や顧客獲得に大きな影響を及ぼす恐れがあります。

そこでこの記事では、Amazonでブランド毀損が生じる要因について解説し、ブランド毀損を防ぐための対策を紹介します。

Amazonで実際に生じたブランド毀損の事例も紹介していますので、ぜひ自社で対策を講じる際の参考にしてみてください。

目次

Amazonにおけるブランド毀損とは?

Amazonにおけるブランド毀損とは?

Amazonにおけるブランド毀損とは、出品されている商品が持つブランドの評判や、イメージの悪化によってユーザーからの信頼が失われる現象を指します。

そもそも「ブランド毀損」とは、さまざまな事象により、ブランドの価値や評判・イメージが悪化することを指す言葉です。

Amazonには、ほかのECプラットフォームと比較して商品を出品しやすいという特徴がある一方、悪質な出品者や模倣品の流通が発生している現状があります。

悪質な出品者だと気づかずに商品を購入したユーザーが、その商品を製造・販売するメーカーに対して不快な気持ちを抱いてしまうことで、ブランド毀損へとつながる恐れがあります。

ここからは、Amazonで生じるブランド毀損における、下記2点について、さらに詳しく見ていきましょう。

  • Amazonでブランド毀損が起こる主な原因
  • Amazonでブランド毀損の被害を受けた場合の影響

Amazonにおけるブランド毀損の多くは転売が原因

Amazonにおけるブランド毀損の被害を受けてしまった場合は、以下のような影響が生じる可能性があります。

  • 新規顧客の獲得が困難になる
  • リピート購入が減少し、売上が減少する
  • ユーザーからのクレームや返品が増加する
  • ブランドの成長が阻害される
  • 企業全体の成長が阻害される
  • 社会的信用が低下する

もしも、Amazonでブランド毀損の被害を受けてしまった場合は、早急に対策を講じましょう。

また、すでに業績が悪化している場合は、ブランド毀損が生じていないか確認することも大切です。

Amazonでブランド毀損の被害を受けた場合の影響は?

Amazonにおけるブランド毀損は、多くの場合、転売が原因で引き起こされています。

Amazonの商品ページでは、正規販売店と転売業者のどちらが出品している商品なのかを、ユーザーが判断しづらいという特徴があります。

実際に、価格が安いことなどを理由に商品を購入してみると、状態が悪い商品が手元に届いてしまうというケースもあるようです。

しかし、たとえ転売業者から商品を購入していたとしても、ユーザーは気づかずに、正規販売店に対して悪い印象をもってしまう恐れがあります。

このような状況に陥ると、SNSなどで悪い口コミを拡散されてしまう可能性も考えられるため、注意が必要です。

Amazonでブランド毀損が生じる要因は?

Amazonでブランド毀損が生じる要因は?

Amazonでブランド毀損が生じる主な要因として、以下の3つが挙げられます。

  • 低評価のレビュー
  • 非公式の出品者による商品の販売
  • 商品ページの画像や説明文

上記3つの要因について、詳しく見ていきましょう。

低評価のレビュー

低評価のレビューは、Amazonにおけるブランド毀損へつながる恐れがあります。

商品レビューは、ユーザーが実際に購入した商品に対して、意見や感想を投稿するものです。

購入前の商品を直接手に取って確認することができないネットショップでは、ほかの購入者がその商品をどのように感じたのかを参考にする傾向が見られます。

多くの場合、低評価のレビューは、商品に対する客観的な評価であり、商品の欠点や問題点を指摘するものです。

しかし、レビューのごく一部には、下記のような不適切なレビューが含まれている場合もあります。

  • 事実とは異なる内容
  • 他者を誹謗中傷する内容
  • 営利宣伝目的の内容
  • 同一人物が悪意を持って行う、同じような内容を含む書き込み
  • その他、Amazonのガイドラインに違反する書き込み

低評価のレビューの中でも、上記のような不適切なレビューが投稿されることで、ユーザーからの信頼が失われることがあります。

非公式の出品者による商品の販売

Amazonでは、正規販売店とは異なる非公式の出品者によって商品が販売されていることで、ブランド毀損が生じる可能性があります。

特に、自社が取り扱う商品について、非公式の出品者が「カートを獲得している場合」は注意が必要です。

Amazonでは、「1つの商品に対して、商品詳細ページは1つ」というルールがあります。

複数の出品者が同じ商品を出品している場合であっても、商品ページのトップに表示されるのは、1ショップの商品だけです。

このように、商品ページのトップに表示されている商品を「カートを獲得している商品」と呼びます。

Amazonでは、出品者を気にすることなく、「カートを獲得している商品」をそのまま買い物かごに入れて購入へ進むユーザーがほとんどです。

もし、非公式の出品者がカートを獲得している場合は、状態が悪い商品や模倣品がユーザーの手元へ届くケースが増加してしまう恐れがあります。

このような事態がブランドの価値を低下させることで、ブランド毀損へつながってしまうのです。

商品ページの画像や説明文

Amazonにおけるブランド毀損が生じる要因は、低評価のレビューや転売業者といった、外的要因だけではありません。

商品を出品する際に設定する、商品ページの画像や説明文なども、ブランド毀損の要因となる可能性があります。

たとえば、画質が悪い写真では商品イメージが伝わりづらく、ユーザーの購買意欲を掻き立てることができません。

また、誤った情報が商品説明欄に記載されていた場合は、ユーザーからの信頼を失うことにつながります。

実際にユーザーが閲覧するページを作成する際は、十分注意を払い、適切な情報の提供を心がけましょう。

Amazonで生じたブランド毀損の事例は?

Amazonで生じたブランド毀損の事例は?

Amazonでは実際に、以下のようなブランド毀損の事例が発生しています。

  • 商品レビュー欄に悪い内容を書かせて競合他社の信用を毀損した事例
  • 模倣品販売事業者によって毀損が生じた事例

上記2つの事例を詳しく見ていきましょう。

商品レビュー欄に悪い内容を書かせて競合他社の信用を毀損した事例

健康食品通販サイトの男性役員が、Amazonの商品レビュー欄に悪い内容を書かせて、競合他社の信用を毀損したという事例です。

朝日新聞によりますと、2018年1月、福岡市内で健康食品や健康器具の通販会社を経営する男性役員(25)は仕事仲介サイトで商品レビューの仕事を募集し、それに応募した福岡県内の40代女性に別の健康食品販売会社がアマゾンで出品しているサプリメントに低評価のレビューを書かせたとされます。女性はその商品を使用したことがないにもかかわらず「一粒が大きくて飲みにくかった」などとし、5段階評価で最低の星一つとして投稿していたとのことです。これを含め同じような低評価レビューが1週間で9件ほど続き、不審に思った販売会社社長が投稿者を調べたとされます。

引用:ニュース「アマゾンレビューで有罪、やらせ投稿対策について」:企業法務ナビ

なお、この事例では、競合他社の信用を毀損したとして、健康食品通販サイトの男性役員に罰金20万円の略式命令が出たそうです。

模倣品販売事業者によって毀損が生じた事例

Amazonで除菌ケースを販売していたところ、非公式の出品者から模倣品が相次いで出品されたことにより、企業のブランドが毀損されたという事例です。

実際に届いた商品が、正規販売店のカタログに掲載された製品と異なる模倣品ではないかというユーザーからの指摘によって判明しました。

Amazonの仕様により、模倣品販売事業者がカートを獲得していたことが要因となり、このような事態が発生してしまったようです。

模倣品が手元に届いたことで、正規販売店が持つブランドの評判が悪化してしまった可能性が考えられます。

また、企業側は、模倣品の被害に合ったユーザーへ返金を行うなど、さまざまな対応に追われたようです。

Amazonでブランド毀損の被害を受けた場合の損害賠償は?

Amazonでブランド毀損の被害を受けた場合は、損害賠償を請求できる可能性があります。

ただし、詳細な調査を行わずに損害賠償を請求しても、高額な損害賠償を得ることが困難となるだけでなく、請求自体が認められない恐れもあります。

インターネット上で行われるブランド毀損では、そもそも相手が誰なのか不明なケースがほとんどです。

相手が誰なのか不明な場合は、相手を特定するための発信者情報開示請求などから始める必要があります。

また、訴訟の際に損害が認められるためには、実際に生じた損害額がいくらくらいなのかを具体的に立証しなければなりません。

しかし、ブランドの価値や評判といった無形の価値が毀損された場合の損害賠償額を適切に算定する方法が確立されていないという課題もあります。

Amazonでブランド毀損を防ぐための対策は?

Amazonでブランド毀損を防ぐための対策は?

自社ブランドの評判を守るためには、ブランド毀損が生じないように対策を講じておくことが大切です。

ここでは、Amazonでブランド毀損を防ぐための対策として、以下の3つを紹介します。

  • 低評価レビューの削除を依頼する
  • 転売対策を行う
  • ブランド毀損へつながるリスク要因を洗い出す

上記3つの対策について、詳しく見ていきましょう。

低評価レビューの削除を依頼する

星が3つ以下の低評価レビューは、削除を検討しましょう。

Amazonに投稿されたレビューは基本的に削除することはできませんが、ガイドラインに違反するレビューに関しては、出品者がレビューの削除を求めることができます。

不適切な内容や虚偽の情報、出品者に対する偏見があるレビューなど、特定の条件を満たす場合は、レビューの削除が可能です。

星が少ない低評価レビューの中でも、特に不適切な内容を含むレビューは、商品の信頼性や出品者の評価に不当な影響を及ぼす可能性があります。

不適切なレビューを発見した際は、迅速な対処を心がけましょう。

転売対策を行う

Amazonでブランド毀損を防止するために、転売対策に取り組みましょう。

もしも転売が蔓延してしまうと、ブランドのイメージが損なわれ、売上やユーザー数が減少する可能性があります。

また、転売された商品が模倣品や品質が低いものであった場合、ユーザーの信頼を失うことにもつながります。

転売対策の中でも特に重要なのが、「Amazonブランド登録」です。

Amazonブランド登録を行うことで、ブランドの知的財産権を保護し、転売業者の出品を防止することが期待できます。

Amazonブランド登録を申請する際は、ブランド所有者であることを証明するために、下記の情報が必要です。

  • ブランド名
  • 商標登録番号
  • ブランドに関する情報
  • 商標登録証の写真など

ブランド毀損へつながるリスク要因を洗い出す

Amazonにおけるブランド毀損を避けるためには、自社が抱えるリスク要因を洗い出すことも大切です。

インシデント対応のマニュアルや、報告の流れといった社内向けのガイドラインを設けておきましょう。

また、企業やブランドで運用するSNSが原因でブランド毀損が起こる事例も見られます。

公式SNSの運用ルールは、きちんと定めておきましょう。さらに、何か問題が発生した時に適切に対処できるよう、顧問弁護士などと契約しておくこともおすすめです。

Amazonで生じるブランド毀損にまつわるよくある質問

ここからは、Amazonのブランド毀損にまつわるよくある質問を3つ紹介します。

  • ブランドが毀損するとどうなる?
  • Amazonブランド登録の審査期間は?
  • Amazonの相乗り出品とは?

上記3つの質問に、順番に回答していきます。

ブランドが毀損するとどうなる?

ブランド毀損が生じると、企業やブランドが持っているイメージが悪化する恐れがあります。

また、場合によっては、これまで築き上げた社会的信用を失ってしまう恐れもあるでしょう。

社会的信用を失えば、売上の減少や営業機会の損失など、企業の存続にも関わるため、十分注意する必要があります。

Amazonブランド登録の審査期間は?

Amazonブランド登録に申請したら、およそ1週間でブランド登録の可否が決まります。ただし、Amazonブランド登録を行うためには、事前に商標権の登録が必要です。

商標登録には、通常で半年から1年程度かかると言われています。そのため、Amazonブランド登録をしたいとお考えの場合は、早めに商標登録の手続きを済ませておきましょう。

Amazonの相乗り出品とは?

Amazonの相乗り出品とは、すでに出品されているものと同じ商品を、別の出品者が出品することを指します。

Amazonでは、「1つの商品に対して、商品詳細ページは1つ」というルールがあります。

相乗り出品されるということは、自社の商品ページを、ほかの出品者に利用されてしまうことだと言えるでしょう。

相乗り出品されている場合、価格競争に巻き込まれやすくなってしまうため、売上拡大の妨げにもつながります。

一方で、ユーザーは複数のショップをチェックする必要がなく、1つの商品ページを見れば、各ショップの価格を比較できるというメリットがあります。

まとめ:Amazonにおけるブランド毀損の事例を知って対策を講じよう!

ここまで、実際に生じたブランド毀損の事例を踏まえながら、Amazonでブランド毀損が生じる要因や、その対策について紹介しました。

Amazonには非公式の出品者も多く存在しており、中には模倣品が販売されているケースもあります。

しかし、ユーザー側はこれに気づかず、正規販売店から商品を購入したものと認識していることも多いようです。

状態が悪い商品が手元に届いたとき、実際には非公式の出品者から購入していた場合であっても、ユーザーは正規販売店に対して悪い印象をもってしまう恐れがあります。

自社ブランドの評判を守り、企業としての成長を妨げられないためにも、ブランド毀損が生じないように対策を講じましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次