ふるさと納税のお礼状の書き方【事業者様向け】

【事業者向け】ふるさと納税のお礼状の書き方

「サンキューレター」をご存じでしょうか?

企業がサービス・商品をご購入いただいたお客様にお送りするお礼のお手紙です。

ふるさと納税で同様のお手紙を寄附者にお送りする場合は寄附のお礼も兼ねるため「お礼状」となります。
実はこの「お礼状」や「サンキューレター」にはたくさんのメリットがあります。

今回はふるさと納税のお礼状のメリットとお礼状に必要な内容などを例を交えながらお伝えします。

目次

ふるさと納税のお礼状とは

ふるさと納税のお礼状って?

 ふるさと納税のお礼状は「寄附してくれてありがとう」「この返礼品を選んでくれてありがとう」と寄附をしてくださったお客様に感謝を伝えるお手紙のことです。

実はこのお礼状、寄附してくださったお客様に感謝を伝えることができるだけでなく様々なメリットが期待できます。 

お礼状って必要なの?

ふるさと納税は、「生まれ育ったふるさとに貢献できる制度」「自分の意志で応援したい自治体を選ぶことができる制度」として創設された制度です。

「寄附は自治体にされているのだから自治体からのお礼状があれば十分では?」と思われるかもしれません。

しかし、本来は他の用途で使用されるはずだったお金(寄附者が住んでいる地域の自治体に収められるはずだった税金)が、返礼品が選ばれることにより、事業者はその代金を寄附された自治体から受け取ることができるのです。ふるさと納税を通しているだけであって、商品が選ばれて販売できたことに変わりはないのです。選んでいただいた寄附者様に感謝の気持ちを伝えましょう。

ふるさと納税の返礼品は寄附者に選んでもらうことで販売できる

また、ふるさと納税に出品しているということは、何か目的があって出品されていることと思います。
地域貢献はもちろん、売上アップや認知度向上、リピーターの獲得など事業を強くするために出品しているのであれば、お礼状を書かないのは機会損失につながります。この機会を無駄にしないように有効活用していきましょう。

ふるさと納税でお礼状を書くメリット

ふるさと納税でお礼状を書くメリット3つ

ふるさと納税でお礼状を書くのにはどんなメリットがあるのか、詳しく解説していきます。

感謝の言葉や気持ちを伝えることができる

寄附者に感謝の言葉を伝えよう

「地域に寄附をしていただいたこと」「返礼品として選んでいただいこと」に対する感謝を伝えることができます。

通常の販売時は店頭や販売サイトを通してお礼を伝えているケースが多いと思いますが、ふるさと納税は自治体を通すので自治体からのお礼は寄附に対してのお礼になります。

自社の返礼品を選んでいただいたお礼を伝えることで寄附者に対する誠意やより丁寧なお礼が伝わり、これにより寄附者の好感度を高め、イメージアップにつなげることができます。

顧客との関係を構築することができる

顧客との関係性

イメージアップを図ることにより、寄附者の応援や支援を継続してもらうきっかけにもなります。

現代ではデジタルでのやり取りが多いため、紙面のお礼状は中身を確認されやすいです。

お礼状により「顧客のことを大事にしている」事業者と認識されることで伝わり、寄附者からポジティブな印象を持たれる可能性が高くなります。

信用されることにより、「また利用したい!」「また利用しようかな」と思ってもらえることができ、長期的な関係に結びつきやすくなります。

記憶に残ることより身近に感じてもらい、リピートしてもらうことができる

お礼状を通して、返礼品事業者の信頼性や愛着がわき、より身近に感じてもらうことができます。

また、リピーターは過去の購買経験がいいものであったことから再び購買を選択します。

購買経験を思い出してもらう

「いい選択をした」「いい買い物だった」と思っていただけるようなイメージアップを図ることで事業者としてのブランド価値も高めることができ、リピート利用につなげることができます。

特に「ふるさと納税を通して得たもの」は、年に数件活用する程度の方が多いので、「昨年ふるさと納税でいただいたもの」など思い出してもらう可能性が格段に上がります。

商品を思い出してもらえるということは、リピートしていただける可能性が高まるということです。売上アップにつなげることができます。

備考:リピーターを増やすメリットは?

マーケティング業界では「2:8の法則」と呼ばれる、パレートの法則というものがあります。
パレートの法則とはイギリスの経済学者ヴィルフレド・パレートが提唱した考え方です。

事業の売上に適応すると「売上の80%は20%のリピーター(優良顧客)によって構成される」という意味となり、リピーター(優良顧客)の重要性がわかります。

リピーターを増やすことにより、

  • 売り上げの安定化
  • 新規顧客獲得のためのコスト削減
  • 信頼関係の構築によるブランド価値の向上
  • 顧客満足度の向上
  • 長期的なビジネスの成長
リピーターを増やすメリットとは

のようなメリットがあります。


つまり、リピーターを増やすことにより売上を大幅に上げることが見込まれます

どんな内容を書けばいいの?

どんな内容を書けばいいのか

お礼状を書くメリットはわかったけど、何を書けばいいの?と思われるかもしれません。
お礼状の目的は、「お礼を伝えること」「好感を持ってもらうこと」など返礼品を受け取った寄附者によりよい印象を与えることです。
そのために何を記載すればいいのか重要なポイントをお伝えします。

お礼

寄附者はなんでその返礼品を選んでくれたのか

寄附者が返礼品を選んだ理由が、単純に返礼品が魅力的だったからなのか、応援したい自治体の中で魅力的な返礼品だったからなのか、寄附された側(自治体や返礼品事業者)には判別することができません。
返礼品を選んだ理由がどちらにせよ、丁寧な感謝が伝わるように心掛けましょう。

「数多くあるふるさと納税の中から、○○町(自治体名)へのふるさと納税の返礼品として□□(事業者名)の■■(商品名)を選んでいただきありがとうございます。」

商品の説明

選んでもらった返礼品のこだわり説明をすることにより、顧客にとっての商品価値が上がります。
ただ返礼品が送られてくるよりも「どんなこだわりを持った返礼品なのか」ということを説明することにより、満足度を上げることができます。満足度を上げることでリピート利用、リピーターが増える可能性が高まります。

返礼品のこだわりを感じられる文面をいれよう


こだわり以外にも商品開発秘話などストーリー性が感じられると努力などが感じられて親近感を持ってもらいやすくなります。

 △△山で磨かれたミネラルたっぷりの天然水が湧き出る○○町で、日の光を浴びてゆっくりと育った自慢のお米です。ぜひご賞味ください。

 家族みんなで丁寧に大切に育て上げた自慢の逸品です。おいしい果物をお届けするために樹上で熟させ、一つ一つ手摘みで収穫いたしました。

再会へのメッセージ

再度縁ができることを望むメッセージも忘れずに書くようにしましょう。
注意することとして、商品や事業の紹介など売り込むような文章ばかりを入れると逆に好感を妨げたり・下げてしまう結果になりかねません。
お客様からのお問い合わせ体制が整っている返礼品事業者であれば商品やサービスに対するお問い合わせやご相談をよせてもらえたりするような案内を行うと、自然と安心感を与えることができ、リピート利用につながります。
 

今後とも○○農園をどうぞよろしくお願い致します。

またご縁がございますことを心よりお待ちしております。

返礼品について何かご相談やお問い合わせなどがございましたらご気軽にご連絡くださいませ。

補足:寄附者に寄り添ったメッセージを盛り込む

ふるさと納税の返礼品としてお送りするので一人ひとりに寄り添った内容を盛り込むのは難しいと思いますが、季節に合わせた寄附者を慮る内容を盛り込むことで、寄附者に「親切な事業者」だと認識されやすくなり、イメージアップにつながります。

これから厳しい暑さが続く季節となりますが、水分補給は欠かさず体調にはお気を付けください。

例文

例文を見てみよう

上記内容を踏まえ、お礼状の具体的な文面をご紹介します。

例文1:お肉

数多くあるふるさと納税の中から、○○町へのふるさと納税の返礼品として□□牧場のお肉を選んでいただきありがとうございます。

九州の自然豊かな広大な環境の中で、△△山のミネラルたっぷりの名水と栄養満点な牧草で大切に育てました。すき焼きとしてもしゃぶしゃぶとしてもご賞味いただけます。ぜひご堪能くださいませ。

これから厳しい暑さが続く季節となりますが、水分補給は欠かさず体調にはお気を付けください。
またご縁がございますことを心よりお待ちしております。

例文2:果物

ふるさと納税の数多くある中から、○○市へのふるさと納税の返礼品として□□農園の梨を選んでいただきありがとうございます。

みずみずしくてさっぱりした甘さとシャリシャリとした触感を、ぜひお楽しみください。
生のまま食べるのが一番おすすめですが、すぐに食べきれない場合はコンポートやジャムにしてもおいしくお召し上がりいただけます。

だんだんと肌寒くなっていく季節の変わり目になりますが、体調にはお気をつけてお過ごしください。
今後とも□□農園をどうぞよろしくお願いいたします。

お礼状をきちんと読んでもらうには?

お礼状をきちんと読んでもらうにはどうすればいいのか

お礼状の書き方についてお話してきましたが、そもそも読んでいただかないとお礼状を作成した意味がありません。
せっかく書いたお礼状をしっかりと寄附者に読んでいただくにはどうすればよいのかをお伝えいたします。

はがきやカードなどを使う

返礼品のお礼状は返礼品に同梱されることがほとんどです。

返礼品に注目が集まるため、封筒を開けずとも確認できるはがきやメッセージカードのようなものの方が目に入りやすく手に取ってもらいやすいです。

封筒の場合、商品一覧などが入っていると思われやすく、開封されない可能性もあるため、確実に目に入るような形態で作成しましょう。

「手書き」または「手書き風」のフォントをつかう

デジタル社会の現代、手書きや手書き風フォントを使用することで、実際に手を取って読んでもらう確率が高くなります。明朝体やゴシック体などよくPCやスマートフォンで使用される活字書体の場合とは異なり、明らかに普段目にするフォントと異なる特別感や温かみが感じられるため、相手の目を引くことができます。

手書きフォントとの比較
明朝体で書いたお礼状
手書きフォントで書いたお礼状

また手書きや手書き風にすることで、読み手にとって「手紙を書いた人」がイメージしやすくなり、「事業者が大量に作った手紙」という印象から「事業者のだれか一人が代表して心を込めて作成した手紙」という印象に近くなります。

「イメージできない事業者」より「イメージしやすい誰か」の方が身近に感じてもらいやすいです。手書きや手書き風フォントには読み手に書き手をイメージの持たせることができる効果があります。

文面は長すぎないように心がける

時候の挨拶などを入れてしまうと「どこかからコピーして引用しているんだな」と認識されやすくなり、「心を込めたお礼のご挨拶」という印象が薄くなってしまいます。丁寧な印象を持たせることはもちろん大事ですが、読み手が「読みやすいか」「最後まで読んでもらえるか」ということを重視しましょう。

イラストなどのアイキャッチを意識する

手書きや手書き風フォントをおすすめする一つの理由にはアイキャッチを意識している部分があります。見る人の注意と惹きつけることで手に取ってもらえる可能性が高まります。

アイキャッチを意識したお礼状の例

より目を引くお礼状にするには、イラストやカラーを入れたデザインにすることをお勧めします。返礼品のイラストでもいいですが製作者・製造者の似顔絵やイラストだと安心感を与えたり、思い出してもらえる可能性が高まるでしょう。
せっかくお礼状を作成するのであれば手に取ってもらえるお礼状を目指しましょう。

まとめ

今回はふるさと納税のお礼状についてお伝えしてきましたがいかがでしたか?お礼状があるのとないので寄附者からの印象は異なります。

上記の紹介した内容をすべて盛り込む必要はありません。思いが伝わるお礼状であればよいのですから、まずは1歩お礼状を書いてみることから始めてみましょう。

返礼品として選んでいただいたお礼を伝えるためだけでなく、事業のファンやリピーターを増やすことにもつながるお礼状。

ふるさと納税に出品されているのであれば、ぜひ感謝の気持ちが伝わるお礼状を作成し、返礼品と一緒にお届けすることをおすすめいたします。

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生まれ育ったふるさとへ納税を

生まれ育ったふるさとから遠く離れた土地に住まい、お仕事をする。しだいに地方では、若い働き手がいなくなり、税収も減り、過疎化が進んでしまいます。

ふるさと納税は、ふるさと以外の市町村で働き納税をしている人たちに、生まれ育ったふるさとに納税してもらえる仕組みとして立ち上がりました。

返礼品は、地域の特産品はもちろん、地域課題を解決するクラウドファンディング、地元小学校へ用品寄附など様々な形でふるさとを応援されています。

私たちサイバーレコードでも、中間事業者としてふるさと納税の事業者開拓や、商品開発のお手伝いを行っています。自治体・事業者・協力する人たち、さまざまな人たちと連携して地域で活動することで地域活性化になるのだなあ、と実感しています。

ぜひ、ふるさとへの納税・応援したい自治体への納税をしていきましょう。

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